羊の目

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 141
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163267401

感想・レビュー・書評

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  • 伊集院静の小説を読んだのは初めてだったんだけど…正直、この人、ヘタじゃないですかね。
    なんかすべてが説明臭いんだよね。
    例えば、人物を表現する際に「器量が大きい」とか「肝が据わっている」とか、そういう修飾をそのまんま使ってしまう。
    そんな直截的な表現を使うのではなく、その人物の言動を描写することを通して読み手にその人物像が自然に伝わるようにもってゆく、そこにこそ小説家の技量が発揮されるべきなんじゃないか、と自分なんかは思ってしまう。
    ストーリーの進め方にあたっても、背景の説明なんかが実に機能的な印象でケレン味に欠ける。

    題材もプロットもきわめて通俗的だし、つまんねぇなーと思いながら読んでいたんだけど、最終章になってようやく大河ドラマ的情感がやや湧いてきて若干盛り返す。

  • 羊の目は純粋。

  • 夢中で読みました。
    ほんとにおもしろかった!!

    ですが、、、、最後の章に対する違和感がスゴイんですけど。
    いっそ無くてもよかったのでは。。。

    ああ、でもほんっとおもしろかった!!

  • 直木賞作家桜木紫乃さんが受賞式の後、ホテルに神崎武美さんからお花が届いたと朝日新聞に書いてるのを見て読みました。伊集院静も嫌いではなかったので。嫌いではないです。でも好きかというと・・・。神崎武美は確かに魅力的です。ケイと母親があまりに無防備に信じたところがちょっと違和感。他の人々はその危険性に多かれ少なかれ気づいたのにね。伊集院静では「お父やんとオジさん」が好きです。

  • 短編の名手・伊集院だけに
    連作にしたのは正解
    ただ、どうも主人公とその親分が
    身体に受け付けない
    感覚的なものなので
    しょうがないなあ
    4.0点

  • 任侠の世界を描いた小説。殺し殺されの世界が中盤続き、ちょっと嫌になりかけた。殺しの連鎖の最後はどう終わるのだろうと思っていたら、殺伐とした終わりにならなくてよかった。中盤よりキリスト的救いの物語が入ってきて、「羊の目」とはシャルロウという老神父の幼い頃の思い出から最後の最後に書かれている。血を分けた実の親でなく、やくざの世界で契を交わした親を唯一の信じるものとして生きてきた男の物語。

  • ヤクザのお話。
    非常に練り上げられた構成になっていると思います。
    章ごとに色々な人の視点から書かれてあるのも良い。

    でも、もう少し深い話を期待していたので、そこだけがちょっと残念。
    ていうか、もっと深くできる内容だと思ってしまった。
    まずまずというところです。

  • 侠客に育てられた男の生涯を、闇社会を背景に描いた作品。
    この手の本は初めて読んだが、読後のどろどろしさは全くなく、むしろすっきりとした清々しさを感じた。
    これは、胆の据わった、現代では少なくなった?大和男児の美しさに感じ入ることができたためでもある。
    昭和初期の混沌とした時期の日本は、皆が真剣に生きていて、その意味で力強く、清かったのだろう。
    こういう作品を読むことで、日本人の男の生きざまを感じ、自身を見つめ直すことができたことは貴重だった。

  • 始めは読みにくかったけど、読んで行くにつれて物語に引き込まれていった。
    神崎の生き方、かっこいい。

  • この小説もおもしろい。ベストです。簡単に言うとヤクザ者の話なんですが。自分が信じる人のために命も投げるし、人も殺す。一見残忍な人なんですが、根は優しいという・・・伊集院さんの小説に出てくる男はみんなかっこいいな。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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