かたち: 自然が創り出す美しいパターン

  • 早川書房
4.03
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本棚登録 : 308
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092403

作品紹介・あらすじ

自然のなかの目を見張る造形は数理法則にのっとってひとりでにできる。事物に潜むパターンの数理を、豊富なヴィジュアルを楽しみながら明かす3部作、開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は
    「フリーランスのサイエンスライターで、「ネイチャー」誌のコンサルタント・エディター。「ネイチャー」、「ニュー・サイエンティスト」、「タイムズ」などに科学全般について幅広い執筆活動を行っている」人だそうです。
    早川書房のPR
    〈ハヤカワ・ポピュラー・サイエンス〉生物がいまある姿になったのは、自然選択だけのせいではなく、無機物とも共通の、「かたち」を巡る数理の制約による……豊富な図版を楽しみながら、自然に潜むパターンを解読する3部作第1弾。

  • ロマネスコを見てうっとりする、息子向けに。
    化学や物理が好きなんですね、彼。

    かーさんは、難しいけれど、こういうの好きなひとには
    かなり良書なんだと思います。

    あるだけでわくわくするって、素敵な本。

  • 請求記号 404/B 16

  • 三部作だが、どれから読んでもよい仕様。面白い内容で数式もほとんどないが、幾何学的な図形が随所に出てくるので、それを理解する頭が必要。

  • 何故この形になってるか、何故この模様になってるか、こういった疑問は頭によぎったこともなかったが、難解な化学的パターンを上手に説明していて非常に勉強になる。 一般人には、自然淘汰と自然選択の結果こうなってます、というダーウィニズム的な思想で満足してしまうところだが、フィリップ・ボールが紹介する数々のモデルは深淵な科学の賜物であり、作者自身各テーマの結論を出すことに慎重な姿勢を取っている。
    界面活性剤の周期的極小曲面形成や、共重合体の化学的作用など、ちょっと眠くなってしまうテーマもある。ほかに化学的なアプローチとして興奮性媒質やBZ反応に関する説明は興味深かった。鉱物の模様や心臓の鼓動、細菌の活性などに繋がる普遍性を持っていることに驚かされる。渦巻き銀河の形状までが反応=拡散系と見なすことができるアイデアも驚嘆的。
    アラン・チューリングの存在感も際立っている。自己触媒的な活性因子と、長い距離で作用する抑制因子によるメカニズムが、様々な動物のパターンに見られるのはとても興味深い。 スペースの限られる尻尾先端では縞模様が現れるだとか、臨界点を超えた体格を持つ動物は模様がないなど、凡人には気づかないような点を説明されると目から鱗な気分になる。
    黄金比については今では有名だが、言われてみれば、フィボナッチ数でもその倍数でもない数字は21までに4つしかなく、何でもかんでもフィボナッチ数列に結びつけてしまうのは軽薄に思えた。

  • この三部作を数年前から図書館で読み始めて、今回ようやく読み終えた。 自然界に存在するさまざまな「パターン」を物理、化学、生物、情報の区別を超え統合的に考察する。このような視点でここまで一般的にわかりやすく書かれた本は案外少ない気がする。 各部で取り上げられた事象や理論はどれもとても深く面白い。最後のエピローグの章で全体を統括していて、世界の事象に対する新しい見方を提示してくれる。

  • 生物のパターンの背景にある、数理をフィボナッチ数列や反応拡散方程式に触れつつ説明した本。(TW)

  • サイエンス

  • 自然のかたちにはどうしてパターンがあるのか?生命が作り出すユニークなかたちは、すべて遺伝子に書き込まれているのか?

    などなどの疑問を一つひとつ丁寧に解説していく。文系の私はやや難しいところもあるが、かなり包括的によくまとまっている感じ。

    こういうのって、フラクタルとか、複雑系とか、そっちにいくことが多いと思うし、私もその辺を期待して読み始めたのだが、著者の視点は、いわゆる自己組織化という便利なところにはそんなに逃げずに、色々な可能性をしっかりと追っかけていく。

    その誠実さが、この本の魅力かな?

    この3部作の1作目で、この後に、「流れ」と「枝分かれ」が続く。ちょっと一息入れてから、読み進めよう。

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著者プロフィール

1962年生まれ。オックスフォード大学とブリストル大学で学位を取得。「ネイチャー」誌の編集に従事。『クリティカル・マス』(未訳)で2005年度アヴェンティス賞を受賞。邦訳に『生命を見る』など。

「2018年 『音楽の科学 音楽の何に魅せられるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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