西一番街ブラックバイト 池袋ウエストゲートパークXII

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 568
感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904993

作品紹介・あらすじ

ブラック企業の闇にマコトとタカシが迫る!今作でスポットを当てるのはユーチューバーやブラック企業。Gボーイズのキング・タカシの活躍が際立つIWGPシリーズ12巻目。

感想・レビュー・書評

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  • 年に一度の楽しみ。池袋ウエストゲートパーク最新作。

    池袋西口商店街の果物屋で店番をする真島誠の元に、今日も依頼人がやって来る。

    誠の小学校のクラスメイト・和菓子屋の一人娘の小枝子は、区民アートギャラリーのトラブル。
    食えないアーチストの一世一代の作品が何者かに壊される。

    キングが持ち込んだ、信じられない金額を稼ぐユーチューバーのトラブル。
    スマホ一つでなんでも繋がる。

    決してマスクを取らない美少女のストーカーと美容整形にまつわるトラブル。
    美しさって、何だ?

    そして表題作のブラック企業。
    価格破壊の向こう側は人格破壊か。
    巧妙に組み上げられた搾取のシステムを突き破れ!

    常に時代の最先端を泥臭く駆け抜ける誠と池袋の仲間達。

    綺麗事ではすまない複雑なトラブルに知恵と人脈と胆力で立ち向かう。

    誠が手にするのがPHSからスマホに変わっても、トラブルはなくならない。むしろ複雑になり、混沌とするばかりだ。

    決して痛快なばかりではない。
    依頼者と同苦する誠のハートに皆がついてくる。

  • 売れないアーチストの作品が壊されるトラブル、大金を稼ぐユーチューバーが引き起こしたトラブル、少女と美容整形にからむトラブル、若者とブラック企業にまつわるトラブルの計4編。今回もマコトとタカシが、池袋のトラブルを解決する。
    ここまでくると、とりあえず読むか(笑)といった感じになってくる。相変わらずの読み易さと安定の面白さ。

  • 私は一体いつまでIWGPを読み続けるつもりなんだ、と思ってはいるがこっちはマコトやキングの何倍ものスピードで年を食っちゃうんだから仕方ない。でも読んでる間はいつもGガール気分です、おこがましいながらも。しかしマコトやキングがいれば万事オッケーと思える若さはもうないので、IWGPという馴染み深くまばゆいファンタジーの世界を心地よく漂うのみ。

  • 池袋の西一番街にある実家の青果店で店番をしながらストリートファッション誌にコラムを寄稿している、池袋のトラブルシューター、マコトを主人公に据えたシリーズ、なんと12作目にあたる。

    もともと世相を切り取る印象の強い作品だったけれど、ここ数作はますますその傾向が強くなっていて、今回マコトが遭遇するトラブルもアートによる町おこし、ユーチューバー、ブラックバイトなど、近年の社会にある歪や隙間をテーマにしている。

    ある意味、賞味期限のある作品になっているのだけれど、このシリーズはそれでいいんだろうな。

    それにしてもマコトも年齢をとったなぁと感じる。ちょっと感慨がオッサンぽくなってきていて、読んでいる途中ではいよいよこのシリーズも店じまいかと思ったけれど、読了してみればまだまだ続きそうだなと感じた。

  • 【 #池袋ウエストゲートパーク #西一番街ブラックバイト 読了】
    .
    やっぱ、最高。
    これ以上、何を書く必要があるだろうか?
    IWGPより面白い本に出会えないのが、ここ数年の僕の一番の悩み。
    .
    マコトがカフェラテ好きになってるのがちょっとツボった。
    ꉁ(˃̤ԑ˂̤ ⑅)フ ̋ッ

  • 相変わらず軽快な語り口読みやすい上に時事を盛り込んでるから考えさせられる。表題のブラックバイトが印象深い。

  • 池袋ウエストゲートパークの十二冊目。
    一つ目は廃校を利用した市民ギャラリーを開いている小学校時代の同級生からの頼まれごとで、アート作品を壊されたもめ事。
    二つ目はユーチューバ―どうしのいざこざ。今どきだけど、ちょっと物足りなかった。
    三つ目は整形トラブル。キングはこんなトラブルまで解決するのかと思うと、気の毒に。
    四つ目はブラックバイト。これにチームメンバーの万引き話まで重なって、ようやくまともなもめ事という気が。そしてこれが一番現実に即した怖い話。昔に比べるといろいろ証拠がとれる時代になってきたけど、雇用形態が変わってからなくなるとは思えない問題。ブラックをブラックと思わなくなる状態って、既に何かの宗教と変わらないくらいの洗脳状態だったり、わかっていても抜け出せない詐欺集団みたいなもの。どこかで誰かが無理をしているお陰できっと世の中は回っているんだろう。

  • 廃校ギャラリーのアート作品損壊、ユーチューバーのディスり、美容整形の悪徳勧誘、ブラック企業問題をトラブルシューター・マコトとGボーイズのキング・タカシがスッキリ解決(^o^)v今回はほぼタカシが主役?(^^;)マコトのおふくろさんファンとしては登場が少なくて寂しい(-.-)おふくろさんの梅おにぎり食べたいな~(*´-`)

  • アート作品の損壊事件、ユーチューバー、整形勧誘オカマ、情熱系ブラックバイト。

    ユーチューバーが出てくるあたり、最新刊だなー。私なんかにはユーチューバーの魅力はさっぱり?なんですが、身体張ってるな…

    整形勧誘の話はやっぱりオンナなので、被害者たちの気持ちが分かる部分もあり…まぁ、自分が自分を好きになれるか…って大事なことです。

    女囚セブンの橋本マナミさん演じるところの全身美容整形オンナしかり。

    ブラックバイトのお話、こわー。こうやって弱者は搾取され使い捨てられるのか…

  • 池袋ウエストゲートパーク12、表題作を含む4編を収録。

    最先端の流行りものから現代社会のひずみに目を向け、そこに巣食う悪をえぐり出し、弱者に手を差し伸べるという姿勢は健在。作者ならではの切り口で、ぐいぐい読ませていく。
    うわべはハードボイルドを気取るマコトと、少年ギャングを束ねる氷のタカシのコンビも、相変わらず熱い。とくに、表題作はタカシの見せ場も多く、これはファンへの大サービスかな。そして私も、作者の思惑どおり素直にときめいた。

    このシリーズ、テーマによっては好き嫌いもあるけれど、新作が出れば読みたい。今後も、お決まりのパターンをあえて変えず、サザエさんのように年を取らないキャラクターとしてずっと生かし続けてほしいな。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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