鴉龍天晴(がりょうてんせい) (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
3.00
  • (1)
  • (5)
  • (13)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 101
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152095084

作品紹介・あらすじ

日ノ本が東西に分割された幕末。京で平穏に暮らす医学生・竹中光太郎と、飛騨で爵位奪還のため任務に着く武官・真田幸成は、望まぬ戦で相まみえた──科学と妖術がぶつかる、異色の大河時代小説

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 関ヶ原の役を契機に東西に分断された日ノ本。
    神豊諸侯連合が治める西では陰陽道が発達して妖が跋扈し、帝国議会政府が治める東では封神兵器・鬼巧が開発されていた。
    西の独立自治区・京で暮らす医学生・竹中光太郎は、貧しいながらも学問に打ち込む日々に幸せを感じていた。
    一方、東の帝国陸軍武官・真田幸成(真田幸村の子孫!)は不祥事を起こし飛騨に左遷されていたが、公武合体を目論む帝国政府元老・井伊直弼の密命を帯びていた。
    だが井伊は勅許を得ぬまま米国と通商条約を締結、その独断に抗議するため加賀前田家が軍を起こす。
    そして、この蜂起に端を発する東西合戦で、光太郎と幸成は望まぬまま相まみえることに――
    幕末を舞台に科学と妖術が衝突する、大河スチームパンク。 (内容紹介より)

    虚実入り乱れた設定は面白い。語り口も独特だ。出てくるお姉ちゃんもやんちゃで可愛い。
    しかし、設定に酔ってるのか中々話が進まない。光太郎と姫の与太話も充分面白いんだが、いつ本筋に入るの?という心配が小説半ば過ぎても続く。
    第2次関ヶ原に突入しても光太郎は下っ端のまま、いきなり真田幸成と一騎打ちになっちゃうし、相打ちのまま終わっちゃうし、姫と光太郎は結局なんともならないし。
    頁数が足りなかった?結局設定が全てでそれを生かし切れなかったのかな。
    鬼巧対陰陽師、妖対妖、だけじゃなくてもっと色んなバリエーションを展開できただろうに。惜しい!物凄く惜しい!
    続編希望!いや、書かなきゃダメでしょ。

  • 読み辛くて世界観に没入できなかった
    剣技が秀逸なのに残念…

  • 関ケ原の戦いで、東西二分された日本。東は機巧、西は妖が闊歩する。
    太平の世を謳歌して250年。眠りを覚ます黒船来航、幕末の始まり。

    とまぁ、とにかく要素という要素を詰め込んでしまったエンターテイメントな作品。講談調でいいのかな、アオリの文句がまたこれテンションあげてくれます。
    なんだろう、とにかく詰め込めるだけ詰め込んでしまえといった稚気も感じますね。昔、プラモデルにとにかく武器をひたすら装備させよう、フルアーマーのフルアーマーにしようなんて馬鹿げた考えで、ぐちゃぐちゃになってしまうやつです。
    それが破綻せず、読ませるパワーを持っているのはすさまじい。

    疲れたけどね。心地いい疲れでもないんだけど、面白かったんだよなぁ。

  • あなた『スレイヤーズ!世代?そうでしょ?!』と聞きたくなるほど、「30代のためのライトノベル」感。
    神坂一と榊一郎と上遠野浩平で育った私は慣れ親しんでいるけれど、こんなに世代を選ぶ文体で、よく書いたなぁと半ば感心・半ば青春黒歴史の気配を感じる。

    そして、これ、私が中高生の頃に週刊少年ジャンプで連載してた『封神演義』風に漫画原作にしてみたら、受けるのではないでしょうか…感があるような、な。

    とりあえず、結論は、私のお好みではなかったけど、作者さんの「好きなもの書きたいんじゃあ!」という気持ちは良くわかった。

  • 妖が存在し、対抗技術「鬼巧」が発展した日本。関ヶ原の合戦以降、陰陽道や妖が主力の西日本と鬼巧中心の東日本に分かれていたが、西洋諸国の開国要求に混迷中の時代。
    西日本での日常と、東日本での陰謀を進めつつ、戦争へと突入していく話。
    現実とはズレた世界を描いてるあたりは良い。戦争が始まってからの展開が急で、クライマックスは主人公の剣戟がメインになってしまい、鬼巧・妖がが活躍することなく終わってしまって残念。

  •  ”幕末を舞台に科学と妖術が衝突する、大河スチームパンク”という唄い文句にひかれて読んでみた。
     実在の人物や史実を織りまぜて幕末パラレルワールドを書こうとする構想は野心的だが、実際に書いてみて作者の手にあまったのか、やたらと背景の説明や登場人物が多くて小説の体をなしていない。読者は小説を読みたいのであって、プロットや設計図ましてや作者の蘊蓄を読みたい訳ではない。

     文章力はあると思うのでライトノベル系の語り口や登場人物で誤魔化さず、スコット・ウエスターフェルドの『リヴァイアサン』シリーズなどのようなスチームパンク作品を、日本を舞台に書いてほしい。

  • 設定が良いだけに、物語の展開と結末には物足りなさを感じる向きが多いだろう。最初から続編狙いだったのかもしれないが、だとしたら最初からそういう展開にした方がよかったのかも。最初の講談から始まり講談に終わるというスタイルも様式としてはそうだろうなとは思うけど、話が終わっていないので尻切れトンボ感が強い。陰陽師などの魅力的な脇役も使い捨てなのが残念。

  • 遊び過ぎ。
    や、それが好さなのかもしれんけれども、さすがにちょいとやりすぎじゃあ。
    オチが不条理なライトノベルというか、不条理に終わってるからこそSFなのか、というか、そんな感じ。

    ゆっきーと主人公が仲直りして、影のボスを倒す、なんて二巻が出てきたりは、しないわなあ、多分。

  • 厨二くせぇ。嫌いじゃないけど、あーやっぱ鼻につくなぁ…、でも、設定は美味しい…………。とはいえ、なんかイマイチハマりきれないのは、読者おいてけぼりで、陶酔してるみたいなノリのせいか。

    ラストの鴉対龍はひっぱりすぎ。
    そして、陰陽師に幸あれ。
    最後に、びば狐様。

  • 世界観は面白いが、消化し切れていない感じがする。

全10件中 1 - 10件を表示

神々廻楽市の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×