炎と怒り――トランプ政権の内幕

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152097569

作品紹介・あらすじ

スティーヴ・バノン前首席戦略官・上級顧問をはじめとする関係者への1年半にわたる取材をもとに、米現政権の内情を赤裸々に描く。大統領の無知と臆病、トランプ一族と側近たちの確執、ロシア疑惑の真相……全米130万部突破の大ベストセラーを緊急出版!

感想・レビュー・書評

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  • 「トランプ陣営も勝てると思ってなかった」というのは特筆すべき事項。選挙中のパフォーマンスも大統領になってからの言動も全て納得がいく。
    トランプを含め、トランプ政権のメンバーが如何に素人で人間的に未熟かということを知ることができる。内容も衝撃的なものが多く、読み物として面白い。

    一方、このような人物を大統領に選んだアメリカ国民、アメリカという国にはもっと目を向けたい。
    池上さんが解説で、「トランプは本を1冊読了したことがなく、彼の支持者もこの本を読むことはないだろう」と書いていた。
    その意図を「トランプも支持者も物を知らず浅はか」と私は解釈したが、果たしてトランプ支持者は浅はかなのだろうか。
    事実、選挙も政治もめちゃくちゃだった(良く言えばこれまでの枠に囚われなかった)訳だが、それでもトランプはかなり多くの票を集めた。
    ここにはきっと理由がある。みんな表立って言わない、本当の理由がある。
    日本には本音と建前があると言われるが、まさにアメリカの本音と建前だ。

    本書がトランプ政権の特異性を強調すればするほど、トランプ支持の謎が深まる。
    トランプ側の言い分を書いた本も読んでみたい。

  • ◆検閲までして刊行を防ごうとした暴露本は、余りにも赤裸々。かつトランプ政権に頭脳のないことを露呈させる。ここで見えてくるのが稀代の振付師スティーヴ・バノンの毒々しい思惑だが…◆


    2018年刊。著者はガーディアン紙などに寄稿するジャーナリスト。

     言わずと知れた、米国現大統領の人物評伝である。
     刊行時、米国でも物議を醸し、刊行の事前差止を大統領が画策したことでも知られる。検閲(紛いとはいえない)までして止めようとしたのは、大統領主席戦略官スティーブン・バノンによる暴露が記事を構成しているとの観測があったからだとも言われている。

     さて、アメリカ大統領の権力はさほど絶大なものではない。これはクリントン元大統領の自伝で語られていたと思う。
     しかしそれすらTさんには関係なさげである。つまり、そういう大統領職の実像に関する認識も、またどういうように政治を動かすかという手管(専門家を利用する手もあるが)もない。あるいは何か成し遂げたいという理念も何もない。そんな中、予期せぬ結果、つまり大統領に当選することになってしまったわけである。
     言い換えれば、バノンという稀代の振付師・狂言回しがいて初めて成立した大統領とも。

     つまり、本書を読むと、トランプ氏自身に関して言えば、中身は空っぽ、延髄で反応しているだけのような印象しか受けない(著者は、トランプには読解力はないし、そもそも文字を読む集中力すら欠如しているとも辛辣に指摘)。

     が、そうだとしても、それなりに運営されているのを見ると、大統領なんてどんな奴でもいいんじゃないかと周囲・後任者に思わせてしまうマイナス効果を懸念してしまう。それこそAIでもできそうな…。

     さてこの著作については、物議を醸して出した故、「Newsweek」など彼方此方の週刊誌でも、叙述のかなりの部分が語られ、かつ、トランプ自身に関し、メディア他から受ける印象と本書の内容とにさほどの乖離がないことを考えると、細かい事実の羅列に興味がある場合、あるいはトランプを取り巻く人的相関関係に興味・関心(職業的でも)のない限り、面白い本・読んだらと勧められる本ではない。

     ただし、本書の終わりの方に、バノンがトランプの基盤を乗っ取り、次の大統領選挙に自身が出馬する可能性を指摘する部分がある。それが正しいかどうかは判然としないものの、ここでバノンが用いようとする戦略の一が、中間選挙を通じ議会内バノン支持層を増やそうというもの。
     昨今、共和党所属の上院議長の引退表明、あるいは、共和党現職議員の出馬見送り・引退報道が聞かれる。彼らは反トランプ、あるいは少なくとも親トランプではない筈だ。そう見ると、なかなか興味深い指摘と分析ではある。

    今後のバノンの動きを推測する上で、バノンが従前、どのような政治手法や選挙運動の手順を用いて行動してきたか。これを知るという観点で本書を読むならば、それなりの意味があるかもしれない。そんな読後感である。

  • 残念ながらもう一度トランプ政権になりそうなので心の準備のために。政権初期のドタバタな様子、トランプの異常なまでに幼稚な性格がよくわかった。最後になんとニッキーヘイリーがトランプの1番のお気に入りとして出てくるのにびっくり。

  • バノンがいかに政権をコントロールしていたか、トランプファミリーの稚拙さ、トランプ自身が全く勉強をしようとしないことなどが詳細に描かれている。

  • 米国における直接民主主義が生んだ、異形の大統領の日常を描いた作品のようです。まあ、酷い話の連続に呆れますが、それが現実のお話のようであります。(政治も外交も、常識も持ち合わせない大統領だったらしい)毛王朝の最後を描いた毛沢東秘録との読み比べ、あるいは、スターリン王朝の終わりを描いたコメデイ映画と比較するのも、面白いかなとも思います。★三つですね。

  • 今更ながらトランプ大統領の暴露本。

    久しぶりに最後まで読む気になれなかった。内容どうこうより自分には興味がないのだと思う。

    4、バノン まで読了

  • ふむ

  • 国を率いる組織とは考えられないほど混とんとした内情が割と最初から最後まで続く。
    崩壊せずに今日まで保ってきていることが驚き。
    ブライトバード元会長のスティーブ・バノンが、トランプの勝利や政権内で大きな役割を担ってきた一人として描かれているように、政治の様々な面において、メディアの影響力の強さを改めて感じた。この一連の出来事はまた、メディアを通して得る情報に操作される国民・大衆か構成する社会において、民主主義を健全に保つ難しさを示していると思った。
    ちょうどあと1年後には大統領選が実施されるという時期になっている中で、トランプが大統領として日常化している現状に気付く。

  • 誰もトランプが勝つとは考えていなかった。トランプ政権の運営の裏側。ホワイトハウス内でのトランプ及びトランプ家を含めた覇権争いの全貌。

  • トランプ政権の暴露本。かなり内輪の人間が情報提供しているのが恐ろしい。バノンを筆頭として自身の政治的アジェンダに基づいて戦略的にリークしているのだろうから、多少色がついているだろうが、トランプの知的レベルはさすがにひどすぎる。ここまでひどいのに、ビジネスでは成功し、なんだかんだ言って中間選挙が戦えるだけの力を維持したのだからよくわからない。まあ、トランプ支持者は本なんか読まないんでしょうね。仮に読んでも「Fake news」で片づけるんだろうし。

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著者プロフィール

フリーのジャーナリスト・ライター。USAトゥデイ紙やガーディアン紙に寄稿。 『炎と怒り トランプ政権の内幕』でトランプ政権の内幕を暴き、大きな反響と社会現象を引き起こした。ほか、メディア王ルパート・マードックの評伝や、邦訳もされた『回転資金(バーンレート)』などの著作がある。2002年および2004年には全米雑誌賞を受賞。

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