- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163722108
作品紹介・あらすじ
不祥事が発覚した大企業の社長からホリエモン、村上世彰、酒井法子、草〓(なぎ)剛、中川昭一、小沢一郎、鳩山由紀夫まで-「言葉の闘い」の「勝ち組」「負け組」は誰だったのか?「現代の戦場」である「記者会見」という修羅場での体験をもとに書下し。
感想・レビュー・書評
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基本的にこの著者の本はどれも実例豊富で示唆に富むけど、今回も読んでよかった。単に記者会見に関係のある広報スタッフのみならず、「外に向けて何かを伝える人」全般に向けて役立つと思う。ちょっと文体が今までとは変わったかな。
危機管理広報や交渉のノウハウが詰まっているので、一読をお勧めします。とりあえず私は使えるフレーズなどを手帳に挟んでおきます。 -
記者会見の裏話おもしろく読んだ。
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不祥事があったたときに滞りなく対応するには、それなりの場数が必要だ。数々の経験を積んできた佐々淳行によるノウハウ本。
エッセンスは以下のとおり。
相手方の本拠に乗り込みネゴシエイトすることもある。ただし、トップではなく、ナンバー2、3が乗り込むこと。トップは命乞いと思われる。
スポークスマンは、明るくて開放的な人が適任。
元××長と前××長では意味合いが違う。よって人事異動ですばやく対応すること。現職のまま不祥事を迎えるのは避けた方が良い。
謝ることは必要。相手方の反発を弱めることになる。→誰に謝っているのか明確にせよ。
昭和天皇崩御時に、まだ崩御発表前において、記者に状況を聞かれた竹下首相は、「安らかにお眠りのように拝見しました」とこたえ、どちらとのとれるような発言をしている。
クレーマーを相手に安易に頷くのは駄目。ミスを認めたと思われる。安易に頷く癖は改善した方が良い。黙って聞いた方が良い。
部下には「言うな」と命令。部下は記者に対しては「言うなとの命令なのでいえません」と答えさせる。
言うべからずリストを作成し、それ以外のことは自由に発言させる。ただ言うなでは話は漏れる。
自分の講堂を制度上の問題として論点をずらす方法あり。「私の講堂は問題ない。問題があるのなら、それは制度に問題があるのかもしれない。それは見直していきたい」
攻めと守りの時があることを踏まえよ。
記者会見で「二度と××はしない」とは言うな。いいわけも言うな。
記者会見心得十箇条
①嘘は言うな
②いえないことはいえないと言う
③知ったかぶりは禁物
④ミスリード的相づちを慎む。相手を見ていると気圧されたりするので、相手のネクタイを見る
⑤逃げない待たせない。
⑥記者たちのほしがる資料は、先手を打って配布する
⑦素直な陳謝
ソフィスト的詭弁術
①都合の悪い質問には、論点を変える。たとえば、総論的批判に対しては、具体論で答える。
②相手の主張を突き放す。「主張は聞いた」「私は責任者としてこう考えて措置します」
③仮定の質問には答えるな。「仮定の問題には答えません。回答を差し控えます」
④言われることを無批判に受け入れず、具体的に質問する。
⑤有名人等を引き合いにして、「××はこう言った」との発言には、「××さんと、本件とどういう関係があるのか」と言う。
⑥責め立てる相手は、普通は対案を考えていないので、「あなたはどう思っているのか」と切り返す