薬石としての本たち

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903361

作品紹介・あらすじ

短篇小説を思わせる、本をめぐる深いエッセイ書き下ろしエッセイ集。本についてのエッセイだが、著者の人生のさまざまな場所や時間をめぐって紡がれ、短篇小説集を読む味わい。

感想・レビュー・書評

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  •  南木佳士さん、42歳でタバコを吸う元気がなくなったそうです。手元にないと落ち着かない本は、坂口安吾「堕落論」、深沢七郎「楢山節考」、丘沢静也「マンネリズムのすすめ」など。「薬石としての本たち」、2015.9発行。哲学的な本がお好きなようです。エピクロス「教説と手紙」、大森荘蔵「流れとよどみ 哲学断章」、中島義道「時間を哲学する」、養老孟司「唯脳論」「脳と自然と日本」「手入れ文化と日本」、若月俊一「村で病気とたたかう」、ジョンJ.レイティ「脳を鍛えるには運動しかない」、芥川龍之介「秋」など。

  • 12月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    http://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2003527582

  • 本年の1冊目としてふさわしい、良質のエッセイ集です。著者の傍でともに人生を過ごした本が紹介され、思い出が語られます。常に死と隣り合わせの病院で、病んだ患者の思いを引き受けるうちに、精神的な病に落ち込んだ著者ならではの、深く静謐な文章が心を打ちます。私自身もそれを理解できる年齢になったということなのでしょう。良い本でした。

  •  同僚に「面白い」と言われ、『ダイヤモンドダスト』を読んだ事だけが記憶にあり、書評にあったのを見つけてにとった。
     医師である著者が、一部専門書について述べる部分で、慣れない部分はあるものの、総じて「面白い」。
     冬物語『うさぎ』や『ダイヤモンドダスト』、本書で紹介された書籍についても、一度読んでみようと思う。

  • 「八冊の本を介して『わたし』の来歴を記述し」た本 (p28).
    本自身の紹介の部分はそれほど多くなく,その本を取り巻く著者の来歴の部分が主.自伝風な記述もあり,著者のエッセイの愛読者であれば,すでに知っているエピソードも多いが,必然的に医師として部分にも多くのページが割かれているのが他の本にないところ.とりあげてられている八冊の本も次のように医学書を含むもの.
    H. Yamashita: Roentgenologic anatomy of the lung
    若月俊一:村で病気とたたかう
    エピクロス:説教と手紙
    養老孟司:脳と自然と日本,手入れ文化と日本
    大森荘蔵:流れとよどみ
    岡沢静也:マンネリズムのすすめ
    ジョン・レイティ:脳を鍛えるには運動しかない
    石山公一他:マンモグラフィのあすなろ教室

  • 著者が繰り返し手に取った本たちを、写真とともに紹介した1冊。

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著者プロフィール

南木佳士(なぎ けいし)
1951年、群馬県に生まれる。東京都立国立高等学校、秋田大学医学部卒業。佐久総合病院に勤務し、現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞を、翌年、同作品で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する。ほか主な作品に『阿弥陀堂だより』、『医学生』、『山中静夫氏の尊厳死』、『海へ』、『冬物語』、『トラや』などがある。とりわけ『阿弥陀堂だより』は映画化され静かなブームを巻き起こしたが、『山中静夫氏の尊厳死』もまた映画化され、2020年2月より全国の映画館で上映中。

「2020年 『根に帰る落葉は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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