- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163527208
作品紹介・あらすじ
文芸春秋読者賞受賞。吹きつのる霞が関批判と行革の嵐。だが、誰もこの国にある「もう一つの国」の話は書かない。そこでは無数の奇妙な企業の群れが国民に寄生して生きている。官僚国家日本の暗部を鋭く抉りとる告発ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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消費税増税が最近の話題なので、税金がどのように使われているか知りたくて本書を読んだ。財団法人、特殊法人、公益法人等がどのように産み出され、巨額の財政赤字がうみだされてきたかが詳細に記されている
身近なところでも"自賠責保険"や"免許更新の際の講習""高速道のSA"は、なんとなく違和感を私自身感じていたが、その違和感がなにかも理解できた。各省庁にぶらさがる財団や法人は、競争もコスト意識もない特殊な閉鎖された社会を作っていて、それがサービスや商品になって表れているからだ。
10年以上前に書かれているが、その後の経過がわかるだけに、今読むのも価値がある1冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の官僚機構の罪の部分をえがいた作品。
特別会計をたくさん作り、かたや埋蔵金を蓄え、かたや国債による借金まみれ。
どういう風に行財政改革をしていくか、現場把握するには良い本。発売が1997年で、その頃から問題だったはずが、未だ手付かず。一度見についた借金体質の改善は困難だろう。 -
97年発行だが、この20年を見るとここからメスが入ったといえる。
第1部
1章 朝日連峰 (森林の補助金づけ)
2章 長良川河口堰 (河口堰をめぐって、人口の変化と官僚)
第2部
3章 視えないシステム(道路公団のシステム)
4章 兄弟赤字隠匿のからくり(財政投融資の仕組み)
第3部
5章 迷路の世界(公益法人を復活させる)
6章 もう1つの国(特別会計の仕組み)
以上の中で、全てわかっていた仕組みをそのままにしたのは政治の責任だと思える。
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大学2年の時に読んだ本。霞が関の暗部にメスを入れたノンフィクション。これに火がついて小泉首相の行財政改革が断行されて、道路公団は解体されて民営化した。ペンの力が社会を動かした。
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日本で一番初めに「特殊法人の欺瞞・財政投融資の腐敗臭」を見つけた人間が綴る『国家の遺書』です。
この本を端に、民主党衆議院議員だった石井さんは国政でご活躍され、結果暗殺されました。その無念さを込めて☆5つ。