ファインダーズ・キーパーズ 上

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907116

感想・レビュー・書評

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  • 第一弾は昨年発売した「ミスター・メルセデス」
    不景気に沈み込むアメリカ。その足下まで腐食した部分、その崩れかかった部分さえをも得ようと糧を求めた労働者の列に無慈悲にもメルセデスベンツはアクセル全開で突入した。この大量殺傷事件を引き起こしたにもかかわらず、捜査線上には一切現れなかった冷酷無比な犯人が次に狙ったのは人間のコントロール。退職して自暴自棄になったかつての熱血刑事ビル・ホッジス。彼をコントロールし、嘲笑し、嘲り、自ら死を選ばせようとする・・・・・
    上下巻の大作「ミスター・メルセデス」は元刑事と黒人少年に心の病を背負ったアラフォー女子のチグハグ3人組が殺人鬼に挑むノンストップスリラー。

    今作はその事件から30年以上遡った1978年から始まる。
    片田舎で隠遁生活を営むかつてのベストセラー作家。
    彼の平和な眠りを強盗が襲う。
    彼らが盗み出したのは貯めこまれていると噂される現金、
    そして隠遁後に書かれていたであろう夥しい数のモレスキンに綴られた文章

    犯人が熱狂的な「作品」の信者だった事で事件は単純な強盗事件から
    長い長い迷走の旅を始める・・・・

    そして舞台は2010年
    メルセデスベンツが無慈悲に殺戮を行ったあの街から作品は動き始める。

    これもまた「出会いと別れの物語」

  • キング初のミステリー『ミスター・メルセデス』を読まずにこっちを先に読んでしまったのは、別に失敗だったとは思わない。『ミスター・メルセデス』はいずれ読む。かなりのネタバレを含んでしまっているが、読んだことは後悔していない。結末を知っていても、面白いものは面白いんだから。

    しかしながら、上巻は読むのがかなり辛かった。『ミザリー』と『刑務所のリタ・ヘイワース』を想起させる強盗殺人犯(主人公の一人といっていい)と、「メルセデス・キラー」の事件で崩壊の危機に陥った家族を何とか助けようと孤軍奮闘する少年。交わるはずのない二人の運命が、一人の作家の残したノートによって捩りあわされていく。作家を殺しノートと金を奪った凶悪犯はクソ野郎に違いないが、架空の存在である小説の主人公に狂うほど(実際には狂っているのだろうが)のめりこんでいく姿には、ある種の共感すら覚える。

    そして、我らが主人公退職刑事ホッジスの登場は上巻も終盤近くなってからだ。彼が登場するまでは、本当に読み進めるペースがいつになく遅かった。
    彼と、彼の仲間は少年を救うことができるのか?
    下巻へ急ごう。

  • 退職刑事ビル・ホッジスが大量殺人鬼「メルセデス・キラー」と渡り合った前作「ミスター・メルセデス」の事件から4年。「ファインダーズ・キーパーズ」探偵事務所を構えるホッジスの前に・・・と簡単には話は始まらないところがこの第2部のひねったところ。1974年の有名作家の強盗・殺人事件からスタートするこの物語は、徐々にメルセデス・キラーの犠牲になって人生を狂わされた親子をからめとり徐々に2014年のホッジスにつながっていきます。
    引退した有名作家というと、内輪ウケだけの話のなるのかとの心配をよそに、寝苦しい夏の夜のなか、切なさ全開でどんどん読ませます。ほんとに最近のキングは「また」面白くなった。すごいことだ!

  • ミスターメルセデスの続編。いつものようにすぐに話に引き込まれる。前編では、まだまだこれからというところ。後編が楽しみ。

  • 始まったら終われない、例のごときジェットコースターのよう展開で。

    ピート少年がいじましい。どうぞ彼が傷つきませんように・・・

  • やっぱスティーブン・キングは良いなー
    って感じで下巻へ続く。

  • 2年前に前作のミスターメルセデスを読んでいる。すっかり前作の登場人物を忘れてしまい、それぞれの関係性が分からないのは残念だ。

  • まずは一気に

  • 2019/06/05

  • 主人公の少年にガッツリ感情移入。ハラハラドキドキ。下巻へ!

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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