ゆけ、おりょう

著者 :
  • 文藝春秋
3.22
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本棚登録 : 143
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905020

作品紹介・あらすじ

「あねさん、坂本さんと別れて下さい」「は?」世話のやける弟だったはずの龍馬はいつしか時代の英雄へ――酒飲みで口が達者、自分を見失わないおりょうの魅力満載の歴史長編。

感想・レビュー・書評

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  • 破天荒だけど冷静なおりょうがせつない。

    なんとも面白かった。

    下関の伊藤家、建物残ってない。残念だー。

  • お龍さんの目線で見る坂本龍馬は実に面白かった。
    先日、小泉進次郎さんが来高され、高知との接点はお龍さんの墓が横須賀にあるというコメントがあり、まさに本書を読んでいたのも同じタイミングだったので吃驚(笑)
    でも、なぜ?お墓が横須賀なんだろう?って思いつつ、読み進めると吃驚??
    再婚してて晩年は横須賀にいたんですね?
    龍馬のことは何かと目にしたり耳にしたりしますが、お龍のことは、改めて本書を読むことで知ること満載(^^;
    坂本龍馬がメジャーなのは大政奉還があったからだと思い込んでいましたが、龍馬の死後、おつると名を変えたお龍が真実を伝えていなかったら、ひょっとしたら、こんなにメジャーじゃなかったのかも(゜ロ゜)

  • これまで竜馬を描いた作品は無数に存在したはずだが、その妻おりょうをテーマに、その人格や足跡を丹念に描いた作品と初めて逢った。彼女の行先不明な暴走を思わず窘めたくなることもあった。けれども、竜馬逝去後、自らの道を定めていく彼女の後半生には、曙光を眺めるような読後感に浸らされる。おりょうの快活な生命力が、ただただ眩しい。

  • 直木賞作家が受賞する前の作品。龍馬の妻、おりょうが主人公。最初から龍馬にほれたのではなく、別の男が好きだった。会話は軽妙で笑いありだが、龍馬が死んでからのおりょうが描かれ、何とも切ない。

  • おりょうの立場から見た龍馬小説。

    最終章の再婚から晩年の話を除いては、これまでの龍馬小説の焼き直しとしか思えませんでした。
    おりょう視点のみで描くとか、松兵衛の回顧録にするとか、新機軸で読ませる方法はあったと思うので残念です。
    最近の英雄や大河主人公をメインとした歴史小説は、柳の下の泥鰌を狙っているのか、小説というより偉人紹介伝にしかなっていないものが多すぎます。
    門井さんの小説もその傾向が多くなってきたので、気を付けてほしいです。

  • 町医者の長女に生まれたおりょうは、父亡き後、一家の大黒柱として料理屋兼旅館の仲居として働いていた。龍馬と知り合い、龍馬の命を助けたおりょうであったが・・・
    伏見の女酒よりも灘の生一本を好んだおりょうの、龍馬亡きあとの後半生の寂しさが伝わってくる作品だが、天才シリーズ二作と比べると、かなりの物足りなさを感じる。

  • 結婚,下げる,離婚,ハネムーン,良妻賢母,龍馬なしでも~町医者の父をなくし,七条新地の料理屋兼旅館・扇岩で仲居奉公を始め,龍馬その他と出会い,蛤御門の変で焼け出されたのを期に結婚し,神戸の海軍操練所での酒宴,寺田屋で幕吏に踏み込まれ,半裸で龍馬に急を告げ,薩摩へハネムーン後,聴衆行き,月琴の稽古をしている時に,龍馬による大政奉還が成就したが,暗殺の報に触れる~坂本龍馬を女の視点で捉え直す。彼は「家康,江戸を作る」の著者

  • 坂本龍馬ラブだった
    (グラバー商会の単にデキル営業部長だったという説に接してトーンダウンしているのだが)
    だから、おりょうも好きだった
    晩年、幸せではなかったと気がかりだった
    そして、この本
    イマイチ彼女の魅力が感じられなかった
    竜馬に対しても
    波乱に満ちた生涯だったことは間違いない
    すごい時代に生きた女性だ

    ≪ 大波に 飲み込まれても 毅然とし ≫

  • 坂本龍馬の妻・楢崎龍の物語。出だしは意外な展開でグッと惹き付けられたけれど・・・。おりょうさん、海援隊士からはあまりよく思われてなかったんだな。龍馬の危機を救った寺田屋事件の顛末、下関で龍馬の訃報に接する場面、そしてあまり知られていない晩年の姿が読みどころ。

  • おりょうの後については、知らなかった。歴史に踊り出て、忽ち消え去った人であった。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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