ウィキペディア・レボリューション: 世界最大の百科事典はいかにして生まれたか (ハヤカワ新書juice 5)

  • 早川書房
3.74
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本棚登録 : 170
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153200050

作品紹介・あらすじ

全世界で15万人が執筆し、合計1000万以上の項目を有する巨大百科事典ウィキペディア。執筆も修正も削除も自由な百科事典を不特定多数の好事家の手に委ねるという無謀なコンセプトを実現させるには、テクノロジーの進歩のみならず、ルールの制定や管理者権限の調整など、共同作業を管理(あるいは放置)する手法の成熟も必要であった。ウィキペディアの苦渋に満ちた草創期から、爆発的に増殖を続ける現在までを、自らも編集者・管理者として携わる気鋭の学者がレポートする。

感想・レビュー・書評

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  • 規模と影響力で言えばこれ以上無い大成功、記事の信頼性や濃淡の課題はおそらく今後も解決せず、永遠に混乱と混沌が絶えなさそうなウィキペディア。
    技術的革新ではなく社会革新、圧倒的に中立性でフリー、入口を緩くしてユーザーがピラニアのように面白がって食い付くのを見届ける。そんな文化がここまで育った経緯が語られている。
    他にこんな事例を知らないだけに、その内容は非常に興味深い。

  • LA1a

  •  2001年に生まれたウィキペディアは、250以上の言語で1000万以上の記事が書かれており、記事の質も高い優れた百科事典である。世界の百科事典「ブリタニカ」を凌ぐ利用者数だという。このウィキペディアが、全くのボランティアのみで執筆、訂正、管理されているというから驚きだ。いったいどのように、質の高い記事を維持しているのだろうと以前から疑問ではあった。本書は、このウィキペディアが生まれる経緯から、今まで出くわした事件など、現在に至る紆余曲折を克明に記している。新書本としては450頁もあり、ボリューム満点だ。訳もよく、たいへん読みやすい良書といえる。

  •  
    ── アンドリュー・リー/千葉 敏生・訳《ウィキペディア・レボリューション
    ~ 世界最大の百科事典はいかにして生まれたか 20090825 ハヤカワ新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4153200050
     
     The Wikipedia Revolution How a Bunch of Nobodies created the
    World's Greatest Encyclopedia
     
    …… 15万人が執筆し、合計1000万以上の項目を有する巨大百科事典
    ウィキペディア。執筆も修正も削除も自由な百科事典を不特定多数の
    好事家の手に委ねるという無謀なコンセプトを実現させるには、テクノ
    ロジーの進歩のみならず、ルールの制定や管理者権限の調整など、共同
    作業を管理(あるいは放置)する手法の成熟も必要であった。ウィキペ
    ディアの苦渋に満ちた草創期から、爆発的に増殖を続ける現在までを、
    自らも編集者・管理者として携わる気鋭の学者がレポートする。
    (Amazon「BOOK」データベース&著者紹介情報」より)
     
     Wales, Jimmy Donal 19660807 America    /Wikimedia "Jimbo"
     Lih, Andrew    1968‥‥ America Pekin /Wikipedia Weekly 主宰
     Chiba, Toshio   1979‥‥ 神奈川    /翻訳/早稲田大学理工学部数理科学科卒
     Siddiqui, Danish  19830519 America Afgan 20210716 38 /0725 報道
     
    …… シッディーキー(ロイターの従軍記者)は、インタビュー中に、
    タリバンに捕えられて殺害され、遺体は解体され車に押し潰された。
    (Andrew Lih, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)
    https://www.visiontimesjp.com/?p=23646
     
