真実

著者 :
  • 文藝春秋
3.79
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本棚登録 : 63
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908090

作品紹介・あらすじ

すべての世代に響く、かっこいい女性のパイオニア・梶芽衣子のすべてが詰まった一冊17歳でスクリーンデビューした梶芽衣子。思ったことを口にしてしまう彼女は生意気な女優として名を馳せるが、その裏で心細さに泣いた日々もあった。しかし持ち前の負けん気と「勉強、努力、忍耐」のスローガンを抱え、女優としての道を切り拓いていく。「女囚さそり」での一言も話さない主役という案を考えたり、子供が欲しくて結婚を機に引退を考えていたり、恋人からのDV、それまでのイメージと異なる「寺内貫太郎一家」への出演、歌手活動、勝新太郎や高倉健との共演、「曽根崎心中」の苦労と成功、望んでいた企画を奪われた失意と怒りと達観、鬼平犯科帳に心血を注いだこと、亡くなった妹や海外で活躍する弟や料理人であった父のこと、これからやりたいこと……女優梶芽衣子の波乱万丈の人生を、振りかえる。

感想・レビュー・書評

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  • 堂々とした生き様。歯切れの良い語り口。読んでいて気持ちよくなるし、時には姿勢を正される。元気になった!

  •  女優・梶芽衣子が、デビューから現在までの来し方を語った自伝である。
     清水まりというライターが構成(インタビューして話を文章にまとめる)を担当しており、清水の名は表紙や背にもちゃんと載っている。つまり「ゴースト」ではない。

     ものすごく読みやすい本で、あっという間に読み終えることができる。
     清水まりのまとめ方がプロだ。ヘンに気取った、凝った表現は一切使わず、梶芽衣子の語りをわかりやすく読者に伝えることに徹している。

     「媚びない・めげない・挫けない」という帯の惹句のとおり、梶芽衣子のカッコよさが全編に横溢した一冊。
     新人時代から、筋の通らないことがあれば監督にも堂々と文句を言ったという彼女は、大物女優になってからも「媚びない・めげない・挫けない」をつらぬき通す。

     最大の当たり役となった『女囚さそり』の、画期的な〝一言も話さないヒロイン像〟は、梶芽衣子自身がアイデアを出し、周囲の反対を押し切って実現したものなのだという。

     また、一作限りの約束だった『さそり』が大ヒットしたことで、第2作・第3作が作られることになったとき、梶は当初出演を拒否する。出演を説得しようとする大物プロデューサーらが待つ現場に、事務所の社長やマネージャーの同行も拒否し、一人で乗り込んでいく様子は、任侠映画の殴り込みシーンのようなカッコよさだ。

     本書の圧巻は、『鬼龍院花子の生涯』をめぐって大物プロデューサーの裏切りに遭った(元は梶が自らの主演で企画した映画だったのに、盗られてしまった)経緯が綴られたくだり。その裏切りに対して梶が取った態度がまた、なんともハードボイルドなのである。

     勝新太郎・高倉健・渡哲也・深作欣二・長谷部安春など、綺羅星の如き役者と監督たちの思い出が、印象的に語られている。
     梶芽衣子ファンのみならず、邦画ファンなら間違いなく楽しめる好著。

  • 私がすごく好きな梶芽衣子の本。
    梶芽衣子は最高だ!
    昨年とか女性著名人のエッセイとか読んだけど
    正直ふ~んおしゃれですねハイハイっていう内容が多かったけど
    この本に比べたらまさに月とすっぽん。
    2回言うけど、梶芽衣子は最高だ!
    最近CD出したりライブをしたり、いろんなテレビに出たり
    とても70歳を越えているとは思えない
    めちゃくちゃかっこいい~!!
    「鬼龍院花子の生涯」のことで、日下部五朗のことをdisってたのが面白かったw
    生き方そのものが魅力的だし、どんな役でも梶芽衣子にはならず
    ちゃんと演じてるまさに本物よなーって思う
    これからも元気で長生きしてほしいし
    やりたいこととかたくさんやってほしい。
    まだまだ追いかけていこうと思う。

  • 梶芽衣子 著「真実」、2018.3発行、半生の記です。1947年生まれ、太田雅子から梶芽衣子に。あの「眼力」、魅力ですね。私は松島ナミを演じた「女囚サソリ」(1972年)と、その歌「恨み節」の強烈な印象が残っています。そして、それ以外は何も知らないのですが、「同棲時代」「寺内貫太郎一家」「無宿」など、活躍を続けておられたことを知りました。これまでを回顧され、今後への意気込みを込めた作品です。頑張って下さい!

  •  
    ── 梶 芽衣子/清水 まり・編《真実 20180312 文藝春秋》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4163908099
     
    …… 女優・梶芽衣子が、デビューから現在までの来し方を語った自伝
    である。清水まりというライターが構成(インタビューして話を文章に
    まとめる)を担当しており、清水の名は表紙や背にもちゃんと載ってい
    る。つまり「ゴースト」ではない。
     ものすごく読みやすい本で、あっという間に読み終えることができる。
     清水まりのまとめ方がプロだ。ヘンに気取った、凝った表現は一切使
    わず、梶芽衣子の語りをわかりやすく読者に伝えることに徹している。
    「媚びない・めげない・挫けない」という帯の惹句のとおり、梶芽衣子
    のカッコよさが全編に横溢した一冊。前原 政之のレビュー(20180919)。
     
    https://twitter.com/KajiChannel/status/1261198751663710208
    ♀Kaji, Meiko 女優・歌手 19470324 東京 /籍=太田 雅子
    https://ameblo.jp/meikokaji/
     
    ♀清水 まり   ライター 19‥‥‥ ‥‥ /
    ♀清水 マリ  声優・女優 19360607 埼玉 /劇団新人会/籍=山内 鞠/清水 元の娘
    ♀清水 まり     歌手 193.‥‥ 京都 /籍=照代/綋治の姉
     
    https://www.youtube.com/channel/UCp0T6tfzlqugkpnptGq8axw/featured
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B2%EA%B0%E1%BB%D2
    https://twitter.com/awalibrary/status/1261666480657072128
     
    ── 石坂 洋次郎・原作《悲しき別れの歌 19650320 日活》
    ── 太田 博之・主演《青春前期 青い果実 19650516 》W太田
    ── マキノ 雅弘・監督《日本残侠伝 19690809 日活》改名
     
    ── 篠原 とおる・原作《女囚さそり 19720825-19731229 東映》シリーズ5
    …… 主題歌《怨み節》
    ── 宇崎 竜童・共演《曽根崎心中 19780429 ATG》
    ── 《女番長 野良猫ロック 19700502-19710103 日活》シリーズ5
     
    (20200220)(20200516)
     

  • 「媚ない、めげない、挫けない!」、これですよ!

  • 梶芽衣子さんのことをこの本を読んで初めて知りました。ずいぶん生意気な女の子だったのだと思いますが、さっぱりしていて気持ちよさそうな人です。この年になっても現役で歌を歌ったりしていることにビックリ! かっこいい人ですね。

  • ☆映画見てみたいな。
    三國連太郎は、台本は少なくとも100回は読む。読めば読むほど答えがあるのが台本だから、と。

  • 【ありのままの梶芽衣子もやはりかっこよかった!】『野良猫ロック』『さそり』『修羅雪姫』『鬼平犯科帳』など存在感ある演技と役柄で時代を超えて愛される女優が半生を振り返る。

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梶芽衣子の作品

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