MITメディアラボ: 魔法のイノベーション・パワー

  • 早川書房
3.97
  • (26)
  • (22)
  • (20)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 338
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093165

作品紹介・あらすじ

どうやったら実際に作れるのか見当もつかない、世界を変えてしまうインパクトをもったプロダクツを次々と生み出しつづける研究所がある。マサチューセッツ工科大学に設置された、MITメディアラボだ。ここの研究者たちは、けっしてヒモ付きになることなく、グーグル、GM、NECといった企業のバックアップを得て、自由奔放な発想をまるで魔法のように、現実のプロダクツとする。企業が開発費を出し渋る咋今、なぜこのラボだけはそうありつづけられるのか?イノベーションによる革新とビジネスチャンスを追求する人々の関心を惹きつけてやまない研究所の秘密を、長年所長をつとめた著者ならではの視点から明かす待望の書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • またもやワクワクさせられた本に出会ってしまった。
    最新のテクノロジーがなぜアメリカからの発信が多いのか、納得。ただ、そこで働いている人達は様々な人種で様々な専門家たちの集まりで、いろんなアイデアをからめながら創り上げる。そのアイデアの出す方法がつまっている。

    • komi333さん
      アメリカのテクノロジーが進んでいるな~と実感させられますが、先日TVで福岡で起業している「しくみデザイン」という会社が日米などで数々の受賞を...
      アメリカのテクノロジーが進んでいるな~と実感させられますが、先日TVで福岡で起業している「しくみデザイン」という会社が日米などで数々の受賞をとっているのをみて、
      うれしくなりました。(IT関連)
      ぜひHPもご覧ください。「チームラボ」も素敵です。
      2014/05/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      面白そうなので「しくみデザイン」に「チームラボ」のサイトをお気に入りに登録。
      「チームラボ」の幾つかの事例はニュースとかで見たコトがありま...
      面白そうなので「しくみデザイン」に「チームラボ」のサイトをお気に入りに登録。
      「チームラボ」の幾つかの事例はニュースとかで見たコトがありました(伊藤若冲のとか、、、)。
      2014/05/10
    • komi333さん
      気に入っていただいてうれしいです!
      気に入っていただいてうれしいです!
      2014/05/11
  • MITメディアラボは、米国マサチューセッツ工科大学の建設・都市計画学部に設けられた研究所であり、主に人間とコンピュータの協調によるコミュニケーションや表現に関する研究が行われている研究所です。この本は、元MITメディアラボ長(2006~2011年)だったFrank Mossの著書、The Sorcerers and Their Apprentices の日本語翻訳版です。本の大部分は、自由奔放な発想から生まれた革新的なプロダクトの紹介と、それらの誕生秘話です。例えば、手近な表面をどこでもタッチスクリーンにしてしまう、ウェアラブルデバイス(シックスセンス)や、キャンパスに絵を描く感覚で作曲ができるソフト(ハイパースコア)などがプロダクトの例です。どの研究プロジェクトにおいても、共通することは、「好奇心をもち、疑問に思うことがあったら、ちゅうちょせずに、まずプロトタイプ(実験作・試作物)をつくる」ことでした。これは、デザイン・ものづくりをする者にとってとても大事な心構えだと思いました。世界の最先端にあるラボには、さすがにこのような心構えをもった様々な人達が集まって、真の学際間研究が行われていることに感心しました。ぜひ、ものづくりをしている方に、この本を読んで刺激をたっぷり受けて欲しいです。
    これらのプロダクトは実際どう動くかを見た方が、テキストより分かりやすいので、まず動画を見た後にこの本を読むことをお勧めします(YoutubeでもMITラボの多くのプロダクトが見られます)。
    (2013 ラーニング・アドバイザー/感性 HONG)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1458056&lang=ja&charset=utf8

  • MITメディアラボ前所長の、タイトル通りメディアラボの紹介書。
    TED(もっぱらEテレ月曜夜放映を視聴)が静かなマイブームなのですが、本書を読み、ここからのネタ多いなと…
    現MITメディアラボ所長が番組のナビゲーターなので当然でしたね。
    この本のおかげで、全く無縁だった最新テクノロジーのインキュベーションの模様を知ることができました。
    こういった学際的アプローチによるイノベーションは、これからますます重要で、どの分野でも増えてくると思います。
    また、もともとメディアラボは「人間の生活の質の向上させる」テクノロジーの開発をミッションのひとつに掲げているようなのですが、個人的には、障害を持つ人のために開発されたツールをきっかけに、シーモア・パパート教授が「みんなが障害者なのだ―ただ障害の程度が異なるだけなのだ」という発想を持つに至ったというエピソードがとても好きです。例えば、自閉症の人は他人の感情を読むのが苦手だが、殆どの人は同じ苦労を経験しているし、足を失った人は正常に歩くのに苦労するが、それは多くのお年寄りも変わらない、ということです。
    単なる最新テクノロジーの紹介だけでない、その背景すなわちテクノロジーは何のために開発されるのか、その意味づけこそ大事で、それがあるからこそメディラボでは素晴らしい開発と発展がなされているのだ、ということが、飽きさせない筆致で書かれています。

