色仏

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906454

作品紹介・あらすじ

うちの背中の観音様より、色っぽい仏さん、彫ってみ。目をそらしたらあかん……官能と芸道の間で揺れ動く男と女の業(ごう)江戸末期の京都。北近江の十一面観音に魅せられた青年、烏(からす)は、僧になるため京の都にやってきたが、観音像を彫るために仏の道を捨てる。食うために彼が生業にしたのは、生身の女のあられもない姿を掘り出すことだった……。団鬼六賞受賞の、注目の女性作家、初の官能時代小説。

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  • 初出 2014〜15年「オール讀物」

    北近江の月無寺のなまめかしい十一面観音に憧れた「烏」は、僧になる修行を辞めて観音像を彫りたいと願うが 、その観音像の刺青を背に負う真砂に出会い、食うために求めに応じて裸の女をモデルに人形を彫る。

    真砂の刺青を彫った男の求めで、烏はモデルなしに自分の内なる観音像すなわち自分にとっての「女」の姿を彫ろうとする。

    どろどろした情念とエロスを芸術にしようとする男と、そこに嫉妬しエロスに生きようとする女が時代小説にうまくはまっている。

  • 【うちの背中の観音様より、色っぽい仏さん、彫ってみ。】江戸末期の京都。僧になるため上京した青年、烏(からす)は、ある女に出会い仏の道を捨て、観音像を彫り始める…著者初の時代小説。

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著者プロフィール

兵庫県豊岡市生まれ。
京都女子大学文学部中退後、映画会社や旅行会社などの勤務を経て、2010年に『花祀り』で団鬼六賞を受賞しデビュー。男女のありようを描く筆力の高さには女性ファンも多い。
著書に『寂花の雫』『花祀り』『萌えいづる』『女坂』『楽園』『好色入道』『偽りの森』『花びらめぐり』『うかれ女島』『どうしてあんな女に私が』『紫の女』など多数。
現在も京都でバスガイドを務める。

「2020年 『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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