    005 目次
    006 
    007 序 ジミー・ウェールズ 19‥‥‥ ウィキメディア財団名誉理事長
    015 第1章 ウィキ現象
    038 第2章 ヌーペディア
    095 第3章 ウィキの起源
    130 第4章 ウィキの登場
    166 第5章 コミュニティの力(ピラニア効果)
    262 第6章 国際化するウィキペディア
    317 第7章 トロール、荒らし、ソックパペット
    342 第8章 コミュニティの危機
    377 第9章 ウィキペディア、波を起こす
    400 あとがき
    429 謝辞
    437 訳者あとがき 200908‥
    444 juice ハヤカワ新書
     
     昏昔ものがたり ~ やはり、そうだったのか!! ~
     
     むかし矯風会(1886-1893 設立)、いま風紀委員会(風点 1961 瘋癲)、
    はてなダイアリー評議会(20031128-20080901)、人ま会(20061010-)、
    ウィキペディアには「編集委員会」のようなものは存在せず……。
    http://q.hatena.ne.jp/1458454523#a1255453(20160321 06:57:40)
     
    (20160328)(20211013)
     

  • 利用側ではなく提供側の視点で書かれているため、知らなかった裏話等も多数披露されている。
    英語版だけではなく、各国語への展開とそれにまつわる文化の違い等も大変興味深い。
    Wikipediaについては賛否さまざまだが、今後のネットに大きな影響を及ぼすものの一つであることは間違いないだろう。

    2回目
    確かにそうでしたね、みたいな・・・

  • ウィキペディアでは、4つの自由が与えられている。
    1、著作物を複製する自由
    2、改変する自由
    3、再頒布する自由
    4、改変版を再頒布する自由

    自由にアクセス、複製、改変、利用してもよい。

    これがウィキペディアの重要なFREEの概念。

  • 世界最大の百科事典、Wikipediaの歴史と謎が明らかに。

    Wikipediaを引用してはいけない、それはなぜか。内容に信頼性がないから。でも、ブリタニカとどっこいどっこいという説もある。誰でも自由に編集できるなら、悪意を持った誰かのいたずらや、善意の困った人による質の低下が問題にならないか。

    色々と気になることがあったWikipediaについて、知りたいことを結構知ることができました。限られたコミュニティの中で存在していた初期は、うまくいっていたやりかたが、ここまで全世界に成長してしまうとうまくいかなくなることもある。でも、人間の善意と自律を信じて、困難だけど崇高な目的へ進む。

    正直、完全に自由に編集できる状態で、高い質を維持するのは不可能だと思う。愉快犯やステマだけでなく、善意の困った人もいるし。そこまで全員が責任と高い精神性を持って参加できるとは思わない。でも、挑戦し続ける価値はある。

    Wikipediaを引用元にできるかどうか問題ですが、まず、Wikipediaが二次情報である以上、一次情報源にあたらなければならない原則に反するのでダメだと思う。あと、Wikipediaに限らず、複数の情報源でウラをとるのが道理。だから、ちょっとググればいいくらいの、個人的な調べならWikipediaでいいけど、責任を伴う場合はWikipediaを事実確認の情報源にするのは問題でしょう。

  • WIKIは多くの人が知識を共有するのに便利。
    昔のBBS当時から、掲示板型の書き込みには、「荒らし」はつきもの。

    ただし、
    トロール
    ソックパペット
    2つの概念ははじめて知りました。

    また、WIKIの現状としては、言語話者数と記事数の比較で少ないのは、アジアとのこと。ネットにおける南北問題は解決していあいようだ。

  • (推薦者コメント)
    ウィキメディア財団は、全世界に知的財産としての百科事典などを無償で提供・更新し続けることを目的とした非営利組織である。そのプロジェクトの中でも最も有名なのが、ウィキペディア(Wikipedia)である。そのウィキペディアの実現には、数々の苦悩があった。今でこそ誰もが気軽に利用するウィキペディアの、歴史がここにある。

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著者プロフィール

オーストラリア連邦議員。シドニー大学を卒業後、ハーバード大学で公共政策のPhDを取得。元オーストラリア国立大学経済学教授

「2020年 『格差のない未来は創れるか?―今よりもイノベーティブで今よりも公平な未来―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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