直撃 本田圭佑 (Sports Graphic Number)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905570

作品紹介・あらすじ

「本田くん、ある意味、それは勝ち逃げだよ」気鋭のスポーツライターが投げかけた一言からすべては始まった――。2010年南アフリカW杯で衝撃な2得点を挙げ、ベスト16の立役者になった本田圭佑は、大会終了後、突然口を閉ざした。取材オファーをすべて断り、孤高の道をゆかんとするサッカー日本代表のエースに気鋭のスポーツライター・木崎伸也が立ち向かう。モスクワ、バルセロナ、ミラノ、ブラジル……アポなしの独占直撃取材で引き出した本田圭佑の本音。足掛け7年、28回にわたる真剣勝負の対話から浮かび上がる型破りの哲学。これは、知られざる本田圭佑の人物像であり、ひとりのアスリートに迫っていくジャーナリストの試行錯誤の物語である。1 ≪W杯を語らない本当の理由≫カッコいい感じやなと思ったら、オレはしゃべるし。ダサいなと思うときにはしゃべらへんし。シンプルですよ。2 ≪初めて明かしたW杯後の真実≫1年後の成功を想像すると、日々の地味な作業に取り組むことができる。僕はその味をしめてしまったんですよ。3 ≪アジアカップ優勝&MVP直後の本音≫自分の器用さが嫌なんですよ。それだと成長スピードも、のびしろも、日本人の枠に収まってしまう。4 ≪非エリートの思考法≫安定って言葉は、これまで生きてきてあまり使ったことがないし、聞いたこともないですね。僕の辞書にない言葉です。5 ≪究極のサッカー問答≫いつも自分のビデオを見返して、どんだけ下手やねんと思う。6 ≪追跡ルポ①≫Numberの名前を出せば、しゃべると思ったら大間違いだよ(笑)。7 ≪ガチンコ勝負のコミュニケーション論≫人間関係を大事にするなら、本音を言わないとあかん。むしろ本音を言わない人は、逆に人間関係を大事にしていないように思える。8 ≪まさかの取材拒否≫これでインタビューをとろうなんて甘い。オレが納得する企画を持って来い。9 ≪現代サッカーにおける創造性≫理想を求めずに合理性だけで、勝つ確率を求めているんじゃ、未来を感じない。おもしろみがない。10 ≪それでも世界一を目指す覚悟≫下馬評どおり、案の定ブラジルに負けて。なんか嬉しくなる気持ちわからへんかな?簡単に勝てたら、この先おもしくなくなるやん、みたいな。11 ≪マイナス6度のモスクワにて≫未来なことなんていうのは誰にもわからない中で、信念だけが支えになる。12 ≪追跡ルポ②≫本田圭佑不在、その真実を求めて。13 ≪雄弁なる沈黙≫オレのコメントなしの記事、楽しみにしてるよ。14 ≪ブラジルW杯出場決定≫人間って、気が緩んでいないと自分では思っていても、気が緩んでいるものだと思う。どうやって引き締めるかといったら、くどいほど自問自答するしかない。15 ≪コンフェデ杯3戦全敗後の告白≫自信の差がそのまんまイコール格になる。負けられないというプライドが、相手を打ち負かす力になる。16 ≪欧州遠征の手応えと課題≫人間にとって、失敗って自慢できるもので。何度も言うように、失敗しているときがチャンスなんですよ。17 ≪軌跡を起こす壮大なる計画≫波乱を巻き起こすには、勘違いを芽生えさせなければいけない。それができるという期待を、僕は自分自身にしているんです。18 ≪名門ACミランへの挑戦≫移籍までに時間はかかりましたが、必然だった。2年前の僕では、重圧を乗り越えられたかわからない。19 ≪己の仕事とミラン再生計画≫自分は選手の立場にいても、監督としての仕事をできる。20 ≪ミラノでの葛藤≫今のチームは“普通”のタイプがいない。だからこそ普通でいること自体が差別化になるというかね。それが自分の付加価値になり得る。21 ≪ブラジルW杯 存在証明①≫自分の中ではここを節目にするという気持ちで挑んできた。次はないくらいの気持ちで挑むべきだと自分に言い聞かせています。22 ≪ブラジルW杯 存在証明②≫負けたこと自体がショックなのではなくて、「自分たちの良さを出し切れずに敗れてしまった」ことのほうがショックだった。23 ≪ブラジルW杯 存在証明③≫世界一のための作業が過去4年間、間違っていたのであれば、正解は何なのか。それをもう一度、一から見つけたい。24 ≪ブラジルW杯後の理想と現実≫今は自分で新たに作ったモノサシを実践している最中。いろんな挑戦をしてきたけど、今回はどのチャレンジとも違う試みになると思う。25 ≪新境地の功罪≫僕が全部やれるわけではないんでね。今は割り切って自分の能力を高めていくことに集中したい。26 ≪アジア杯2015 まさかの敗退≫勝った負けたという話で終わらせてはいけない。ここからは勝ち負けよりも、どこまで突き詰めてやっていけるかやから。それが自ずと結果になってついてくる。27 ≪開幕直前の生存競争≫もし自分のスタイルを貫くのであれば、移籍を視野に入れた方がいい。28 ≪逆境の胸中≫俺は多分、何かを守ろうとしている人間と根本的に思考が違う。おもしろいか、おもしろくないか。おもしろいやんとなったら、評価がズタボロになってもやる。

