フラクタリスト――マンデルブロ自伝――

  • 早川書房
3.38
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094018

作品紹介・あらすじ

アートから経済まで、多彩な領域の解明の鍵となるフラクタル。独自のジャンルを創った天才数学者が、唯一無二のテーマを?んだ経緯と波瀾の人生を振り返る、発想のヒントに満ちた面白すぎる自伝

感想・レビュー・書評

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  • 異端の学者、マンデルブロ。ひと昔前の数学の教科書(図を多用)で独学していたこともあり、図形認識が得意だったらしい。
    ユダヤ系は将来の学問の選択を父親にアドバイスを得ているなど。
    (著作)フラクタル幾何学(大学414Ma43'85) 禁断の市場(市立338マ)

  • サイエンス
    数学

  • 天才がいっぱい出てくるので、ちょっと引いた。
    ただ、マンデルブロは幸せそうではあった。

  • 140927 中央図書館
    幾多の優れた科学者と同様に、マンデルブロもヨーロッパのユダヤ系出身であり知的向上心の強い両親、一族によって育まれ、幼少期から優れた才を示していた。叔父のショレムも著名な数学者だった。本書の第一部「ルーツ」で紹介される当時の一族の集合写真は、ワルシャワの知的階級の雰囲気を表している。
    マンデルブロの年代は、ヨーロッパのユダヤ系にとって激動の時代であり、ちょっとした偶然で一生が大きく変わる運命であった。彼の場合は運良く生き延び、長大な一生を自らの興味の赴くままの研究に費やすことができた。そして、研究成果が新しい科学のキーとして広まるのを見て、生涯の終わりにあたってこのような自伝を著すことまでできた、幸せな科学者であった。
    エコール・ポリテクニーク、カルテク、プリンストン、もっとも長期間を過ごしたIBMなど多くの研究環境を遍歴したマンデルブロは、20世紀を代表する数多くの科学者等と接点があった。フォン・ノイマン、オッペンハイマー、ヴィーナー、レヴィ=ストロースなどの人となりを伝えるパートも本書の多くを占めている。
    <span style='color:#ff0000;'>数学者としてのマンデルブロは、抽象論理をクリスタライズすることを第一義と考える現代の数学者の標準像とは異なり、図形イメージから本質を掴むタイプであった。このため、幾何学的イメージを共有する多彩な分野(経済学にいたるまで)に関与することができた。</span>数学の本流ではなかったかもしれないが、フラクタル、複雑系に関わる現代の研究者にとって、忘れることのできない人物となったのである。

  • コッホ曲線やシェルピンスキーのガスケットというものを学生時代に学んだときには、驚きに満ちていた。非整数の次元についての話を聞いたときは感動を覚えた。フラクタル、単純な式で与えられるがその繰り返しが複雑さを増していく。自己相似形、リアス海岸。カリフラワーが例として取り上げられるのはなぜか本書で初めて知った。新しいことを見つけ出した科学者の伝記はおもしろい。戦争中の成人になるまでの時期も興味深いものであるが、何よりもプリンストンあたりで、オッペンハイマーやノイマンなどと接する場面が一番興奮する。しかし、本書の中に登場する日本人が北斎だけというのがちょっと寂しい。この分野で活躍した日本人の科学者もたくさんいたはずなのに。それはともかく、本書に登場する数式は訳者あとがきにある2行だけ。この式が、どう変化していくのかをこの目で確かめてみたい。訳がもう少しこなれていたら読みやすかったように思う。

  • 前半はユダヤ人の第2次世界大戦中の生活について良くわかる。
    あとは、やはり人間の能力というのは生まれつきのものがあるという事。でなければ特別な教育を受けたわけでもない著者がこれほどの天才的な学力を身に着けられなかったのではないかと思う。
    また名を残す人は、人と同じことをすることを好まない。名を残したいわけではないが、そういう人は好奇心旺盛で何より人生が楽しそうだ。オリジナルの人生。

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