- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163250106
感想・レビュー・書評
-
人間の業
なんとも言えない読後感
身体に欠陥をもつ主人公が自分語りをする。
五体満足でない場合、満足な人では考えられないようなことを考える。胸の内を告白するだけで、正直な分、人を引かせることもある。色々あって人は生きている。生きていく。何気ない日々にも色々なことがあって人生は流れていく。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重いテーマというか、空気感。
頭痛もちの夫婦。
読みやすいんだけど、読後、偏頭痛しそうな
┌(; ̄◇ ̄)┘ -
2人でいることによって、見えてくるもの
これは推理小説かと思った。
過去を語らない妻の過去は何か?というものかと思った。しかし、違っていた。
エリート人間から、頭痛持ちの病人になった「わたし」は同じく頭痛持ちの女性と結婚する。しかし、彼女は、彼の両親とも、自分の両親とも会おうとはしない。2人だけの生活の中で、彼女の精神が狂ってくる。しかし、「「わたし」は、彼女と共にいることを実感し、その幸福感を味わう。
結果は違うところに会って、その結果にも充分腹に落ちるもんがあって、何か変だと思うが、確かにいっしょにいることの何かを自分も感じている。
それは、一般的には自閉しているのかもしれないが、2人というところが強い。 -
脳腫瘍に倒れた青年が、暴力的な頭痛に悩みながら社会復帰し、結婚した相手はかたくなに過去を隠す女だった…表題作ほか「青いけむり」収録。
-
ひたすら頭が痛い人の話…と聞いてお借りしましたが、まったくその通りでした。
なぜか不思議とページが進みました。
すぐに死に至るわけでもなく、かといって普通に生活するには支障があり、かつ速効性のある治療法もない病気と付き合う人たちの人生が垣間見れた。
いやなもんですよね。
もう一編はよくわかりませんでした。 -
表題作と『青いけむり』の2編を収録。共に著者と同年代の夫婦間の肉体的・精神的な「痛み」を取り上げている。タイトル作の『銀色の翼』は、難病を扱っているせいかリアリズムに徹して退屈なほど大人の小説。進んで読みたい小説とは思えないのだが、読み始めるとその後の展開が気になるあたり、それだけ構成と語りがしっかりしていることかもしれない。 ロマンティックめいたタイトルだが、実は「銀色の翼」は、重度の片頭痛症に伴って視覚に現われる症状(閃輝性暗点)のことで、自身も片頭痛に悩まされた芥川龍之介が名付け親らしい。 『青いけむり』は、埼玉の山村で炭焼きをしているという学生時代の知人に会いに行く作家の話。一方的にされる告白話が、次第に身につまされるような感じになるところがなかなかリアル。
-
2007年4月28日(土)、読了。
-
帯には村上龍氏の「嘘やごまかしが微塵もない奇跡的な作品」との言葉があるが、読了後の印象は、緊張感を強いらない白石一文作品といった感じ。小説の作法としては非常に興味深かったけれども、僕のリアルとはあまりに遠すぎる。(2006.10.20 読了)