愛蔵版 蝉しぐれ

著者 :
  • 文藝春秋
4.16
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本棚登録 : 134
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (465ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905747

作品紹介・あらすじ

藤沢周平没後20年記念出版。苛烈な運命に翻弄されつつ成長してゆく少年藩士を描いた、青春小説の傑作。数ある藤沢作品のなかで不動の人気ナンバー1である名作が、蓬田やすひろ氏の描きおろし・カラーさし絵入り愛蔵版として登場。「蟬しぐれ」は、架空の北国の小藩「海坂藩」を舞台にした唯一の長篇小説。清流と木立に囲まれた城下組屋敷、幼き日の牧文四郎とおふくの淡い恋、友情、悲運と忍苦、そして再会……情緒豊かに描かれる数々のシーンを楽しみながら、新たな気持で手にとってほしい、永久保存の一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • ん~♪ん♪ん~♪ん~♪ん~♪

    ん~♪ん♪ん~♪ん~♪ん~♪

    ん~♪ん♪ん~♪ん~♪ん~♪

    『レ♪ミ♪シ♪ド♪レ♪』なんちて(分かりづらいわ!)

    さて『蝉しぐれ』です。
    時代小説の二大巨頭山本周五郎さんに続いて、藤沢周平さんを初読了です。言ってみれば二大”周”制覇です。もう時代小説のことならなんでも聞いてください(にわかが言いそうなこと1位)

    それにしてもなんですかこれ、めちゃくちゃ面白いじゃないですか
    なんて言うのかな、同じ時代小説でも自分が大好きな今村翔吾さんや高田郁さんなんかのだいぶエンタメに寄ってる方たちと比べて、時代小説らしい時代小説ってこういうのを言うのかなと感じました
    あえて名付ければ「純時代小説」、なぜかノスタルジックな感じもしたんですよね
    文体が古臭くて堅苦しいんだけど、読みづらさを感じない、しっくりくんです
    不思議

    さてお話の方はといえば、まぁ有名なお話なのであえてわたくしごときがあらすじを追わなくとも良いでしょう(いつも通りやないか)

    ところでこの愛蔵版には挿絵がついていたんですが、これがねいやあえて浮世絵ちっくな江戸の美人を描いているのはわかるんだけど、おふくがぜんぜん可愛くないので感情移入ができない!(下衆の極み)
    これから藤沢周平さんにチャレンジしようと思っている方はご注意ください!(下衆のアドバイス)

    • みんみんさん
      kumaさんのコメでハッと気づきました。
      わたしも蝉しぐれを読んだ後、古本屋で大量購入しました。
      もうどの本に何の短編が入ってたかわからなく...
      kumaさんのコメでハッと気づきました。
      わたしも蝉しぐれを読んだ後、古本屋で大量購入しました。
      もうどの本に何の短編が入ってたかわからなくなってしまいましたが笑
      でも読んでも読んでも「似たような話だな」
      って全く思わなかった(*_*)
      そしてよくこんな短い話を映画にしたもんだ…
      と驚いたことを思い出しました!
      2022/12/28
    • ひまわりめろんさん
      kumaさん
      こんにちは!次は『橋ものがたり』ですね
      了解しました!
      みんみんが次から次へと時代小説の良書を薦めてくるのでうれしい悲鳴...
      kumaさん
      こんにちは!次は『橋ものがたり』ですね
      了解しました!
      みんみんが次から次へと時代小説の良書を薦めてくるのでうれしい悲鳴を上げ続けておりますよ

      みんみん
      藤沢周平さんは文体がすごい気にいったんでどんどん読む!予定
      2022/12/30
    • みんみんさん
      わたし「雪明り」が好きなんだよね…
      泣けるのよ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
      わたし「雪明り」が好きなんだよね…
      泣けるのよ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
      2022/12/30
  • たまたま一緒に仕事をした方からお薦めされた一冊で、自分が初めて読んだ時代小説でした。

    時代小説は文章が堅くて難しい印象だったので今まで読んだことなかったのですが、この作品は物語の細部までとても凝っていて文章の堅さなんて気にならないくらい面白かったです。