  • 2013年18冊目。「MITメディアラボ 魔法のイノベーション・パワー」読了。

    TEDや特集番組などでMITの発明には興味があったので手にとった一冊。MITの教育のあり方がよくわかる。一番印象的だったのは

    「考えるな、作れ」

    というMITの文化。思いついたことを即座に作れる環境(人的にも、予算的にも、物理的にも)がこの文化を実現している。MITで行なわれている”ほとんど何でも作れる方法”という講義は一度見てみたいものだ。(この講義では、あらゆる工具、製造機器の使い方を学ぶらしい)

    こういった環境で専門家たちが発明を行なうのならば当たり前のように思うのだが、MITでは電子工学、情報分野の専門でない人達がそれをやってのけるのに驚く。これからは学際的な集団こそ、新しいのもを生み出すのかもしれない。

  • MITに属するがほぼ独立した研究所のメディアラボ。資金はスポンサー企業が出すが研究内容に口出しはできず発明に対して非独占的な特許権を許諾される。スポンサーリストを見ると日本の大手電機メーカーはほとんどがスポンサーになっている。それだけの価値が有るかどうかは後で紹介するリンク先のビデオを見てもらえばわかると思う。

    一般的な学問の境界は無くほとんどが学際的な研究内容になっている。例えば音楽と医療などと言うように。研究者は実際に発明を作ってデモをすることが義務づけられていてDEMO or DIEと呼ばれている。彼らは自分のやっていることを仕事とは呼ばずHard Fun難しい遊びと読んでいる。
    次々にイノべーションを生み出す仕組みはセレンディピティ・バイ・デザイン(必然の偶然)と言う考え方に基づき、予想外でランダムな結びつきが起こらざるを得ない様な環境が作られている。違うグループの発明を仕切りの無い同じ場所で作っている巨大なワークショップやそこに訪れる人たちが別の発明を目にするのが一つの例だ。
    よくイノベーションを起こせと言う話は聞くが通常の企業内の研究所はむしろイノベーションを起こさない仕組みを作ってるように思う。単に20%ルールで自由に時間が使える程度の話では無さそうだ。

    実際の発明についてはHONZレビューに動画がまとめられていたのでこちらをどうぞ。
    http://honz.jp/14107
    パワーフット、シックスセンスのデモ画像もいいが何と言っても圧巻なのは最後にあるTEDカンファレンスでのダン・エルシーの指揮による演奏。
    ダンは脳性麻痺のため顔から下はほとんど動かせないがその動きが何を意味するかをセンサーで読み取ることで曲を作曲し実演した。

    原題は「魔法使いとその弟子たち」数年前なら映画の中にしかなかったものが発明されてきている。

    参考までにメディアラボとその発明がよく発表されているTEDのHP
    http://www.media.mit.edu/
    http://www.ted.com/

  • ノンフィクション
    サイエンス

  • 2012.09.01 HONZで見つける。

  • MIT・・・手と頭
    人は絶えず好奇心を追求し、人々とアイデアを交換しながら色々な世界を冒険できる!

    数々のテクノロジーやプロダクトの誕生の背景についてー

  • 幸運にして仕事で MIT Media Lab を訪問する機会を得たため、少しでも Media Lab の雰囲気に馴染んでおこうと読んでみた。原著は 2011年、翻訳は 2012年の本なので、もう 6年も前。本当は Media Lab が公開している最新のビデオとか、Media Lab の人々が喋っている TED トークを見た方が情報は up to date なのだが、僕は本から入る体質なのだ。これは Media Lab の三代目所長フランク・モスが Media Lab の現在(当時)、過去に起きた最も印象的なエピソードのうちのいくつかを「イノベーションのスタイル」「我々の未来」という 2つの視点から紹介している一冊。どのエピソードも、楽器として発明したものが、マジックの道具に使われ、エアバッグ・システムの制御装置となり、プロ野球選手のフォームを測定する道具になったというような、セレンディピティに溢れた(しかし、どの応用も後から見れば必然としか思えない)ものばかりだ。話はテクノロジーに留まらず、障害者や貧困、浪費依存といった人間の弱さを解決しようとする試みもたくさんある。

    Demo or Die は、著者のフランク・モスが流行らせて有名になった(当代所長の Joi Ito は、これを更に発展させて "Deploy or Die" と言っている)で、Media Lab の学生は自分のアイデアを形にするために、初年度に旋盤や溶接機、レーザーカッターといった道具や電子機器について学ぶ "How to make (almost) anything" というクラスを取るらしい。どんなに良いアイデアであっても、すぐに試してみなくては、死んでしまうのだ。

全30件中 1 - 10件を表示

千葉敏生の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×