感想・レビュー・書評

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  • 2014年W杯前後の本田の歩みを木崎さんのインタビューによって語られている。本著は本田圭佑と信頼関係にある木崎さんだからこそ得られた情報や証言であり、他のライターにかけない物である。本田圭佑自身も自分の発信場所として木崎さんを信頼しており、内容も非常に濃いものとなっている。

  • 23年11月20日読了

  • 客観的な分析力がありながら、環境最適を目指さない信念の強さに惚れ惚れする。

  • ケイスケホンダという人物を更に知ることができる

    モチベーションがあがる

  • 本(読み物)としてはイマイチ。主張がどこにあるのかわからない(日記みたい)。
    それはそれとして、なぜ森保Japanはたよりないのか。カズ、中田、本田と受け継がれてきた、カリスマのポジションが不在だからではないのか。サッカーのあり方として正しいのかどうかはべつとして、日本のサッカーにはそういう存在が必要、それは今の結果がものがたっている。そんな気づきはあった。

    そして、それはそれとして。本田とは個人的に友達にはなれない(そんな機会あり得ないのは承知の上で)。なんで常に俺は正しい、お前は間違い(あるいは俺より劣る)スタンスなのか。いやまあいいけど。

  • 本田圭佑選手の自叙伝ではなく、木崎伸也さんというライターの方が行なった本田選手へのインタビューをまとめたものです。
    常に自分の中に高い目標を定め、その目標を達成するために最大限に努力し続ける。また、それでいて、自分のやり方に固執するのではなく、必要なものや求められているものに応じて臨機応変にやり方を変えていく本田選手の姿勢を感じられました。この姿勢はスポーツだけでなく、他分野でも見習うべきものだと強く思いました。

  • 自分の行動に自信が持てなくなったときに背中を押してくれる。真っ直ぐに生きる本田選手から勇気をもらえる一冊。やっちゃえ高橋

  • ■感想
    テレビの印象でしかないが、本田の内面は自分勝手でビッグマウスだと思っていたが、冷静な人なんだという認識変わりました。
    日々考えている人なんだというのが伝わってきます。

    ■要諦
    ・早い段階での挫折、立ち上がれる
    ・やってることはみんなと変わらない ただ夢のためにはなんでも我慢できるし、想いがみんなより強いってこと
    ・作った人間が本当の人格になる
    ・一般の人に衝突に見えても、そうではない。人間関係を大切にするために、伝えたいことを伝えるだけ。
    ・相手を変えるのは俺がやることではなく、相手がやること。俺はきっかけ作りをしているだけ。
    ・自信の差がイコール格の違いになる。負けられないというプライドが相手を打ち負かすパワーになる
    ・勝った時にこそ冷静に分析
    ・ミスした時に何やってんねん、というと相手がどんな反応するかわかる。俺のことを理解しようとしている人には明確に戦術イメージを伝える。
    ・壁に当たったときは、原点に帰る。できることをする。それが自信につながる。
    ・休みから得るものは何もない オシム
    ・気分が乗っているときは簡単に追い込める。辛いのは気分が乗ってないとき。その時でも本田圭佑は追い込める
    ・選手、起業家、教育者
    ・夢があったとしたら大半の人ができるかどうか、を考える。でも、本田圭佑はやるかどうかを考える。

  • サッカーが好きな人、本田圭佑が好きな人には興味深い内容になっています。 南アフリカW杯からブラジルW杯、そしてヨーロッパでの挑戦。時折でてくる本田の哲学には今の日本代表の選手では誰も持ち合わせていないようなとても広大なビジョン、屈強な精神を見ることができます。
    本田圭佑のファンでもそうでない方にもおすすめしたいです。

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著者プロフィール

「Number」など多数のサッカー雑誌・書籍にて執筆し、2022年カタールW杯では日本代表を最前線で取材。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『ナーゲルスマン流52の原則』(ソル・メディア)のほか、サッカー代理人をテーマにした漫画『フットボールアルケミスト』(白泉社)の原作を担当。

「2023年 『蹴球学 名将だけが実践している8つの真理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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