武士道ジェネレーション

著者 :
  • 文藝春秋
3.98
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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163903002

作品紹介・あらすじ

剣道少女たちの「武士道」シリーズ、6年ぶりの最新刊。高校生活インターハイを描く『武士道エイティーン』のラストから2年。大学生になった二人だが、香織は剣道推薦で大学に進学。数々のタイトルを獲得し、ゆくゆくは警察官になろうと考えていたが、女性で助教になるのは難しい。教員になる道を考えるがいかんせん、頭がよくない。一方の早苗は、すっぱり剣道からは足を洗ったものの、日舞から剣道に転向しただけに、日本文化が大好きで、長谷田大学の文学部史学科で日本史を専攻する。だが、留学生との文化や歴史認識の違いから、早苗の中に、次第に外国人に対する苦手意識が芽生える。 そんななか、桐谷道場の師範・桐谷玄明が倒れ、にわかに後継者問題が。本来次ぐべき、早苗の夫・充也その「資格」があるのは彼ひとりだが、警官を辞めるなと玄明にきつく止められてしまう。道場が誰よりも好きな香織は、後継者としての資格を得るべく、充也から特訓を受けることになる。そこに、日本文化に興味津々のアメリカ人、ジェフが桐谷道場に入門してくる。母校で職員をしながら、道場で充也の手伝う早苗は、苦手な外国人との生活に戸惑いを隠せない。そして、早苗は道場の中学生、大野悠太のことでも気を揉んでいた。 悠太は帰国子女の同級生・宮永創に地区大会でボロ負け、香織の教えである「武士道」についてもケチをつけられ、すっかり稽古をする気を失くしていた。話を聞いた香織は、悠太に特訓をつけるが、連日の稽古で疲労困憊の香織に、早苗は、堪らず香織を止めに入る。「……だったら、お前が悠太に稽古をつけてやれ」と言われ、渋々道着に袖を通す早苗。悠太は早苗との稽古、そして同時用を守ろうと必死に戦う香織の背中を見て次第に自信を取り戻していく。はたして、香織は道場を継ぐことができるか。そして、悠太は、宮永に勝つことができるのか。この勝負、如何に――。

感想・レビュー・書評

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  • 『なぜ生きるかではなく、どう生きるか。』剣道に通じる教え。武士道シリーズ 了。桐谷道場を守るために皆が奮闘する。特に、香織は血ヘドを吐く思いでシカケとオサメを習得。無制限3本勝負の相手は元海兵隊のジェフ。結果は香織の圧勝。玄明先生は香織を師範として認めないのは、香織を守るという玄明なりの深い師弟愛なのか。一方、早苗の武士道精神とWWIIの敗戦に結び付けたのは必要だったか?でも4巻通して超絶楽しめました。3巻で完了でも良かったと思うのは私だけ?ジェフとの婚約は予想通りの展開。香織に元気をもらいました。

  • 4.7
    ついに完結。
    好きになったシリーズを読み終えてしまうのは、何とも寂しい気持ちになります。
    面白かったし、読後感も良かった。
    剣道に注目した事は今までの無かったですが、このシリーズ
    を通して剣道の事を色々と知ることが出来ましたし、とても興味を持ち、武士道について共感を覚えました。
    いつかまた、続きが読めるといいな、、

  • それぞれの決意を胸に武士道を進んでいく。
    様々な問題を抱えても、人はなぜ、生きていかなければならないのか。
    なぜ、生きていくのかではない。
    どう、生きていくか。
    中学三年で、出会い、学生から大人を経て、互いに成長しあってきた香織と早苗は、どう生きていくのだろうか。
    皆、生きるために戦っている。
    どう生きるか、どう戦うか。
    それぞれの人生こそが、それぞれの武士道ではないのだろうか。

  • 武士道物語完結かな。まだ続きが読みたいな。

  • う〜ん、歴史観とオサメを交えた著者の言いたいことは分からなくもないが、このシリーズには不要ではないだろうか?少なくとも前3作を楽しんでいた読者は求めていないだろう。

  •  シリーズ4作目。香織、早苗らの高校卒業とともに終わるはずだった青春剣道小説が好評に応えて追加した、ものかな。早苗は結婚して家庭に入り、香織は桐谷道場の手伝いになった。ライバル黒岩も健在だが全日本とかの試合の話はほとんど出てこない。桐谷先生の体調がよくなくて道場の後継をどうするか、ということで早苗の旦那になった沢谷氏か香織かという話になるのだが、当の桐谷先生がうんといわない。そこには奥深い事情があって、シカケとオサメ計100本の奥義の香織への伝達という流れがメイン。そこへ沢谷氏の友人のジェフの入門と香織の指導する中学生たちの奮闘がからみになっている。香織と早苗の心象が交互に綴られていくところは昔通り。試合描写はほとんどないけれど、勝手知ったる登場人物たちはみんな相変わらずでそれなりに楽しめるし、最後のあっと驚く香織の重大発表には笑える。難を言えば、幹になる道場後継とシカケオサメの関係がいまひとつはっきりしないまま終わってしまったところか。ミステリではないから全部説明する必要はないのだが、ちょっと気になる。

  • また香織や早苗に会えると思って、期待して読んだだけに、がっかり!
    作品に作者が主張をこめるのは当然とは思うけれど、作者の主張のために登場人物を都合よく使わないでほしい。それも、シリーズ4作目で突然というのは、納得いかない。
    早苗の「反自虐史観」の思想の是非はとりあえずおいておくとしても、早苗がこんなに弱い子にされてしまったことがショック。一見軟弱に見えて、しなやか故のつよさを持っているのが早苗だと思っていたのに、自分と違う意見を持つ人を否定するだけ、一度留学生に強く反論されたら外国人が苦手になるって、早苗はそんな子じゃなかった。
    これは、別の作品と思うことにします。

    と言いつつ、それ以外はやっぱりおもしろく読んでしまったので、★1から2にしました。

  • ものすごい読みやすさにビックリ。
    こういう書き方は嫌いだという方もいるかもしれないが、私は漫才のようにテンポ良くスイスイ読めるから好きだ。

    どこかのレビューで、「これまでの武士道シリーズが好きな人は読まない方がいい」というものを見ていたのだが、まったく気にならなかった。
    前作を読んだのが数年前で、メイン以外の登場人物を忘れていたというのもあるだろうけれど・・・。
    いい歳になれば結婚もするだろうし、恋愛もするだろうし。
    それをサラっと書いてくれたことが、武士道らしくていいんじゃないか、と思う。

    また、シカケとオサメのこととか。歴史の問題とか。
    私ももっと勉強しないとな。学ばないとな、と思わされた。

    とても楽しい読書の時間をありがとう。

  • 武士道シリーズ4作目。
    早苗の結婚式からスタート。
    桐谷道場の後継者問題をメインに話が進みます。
    武士道を国際関係と絡めるのはいかがなものかな?
    好きなシリーズだけに政治思想を入れて欲しくなかった。
    ちょっといろいろ詰め込み過ぎかな。

  • 武士道、サイコー!!いや、武士道ジェネレーション、サイコー!!!誉田哲也さん、サイコー!!!・・・ってことで、まぁ、読んでみてください!シリーズ完結編!!

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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