〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

制作 : マイケル・ポーター(協力) 
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093202

作品紹介・あらすじ

マイケル・ポーター全面協力。ポーターの競争戦略論をシンプルかつ十全に学べる「エッセンシャル版」。競争優位、バリューチェーン、五つの競争要因、差別化、トレードオフ、適合性-企業の持続的な成功に不可欠な競争戦略のアイデアを豊富な事例と最新の理論にもとづいて解説。必携のビジネス・ベーシック。巻末にはマイケル・ポーターとのQ&Aを収録。近年の講演で頻出する経営者からの質問に教授本人が答える。

感想・レビュー・書評

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  • 下記の5条件を如何に実現させるか、に収斂する。

    1)独自の価値提案
    自ら選んだ顧客層に特徴ある価値を適切な価格で提供しているか?

    2)特別に調整されたバリューチェーン
    独自の価値提案を実現するのに最も適した一連の活動は、ライバル企業の活動と異なるだろうか?

    3)競合企業と異なるトレードオフ
    自社の価値を最も効率的、効果的に実現するために、やらないコトをはっきや定めているか?

    4)バリューチェーン全体にわたる適合性
    自社が行う活動は、互いに価値を高め合っているだろうか?

    5)長期的な継続性
    組織が得意なコトに磨きをかけ、活動の調整、トレードオフ、適合性を促すことができる十分な安定性が、戦略の核にあるだろうか?

  • ポーターを勉強しようと思ったが、本人の著作を全て読むのは大変だと思っていたところで「エッセンシャル版」なるものを見かけたので購入。

    ポーターの中で企業の競争戦略に関してのみに絞ってあるのでコンパクト。
    説明もすごくわかりやすくて、訳者のお陰もあってか文章も読みやすい。

    良著でした。

    -----

    MEMO:

    *競争とは何か?*

    p35
    ポーターのいう戦略とは、高業績を持続的にもたらす優れた競争戦略のこと。

    p53
    市場シェア重視の「最高を目指す競争」は勝者のいないゼロサム競争だ。
    対して、利益重視の「独自性を目指す競争」は多くの土俵、複数の勝者がいるプラスサム競争である。

    p56
    競争の主眼はライバルを負かすことではない。利益をあげることだ。

    p76
    価格競争は、あらゆる競争形態の中で最もダメージが大きい。競争が価格に向かうほど、「業界は最高を目指す競争」にとられる。

    p94
    競争での成功を測る正しい指標は投下資本利益率(ROIC)だ。
    売上利益率、成長、市場シェア、時価総額では決してない。

    p101
    割高な価格を要求できることが、差別化の本質である。
    ポーターの言う差別化とは、割高な価格を要求できる能力のこと。

    p107
    企業が製品を設計、生産、販売、配送、サポートするために遂行する活動の集合は、バリューチェーンと呼ばれる。

    p124
    競争優位とは、企業が実行する活動の違いから生じる、相対的価格または相対的コストの違いをいう。


    *戦略とは何か?*

    p150
    戦略と競争優位の核心は、活動にある。つまり競合他社と同じ活動を異なるやり方で行なうか、他社と異なる活動を行なうかを選択することだ。

    p193
    あらゆる顧客のあらゆるニーズに対応しないことを意図的に選択しない限り、どんな顧客のどんなニーズにもうまく対応することはできないのだ。

    p195
    「戦略とは競争においてトレードオフを行なうことである。戦略の本質とは、何をやらないかを選択することだ」

    p243
    すべてを予測するにはあまりにも変数が多く、不確実性が大きい。

  • 今の自分のやってることと少し噛み合わなかった感覚があった。もう少し会社を大きくして、人を雇ったりした時により深く読んでみようと思った。

    競争は1位,2位を争うだけじゃないということはわかった。

  • まさにこのような本を待っていました。競争戦略の古典とも言われるマイケル・ポーターの「競争の戦略(Competitive Strategy)」ですが、この本(エッセンシャル版)にも何度か記述があるように、僕自身が「競争の戦略」を”誰もが読んでおけばよかったと思うが、誰も読みたいとは思わない”と思っていた一人だからです。

    そんな中での[エッセンシャル版]です。私自身、これまでポーターを避けていくつかの戦略本を読んできたという邪道にもほどがある読書歴の持ち主ですが、まさに古典として「戦略」のベースとなる考え方がすべて書かれていると感じました。構成・章立ても、そもそも「競争とは何か?」という導入から戦略の必要性を語り、次に「戦略とは何か?」で我々がやるべきことが書かれるという構成になっており、とても読みやすく、且つ腹落ちしやすいです。さすが[エッセンシャル版]と銘打つだけあります。

