- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163528205
作品紹介・あらすじ
本を愛する人へ。本のお蔭で戦争を生き延び、闇屋となって神田に通い、図書館の本を全部読む誓いをたて、(寮の本を失敬したことも、本のために家が壊れたこともあったけれど)本と共に生きてきた井上ひさしさんの半生と、十三万冊の蔵書が繰り広げる壮大な物語。
感想・レビュー・書評
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久々に井上ひさし。この本は、文科省が若い読者を増やすために、著名人におすすめの一冊を紹介してもらっている中で、上白石萌音さんが紹介していた本。若い人がこの本を読んだことも驚きだが、発売から30年近く経っても全く古さを感じさせないことも驚きである。名著であり、読書という行為について深く考えさせられる。
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積読だった本。本関係の本を読んでいたので,本棚から取り出して読んでみた。
井上さんの家には13万冊あまりの本があったらしい。今では,それを地元の図書館に寄附したようだ。本には感想を書いたり,気づいたことを書きこんだり,線を引いたりしてあるようだ。もう,古本屋に売るつもりはないから,徹底的に本とつきあっている。
わたしは,これまで,後で古本で売るつもりの本と,ずっと持っているつもりの本を分けてきた。だから,全集でも線を引いてやるやつもあれば,新品同然のものもある。退職してからは,毎月,図書館を利用しているので,まず,図書館で借りることが多くなった。そして〈読んでおもしろかった本は購入する〉という二重読書生活をしているのだが,これが身の程にあってきたような気がする。そうして買った本は,何度も開いて読むことになる。ドンドン汚れても大丈夫。
古本屋周りが好きなのもわたしと同じ。ただ,わたしは田舎なので,神田に出かけるわけにはいかない。が,金沢の加能屋さんには,ずいぶんとお世話になってきた。行きつけの…とまではいかないけれども。
人生を変えた本の話もたのしい。人にはそれぞれ,そういう本がある…というか,そういう本がある人が,おそらく本の世界にのめり込んでいくんだろうと思う。
一ヶ月の本代が,トンデモない井上さん。それは彼が創造者だから仕方ない。
考えてみると,わたしの本代だって,恐らく相当にのぼっているはず。
本好きの人は,楽しんで読める本です。それにしても,なんで離婚したのかなあ。家にありすぎる本が原因でなければいいが…。もしそうなら,わたしも危ない…。 -
本好きがゆえの昔のいたずら話に笑わされ、本の今後の発展を願う気持ち、後世の子たちに伝えたい本の話に胸を打たれる。
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山形の歴史とともに、本の歴史も知れてとても面白かった。
私も、母が本好きだったので
それを見ていたからか、本で知らない世界へ行けるのが
とても楽しかった。それは今も変わらない。
「本を読め!」と言われたことは一度もなかったなぁ。
読書感想文は
子どもながらに「絶対意味がないし、本を読む楽しさとはかけ離れている」と思っていた。
井上さんもそのことに触れていて、すっきりした。
井上ひさしさんが亡くなる数ヶ月前に
仙台で市原悦子×井上ひさしの朗読会に行った。
体調不良で井上さんが欠席。そのまま亡くなってしまった。
生きているうちに、生で話を聞いてみたかった。
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井上様
・目次はこれからじっくり読みます!
・本の間から出てくるいろいろなモノ、私もワクワクします。図書館だと前の人が何を借りたか分かる紙です。
・「子どもの本離れは大人の問題です」p135~ 同感です!
・p154「本と精神分析」面白かったです。私が図太い神経なのは、もしかすると様々なジャンルの本を面白がって読んできたからかもしれません。。
・機会があったら「遅筆堂文庫」へ行ってみます。何度も訪れている山形に、こんなに素晴らしい場所があるなんて全然知りませんでした。
p187
【本は絶対になくならない。本がなくなるときは書記言語の無くなるときです。その時、人間はたぶん別の生き物になっているでしょう】 -
最強の蔵書家!自分の蔵書が図書館になった男!
本との出会い、付き合い方、これからなど。 -
この人の文章は平易で分かりやすい。凄い量の勉強があってこその親切な文体だ。
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生い立ちから、13万冊の蔵書を生まれ故郷に寄付するまで。ちょうど全国の自治体にばらまかれていたふるさと創生金を使って建てられた施設に遅筆堂文庫が誕生した。
・小学生の頃、「宮本武蔵」「三国志」「太閤記」を夢中になって読んだ。
・著者が知る範囲で本を読むのがむやみに早い人は、丸谷才一、大江健三郎、司馬遼太郎。司馬遼太郎は写真読みをしていた。
・仙台一高(旧仙台一中)には蔵書5000冊の図書館があったので、3年間に全部読むことを宣言したが、果たせなかった。
・月謝なしで入学した上智大学は夏休みまでに通わなくなり、母親が働いていた釜石に帰った。そこで市立図書館の本の整理を手伝っている間に文章を書くことに関心を深めていった。
・本の購入にかける費用は月に50万円。