不登校児 再生の島

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 72
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163751108

作品紹介・あらすじ

沖縄本島南部に浮かぶ久高島。わずか人口250人超の過疎の地に、農業を実践しながら中学校に通える「久高島留学センター」がある。だが、全国各地からやってくるのは、不登校、引きこもり、いじめなどで家にも学校にも居場所がなくなった問題児ばかり。テレビもゲームもないゆったりとした時間の流れと大自然の恵み豊かな生活の中で、子供たちは心と身体の健康を取り戻し、不登校や引きこもりから脱却してゆく。そして、子供の問題の真の原因は親にあること、親が変わらなければ子供も変わらないことが明らかにされる。すべての子供をもつ親に深い感動を与えるノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 沖縄の久高島というところで、山村留学を通じて変わっていく子供達を4年間追ったドキュメンタリー。『心にナイフをしのばせて』が面白すぎた、奥野修司さんの作品。

    この施設では15人くらいの中学生の子供を1年~2年くらいの期間集めて集団生活させており、それを通して他人とコミュニケーションが取れない子供や、引きこもりだった子供が前向きに変化していく。

    テレビも携帯もコンビニもない施設で、規則正しい生活と野菜中心の食生活、そして運動で子供たちが驚くぐらい変わっていく。アトピーが治ったり走れなかった子供が長距離走にのめりこんだり。

    行き詰ってしまったところから離れて、新しい環境に身を置く事はとても大切なんだなと思う。ここでは客観的に子供の問題点を指摘したあげて、島民ともども愛情をもって育てていく。

    問題のある子供は親にも問題があり、それが原因であることも多々ある。そんな事もあらてめてこの本を読むと良くわかる。

    子育てとか人間の心とか、とても大切な部分に触れた素晴らしい本だと思います。

  • ふ~ん、て感じ。

  • あらためて「ヒト」は環境と関係の中で
    生きている動物なのだと思った
    いつもながら 対象にていねいに寄り添って
    綴っていく その誠実さが伝わってくる

    知らず知らずのうちに
    この日本に暮らして
    息苦しさを覚えている子どもたちに対して
    私たち大人が無意識のうちに
    加害者になってしまっていることも自覚したい

  • へー、こういうの現実にあるんだねー

  • 出版時にタイトルでひと悶着あったようですね。
    本文中に不登校児のことを極力前面に出さない方針だと言っているのに、タイトルにつけるなんてね。金儲け主義の恐ろしさよ。
    それはさておき、自分も小さいころ問題児で周りに迷惑をかけていたので共感を持って読めました。
    紆余曲折あったようですが、坂本さんの信念は見習わなければならないところです。

  • 問題児?を更正させるセンターがある沖縄の久高島。すごいパワーを感じた。いろんなトピックが散りばめられ興味深い内容が多かった反面、話が散文調になっていて読みづらくも感じた。

  • 沖縄県久高島にある留学センターに国内留学してきた中学生たちのドキュメンタリー。引きこもり等の子供たちが指導者の下、自然の中での集団生活を通して成長する。
    いい話なんだけど、心に何か引っかかります。何でそこまで子供たちが追いつめられたのかって事でしょうか。非難する気は毛頭ないのですが。

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著者プロフィール

奥野 修司(おくの しゅうじ)
大阪府出身。立命館大学経済学部卒業。
1978年より移民史研究者で評論家の藤崎康夫に師事して南米で日系移民調査を行う。
帰国後、フリージャーナリストとして女性誌などに執筆。
1998年「28年前の『酒鬼薔薇』は今」(文藝春秋1997年12月号)で、第4回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞受賞。
2006年『ナツコ 沖縄密貿易の女王』で、第27回講談社ノンフィクション賞・第37回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
同年発行の『心にナイフをしのばせて』は高校生首切り殺人事件を取り上げ、8万部を超えるベストセラーとなった。
「ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年」は25年、「ナツコ 沖縄密貿易の女王」は12年と、長期間取材を行った作品が多い。
2011年3月11日の東北太平洋沖地震の取材過程で、被災児童のメンタルケアの必要性を感じ取り、支援金を募って、児童達の学期休みに
沖縄のホームステイへ招くティーダキッズプロジェクトを推進している。
2014年度より大宅壮一ノンフィクション賞選考委員(雑誌部門)。

「2023年 『102歳の医師が教えてくれた満足な生と死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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