    また、冒頭で述べられているように、この著書が「やらないこと」を明確にしていることも好感が持てます。すなわち、学術的な本は目指さない、ポーターの研究のすべてを要約しようとしない、ポーターの研究を拡張するものではない、ハウツー本ではない、ということを明確にし、“どのように考えるべきか、その指針を示し、優れた戦略とそうでない戦略を見きわめ、まっとうな戦略と一時的な流行に踊らされた戦略とを区別する方法を示す本”を目指したと宣言しています。

    事例紹介も定番のサウスウェスト航空やIKEAなどを筆頭に、ファストフード(In-N-Out Burger)やアパレル(ZARA)、医療(アラビンド)、自動車(BMW)などなど、多岐に渡る最新の事例が盛りだくさんで、読んでいて楽しいです。

    戦略に少しでも関りながらも、論文やポーターの原著までは手が出ない、、、という方はたくさんいると思います。そのような方々にも、この本をぜひ読んでいただきたい。オススメの一冊です。

  • わかりやすい! 読み終えてしまったのが残念(もっと読んでいたい)、以下、気に入った箇所の抜粋…

    戦略がなければ、何もかもが重要になってしまう。だが戦略があれば、何が重要かを見きわめられる。なぜなら自社がどのような顧客に対応し、どのようなニーズを満たそうとしているのか、またそれを適正な価格で行なうために、自社のバリューチェーンがどのような特徴ある方法で構成されているかがわかっているからだ。こうした知識をよりどころにして、何が重要で、何が重要でないかをより分けることができる。
    戦略は、優先順位を明確にする。また、自社の目的をきちんと理解している社員は、変わろうとする意欲や、すぐやろうという意識が高い。

  • 独自性は共存を促す。人生も同様。

    p15
    戦略の本質は何をやらないかを選択することだ
    p24
    もっともよくある誤解が、競争に勝つには「最高を目指す」のが一番だというものだ。
    p32
    競争の本質は、競合他社を打ち負かすことではなく、価値を創造することにある。
    p39
    たいていの事業には「最高」なるものは存在しない
    p50
    独自性を目指す競争が戦争と違うのは、ある一社が勝つために競合他社が負ける必要がない点だ。
    (独自性は共存を促す)
    p55
    競争の主眼はライバルを負かすことではない、利益をあげることだ。
    p61
    利益とそれを構成する二つの要素である価格とコストに集中せよ。(利益=価格-コスト)
    p73
    利用者が増えるにつれて、利用者にとっての価値が高まることを「ネットワーク効果」という。
    p116
    活動をやめたら具体的にどの間接コストを削減できるかを考えるとよい。相対的コスト分析(だから何なのか)

    p126
    ベストプラクティスで競い合うことは、実質的に全参加者のハードルを上げることになる。業務効果は絶対的に向上するが、誰も相対的向上を実現できない。

    p134
    競争優位の定義を思い出して欲しい。企業が実行する活動の違いがもたらす相対的価格または相対的コストの違いだ。

    p164
    価値提案の選択を通して企業の行動に制約を課すことが、戦略には欠かせない。

    p165
    競争優位を確立するには、特徴あるバリューチェーンを通じて特徴ある価値提案を提供しなければならない。

    p169
    競争優位を得るには、トレードオフを行うことが欠かせない。

    p178
    イケアの巨大な店舗は、手っ取り早く買い物を済ませたい人にとっては悪夢だ。

    p181
    戦略とは二者択一の世界だ。

    p193
    何をやらないかをはっきりと打ち出す。これが、やると決めたことで成功する最良の方法だ。
    p194
    競争優位を構築し持続させるには、独自性を曖昧にするさまざまな計画に、断固ノーといい続けなければならない。顧客はつねに正しいという考え方は反面の真理であり、凡庸な業績を招く。
    p204
    第一の適合性は、基本的な一貫性だ。
    p214
    どの活動が「コア」なのかを見極めるよりも、もっと大事なことがある。
    どの活動が一般的で、どの活動が特別に調整されているのか。
    一般的な活動はアウトソーシングしてかまわない。
    p236
    将来に関する「大胆な予測」は戦略には必要ない。
    p237
    戦略の代わりに柔軟性を方針にすることの問題は、組織が何の主義主張も、何のとりえも持たなくなることだ。
    p248
    戦略がなければ、何もかもが重要になってしまう。

  • 経営に詳しくなくても、かなり理解できる良書。
    同じ土俵で戦うな、違い見出してより際立たせろ、ということが全編通して書かれている

  • 最高を目指す経営は✖
    企業が目指すは利益の最大化
    顧客創造×適切なバリューチェーン
    トレードオフ
    一つのコアコンピタンスだけでは成り立たない

  • どんな会社も簡単に成功していない。数年、数十年かけて複雑なVCを適合させながら模倣困難な強みを構築している。

  • 2023/09/28 041
    研修課題図書として通読

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