- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152092564
作品紹介・あらすじ
万能のルネサンス人ダヴィンチを魅了し、天才物理学者ハイゼンベルクを虜にした「流れ」。それは万物の変化をとらえるための、最も身近でありながら最も科学的な解明が困難な、人の心をとらえて離さないパターンである。女性の髪のウェーブから海や川のうねりや渦、砂漠を彩る多様な紋様、そして生物の動きにみられる「流れ」と、多様な現われを統一的に支配する原理に、科学はどこまで迫ることができたのだろうか。自然に潜むパターンの数理を、豊富なヴィジュアルを楽しみながら明かす驚きの3部作、謎の深まる第2弾。
感想・レビュー・書評
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前後したが3部作を読了。流体の流れと言えばダ・ヴィンチのレスター手稿が有名だが、まるまる1章費やされてるのは異例の扱いだった。
流体力学がいかに体系作られるのが難しいか改めて考えさせられた。 正確な流量を計算するには臨界圧力比が必要で、結局は条件によって様々な答えが算出される。影響を与える要素を単純化して計算するだけでも非常に有益で、無次元数という言葉は初見だった。レイノルズ数は身近な環境で実際に算出してみたいと思った。障害物の後ろに回転する渦が永久に循環しているのは知らなかった。レイノルズ数が50〜200ではカルマン渦が安定しているとのことで、流量センサーの実用性が理解できる(流速に円柱の直径を掛けて液体粘土で割る)
ラールセルのパターンと地球の対流、雲の形成については興味深いが、砂の粒子によるパターンはあまり関心がなかった。水温や塩分濃度の差による対流パターンはだいたい安定して決まっているのであれば、生態系への影響などで応用が効きそう。
コルモゴロフが乱流のエネルギーカスケードを数学的形式に変換し、特定のべき乗則に従っているとされる統計値の分布が後年のゴッホの絵画にも当てはまるというのは面白い締めくくり方だった。 -
1 流体を愛した男
2 下流のパターン
3 ロールに乗って
4 砂丘の謎
5 隣のものについていけ
6 大渦の中へ -
新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:404//B16
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140125 中央図書館
ダビンチが描いた流線パターンを枕に、ミルククラウン、レイノルズ数とカルマン渦、ベナール対流のさまざまのかたち、マントル対流、海洋大循環、砂丘の自己組織化、回転ドラムの撹拌(入れ過ぎると真中が混ざらない)、ブラジルナッツ現象(実際には小さい豆の容器内対流の結果らしい)、集団行動と渋滞など、自然の動きを可視化した場合のパターンについて、ワクワクする現象が並ぶ。読んでいて飽きない。
砂の安息角の話は、安部公房「砂の女」に出てきたな。 -
「自然が創り出す美しいパターン」のタイトル3部作の中刊。流体の対流、砂丘で創られる美しい模様などが形成される科学的な仕組みについてわかりやすく解説している。鳥や虫、魚、人間などが創る群れについても、同じ「流れ」の範疇で論考を加えている点は興味深い。
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煙の模様とか、どうしてシリアルのフルーツは上へ出てきちゃうのかとかおもしろかった
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著者によるポピュラーサイエンス三部作の2作目。「流体力学」に焦点を当てて、判りやすく解説する。
レオナルド=ダ・ヴィンチの絵画は、水の流れにインスピレーションを受けていたという考察に始まり、流体力学の重要な値:レイノルズ数やカルマン渦列、レイリー数などを、木星の大赤斑や砂丘の模様などの事例を使って解説している。
流体というのは、空気や水の流れのように日常生活の中で常に接するものであり、大変身近な存在ですが、これらの物質に纏わる現象を説明しようとすると難しさを感じます。例えば、パイプを通る水の流速は、中央が速く淵のほうが遅くなる。それは摩擦の影響が大きいという簡単なモデルで説明できます。しかしながら、少し複雑なモデルになると理論通りに行かない難しさもあり、この分野の奥の深さもあるようです。
ちなみにこの本で紹介されている気に入った現象は、「ブラジルナッツ効果」です。大きなナッツは、袋を振ると段々上に押し上げられるという理論で、これも流体力学で説明することができるようです。科学に疎い人でも楽しめる本です。 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784152092564