    前半は初めての時代小説ということもあり、中々ストーリーに入り込めず読み手が進まなかったのですが、中盤からラストにかけては、話の展開が面白すぎてどんどん読み進められました。

    この本を読んで、人生っていいことも悪いことも色々あるから美しいんだなーって、常に一生懸命な文四郎の生き方から学ぶことが出来ました。
    今何か悩んでることがあって、前へ進むことができなくなったらまた、再読したいと思いました。

  • 良かった。不動の人気NO1というのもうなずけます。

    おふくとの淡い淡い恋がなんとも言えなかった…。一回のすれ違いが、人生を大きく変えてしまう。切ないです。まぁ、だから良いんですよね。実らない恋というものは、いつまでも美しいものなんでしょう…。

  • 読んでなかった時代小説の傑作を読んでみた。
    何で今まで読んでなかったのか、躊躇していた自分をこんこんと問い詰めたいほどの大傑作。

    清廉、純真、潔く、まっすぐ、熱く、冷静…心の中にある肯定的な感情のつぼをすべて刺激されるようで、読んでいて心がすっきり晴れ渡る。

    どろどろとした内容になるはずのシーンも、何故か泥を感じない。泥くさいのではなく、青苔の香に昇華させているあたりの筆の巧みさ。世間の評価はそら、これを傑作と呼ぶはずだわ。

    55年まぁまぁ淀んで生きた俺でも、今から居住まい正して少しすっきり生きようかなと感じ入った次第。なんだか、ウジウジしてしまっている時に何度も再読してみたい小説である。

  • 読み終え、一夜おいてまだ余韻に浸っています。

    流されてゆくしかなかった2つの人生と、それを包み込む、どこか懐かしい日本の情景。
    自然の描写が特に美しく、何度も読む手を止めてはその空気を味わってしまいました。
    解説にも書かれていましたが、物語を通してひとつの清朗さと抒情的な雰囲気があります。
    また、時代小説としても楽しめる作品だと思います。

    タイトルに惹かれて手に取りましたが、あらためて本を閉じた今、この言葉がしみじみと胸に染み入ってくるようです。

    変わらないもの、変わりゆくもの。



    せみしぐれ【蝉時雨】

    〘名〙 多くの蝉の、鳴きしきる声が、大きくなったり小さくなったりして、まるで時雨の降る音のように聞こえるのをいう。蝉の時雨。《季・夏》
    ※俳諧・享和句帖‐三年(1803)一〇月「浮島やうごきながらの蝉時雨」
    (コトバンクより)

  • 不遇な境遇を黙々と耐えで剣の道を極める。
    武士の真髄とはこういうものなのか。
    変わらぬ友情や東北の風景が美しい文章で綴られており、陰謀や闘いのシーンではハラハラ。
    また淡い初恋であったお福さまとの再会のラストシーンが切なく、お福さまの人生を想うと泣けた。

  • 初藤沢周平作品。一番人気の作品を読む。

    文四郎、逸平、与之助たち少年剣士の青春小説。
    藩の家老方の派閥争いに巻き込まれ、一時はお家取り潰しに近い処分まで下された文四郎が、剣の道や友や周りの大人達に助けられながら、藩の陰謀に挑む。
    文章も美しく心情も丁寧につづられていて、もう一度熟読して見たい作品。

    再読。
    20年後に文四郎とお福様が会う場面が良い。2人とも昔の儚い想いを忘れていない所がグッとくる。2人だけで再会出来て良かった。

  • 夏になると読みたくなる。何度読んでも風景や心情の描写に心を打たれ、最後には涙してしまう。
    高校の国語の教科書に載っていたのがきっかけで読んだが、この文章の美しさは今後も多くの人に読み継がれてほしい。

  • 直虎で生まれて初めて大河ドラマにはまり、時代小説に手を出し始めたところ。
    これくらいが読みやすくていいかもしれない。
    読後感が爽やかでよろしい。今後も作家買いしようと思います。

  • 462

    2017年では96冊目

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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