スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?: アスリートの科学

  • 早川書房
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本棚登録 : 170
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094773

作品紹介・あらすじ

勝つために必要なのは「遺伝」か「環境」か? 古くて新しいこの問いに気鋭のジャーナリストが挑む。ウサイン・ボルトはなぜ強い? 「1万時間の法則」は本当か? 日本版だけの特別序文を収録。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は東京オリンピック2020を翌年に控え 、開催前に読んでほしいおススメの一冊です!
     スポーツにおける強さの源は「遺伝か環境か」―このテーマに、目覚ましい発展を遂げる先端科学はどこまで迫っているのか。その最前線を紹介する内容になっています。多くのオリンピアン、各競技のメダリストや研究者からアスリートの肉体の秘密に迫り 、スポーツ観と人間観を根底から覆し、スポーツ観戦とトレーニングの楽しみを倍増させる科学書でもあります。これまで以上に注目されているスポーツの新しい見方を発見できる内容となっています。
    (ラーニング・アドバイザー/スポーツ医 KOUMURA)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1626792

  • スポーツの勝利者となるためのキーは、遺伝的形質か、それとも練習時間の長さか、または、専門的な訓練か?といったいくつかのアプローチから、様々なスポーツ、チェス、楽器演奏から犬ぞり犬に至るまでの広範な実例を分析している。
    分析内容について触れることは、読む方の興味をそいでしまう可能性があるので控えるが、様々なエピソードはどれもへぇ~というそこそこの面白さ保証。
    でも、この本を読んだからといって、オリンピックに出られるわけではありません。

  • 部屋が狭いせいものあって、紙の書籍を読んだ後は誰かにあげてしまうことが多いけれど、久々に小さい書棚に入れることになった作品です。スポーツに関わる書籍は数多く読んできたけど、本当に素晴らしい

    本書はスポーツにおける遺伝子の役割に関して、今の段階で分かっていることが丁寧にまとめられています。なぜケニアの選手はマラソンで強いのか、短距離で驚異的な速さを誇る選手がなぜジャマイカばかりから出てくるのか。スポーツの結果は「遺伝子x環境x練習量」で決まるわけですが、その因数分解を科学的に迫っていきます。

    神様が決めた太刀打ちできない部分ももちろんあるし、でもそれ以外の面でなんとかできることもある。スポーツの奥深さを改めて教えてくれます。ちなみに著者のエプスタインのTED Talkを見るとその一端が分かるので、翻訳本は苦手だよという方はまずそちらから♪(2015.1.30ごろ読了)

  • アスリートのパフォーマンスは遺伝で決まるのか、それとも後天的な環境や練習によって習得されていくのかという主題について、様々な遺伝子型と表現型との関連を調べることで、その主題に迫っていく。

    結論として、遺伝子「だけ」によってパフォーマンスが決定されるわけではないし、現時点では遺伝子型がどのように表現型として発現するか、全て解明されているわけではないため、邦題の『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?』の回答が得られるわけではないが、現在誰でもが行える「スポーツ遺伝子検査」に対する自分なりのスタンスを決める一助にはなると思う。

  • 1万時間説の弊害

  • 何でも短絡的に答えだけを求めがちな昨今の日本の現状故、このような邦題ができるのだろう。
    ※ちなみに原題は"The Sports Gene:Inside the Science of Extraordinary Athletic Performance"
    もし仮にある遺伝子が勝者を決めることができたとして、それで一体どうなる(私たちはどうすべき)というのだろうか。

    もちろん、本書ではそのような視点で記述されることはほとんどない。
    素直に読めば素直に面白い。

  • 「努力は裏切らない」「努力は報われる」と言うフレーズは美しい。希望があり、心の支えになり得る。
    しかしどうもそうでもないようだと、皆薄々思っているのではないか。
    どんなに練習しても限界がある人がいる一方、そこまで練習しているようでもないのに記録の伸びる人もいる。同じ練習量でも、結果には差が出る。トップアスリートの世界は、もちろん才能だけでどうにかなるほど甘いものではないが、誰でも練習や努力をすれば報われるというのは、幻想に近いのではないか。。。

    持って生まれた適性の上に適切な努力、どちらが欠けてもよい成績とはならない。どちらも必須である。

  • 遺伝子はスポーツ選手のパフォーマンスにどの程度影響を与えているのか、という積年の疑問を
    生理学的、文化的アプローチにより丁寧に解き明かした一冊。

  • 真壁和裕先生(総合科学部環境共生コース)ご推薦

    小太りでパーマ頭の八百屋のオバチャンが実は物理学の天才で,もしその道に進んでいたらノーベル賞も取れていたのだ…という相原コージの4コマ漫画がある。人は何かしらの才能をもって生まれてくるが,それに気がつかなければ宝の持ち腐れだというオチなのだが,ハイレベルなスポーツの世界はまさにそんな話の宝庫である。ずっと芽の出なかった三流選手が別の競技の目利きのコーチに発掘されて,練習などしていないのにいきなり世界記録を塗り替えたという話も少なくないが,競技によって重要な資質は様々である。野球では視力が重要だったり,バレーボールではコントラストに対する反応性が決め手だったり,バスケでは手足の長さが大切であるのに,水泳では胴が長い方が有利だったり…。一般人の私たちは,トレーニングの量と質の方が…と思いたいところだが,トレーニングに耐える性格もまた遺伝的な才能だと言われると,なかなかつらい(苦笑)。しかし,サッカーを選んだら挫折したかもしれない子供が,遺伝子検査でカヤックを選んで金メダリストを目指せるなら,そんな愉快なことはない。

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