地球移動作戦 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 214
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152090683

感想・レビュー・書評

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  • 小難し過ぎず、ちょうど良い。いい話ですな。

  • ☆4つ

    しかしまあなんとも味気ない題名だ。この題名がもっと奇想天外な題名ならこの本もう少し有名になったかも知れないゾと思った。例えばそうだなぁ『人工知能は地球滅亡の夢をみるか』(あ、あれに似てる!って。まあ小稚感想などへの些末な指摘はよせよぉw)

    作者山本弘との出会いは数年前の『MM9』でした。『MM9』を読んだときはかなりの衝撃を受けた。怪獣物語を小説でここまで映画やテレビっぽく描く人を知らなかったから。

    しかし日本人作家の書くSFはなんとか解るので好印象ですね。海外の翻訳SFはさっぱりわからない。読んでる日本の人はトーゼンわからない。もしかすると翻訳した先生もわからない。そぉしてたまには書いた外人作家さんも実は分ってない。ぎゃ!!

  • ミラーマターの巨大質量の星が地球軌道に大接近。さあどうしよう。

    山本さんのSFの中ではかなり濃密な部類に入るのではないでしょうか。ミラーマターとか反物質とかタキオンの振る舞いとか、予習しないと楽しみきれないかも。まあ予習なしでも冒頭から心折れる展開でこの先どうなっていくのかどきどきしながら最後まで読めました。
    ストーリーはもちろんなのですが、随所に山本さんの社会への眼差しが差し込まれていて、いつもながらそれがとても世界観に深みを与えていて読み応えがあります。それとバーチャルな女の子たちは山本さんの趣味出過ぎ。

    とりあえずプロジェクトぴあのから読まないと世界観の前提がわからないと思うのでまずはそちらをお楽しみください。この本もすごく面白かったです。

  • 地球移動について正面から挑んで読みごたえはあったが、キャラクターへ感情移入ができなかった。スリリングなところも感動したところもあるけど。

  • Library
    Reserved

  • 面白かった。タイトルの通り、ある危機回避のため、地球を移動させるという計画の物語。主人公風祭魅波(みは)の奮闘を描く。

    読んだ感じ、描かれていることの比率が、
    壮大なプロジェクトにかかわる人々、魅波の奮闘=30%
    地球移動計画の成否・行=20%
    登場する未来技術 (みなし永久機関・動力機関をはじめ、アンチエイジング技術、AIアシスタント、拡張現実インフラ、ナノマシン、デバイスインプラントなどなど)=50%
    といった具合で、プロジェクト奮闘記というよりは、未来技術のほうが目についてしまった。
    文化のほうも、現在の動画配信の延長のようなことが描かれているが親しみよりは、多少がっかり感があった。
    100年以降の話で、革命的な動力機関が発明されそれにより経済構造が大きく変化しているのだから、ちぐはぐな感じがした。

  • 「プロジェクトぴあの」が素晴らしかったから、こっちも読んでみた。得てしてにわかファンにありがちなことだが、これは本来順序が逆らしい(時系列ではあっているからヤヤこしい)。が、そんなことはどーってことないぐらいにぶっ飛んだ系のオモロいSFである。

    骨子は簡単、太陽系のはるか向こうから地球に向かってやってくる。「ぶつかりそうなら避ければええやん」タイムリミットは24年、さて地球は動くのか?

    という、それだけだったらSF世界ではそうぶっ飛んでない話ではあるが、どうやって地球を動かすのかとか、地球を動かす以外の対策とか、いざ動かすことになるまでの政治的な動きとか、動かすことになってからの描写とか…そのあたりのぶっ飛びようがとても良い。

    まさか、地球を動かす方法について「押してもだめなら引いてみな」だの「相手の力を利用する合気道」だのを、科学的に検証して実行させようと(小説上とはいえ)いうんだからぶっ飛んでいる。断っておくがこの本、一応ハードSFだと思うぞ。

    そういう無茶苦茶をやる時に、キャラクターやら恋愛やら人間模様的なものまで、キワモノ展開するとクドさが出がちなんだけど、作者さん分かってらっしゃるようで、その辺はかなりまっすぐな展開。人工知能の扱いやぴあのドライブ(うんうん活躍してるねぇ)等少々小道具には凝ってるものの、演じている人間模様はど直球!

    クライマックスの泣かせようは、SFとは思えないスポコンぶりで、そのあまりのテラいのなさに俺も涙半チビりしました。

    きけば、この本「妖星ゴラス」をリスペクトしたものだとか、山本弘小説キャラがオールスターキャストで登場するとかいう、事情と背景をしってるファンにはたまらん作品だったらしい。俺はそんな事情を知らずに読んでもオモロかったが、そのへんの背景も色々しってみたくなったぞ。山本弘、まだまだ追いかけます!

  • 帯にはハードSFとあるが、普段ライトノベルを読む層からハードSFはちょっと……という層の間くらいにちょうど良い感じ(私)。
    2000年代後半の文化やブームが色濃く反映されていることや、地球の中では日本中心に書かれているのが、読みやすくもあり、人を選ぶかも。

  • 結城ぴあのが発明したピアノドライブにより、人類は他の恒星系へ飛び出すことが出来た。しかしそこでミラー物質により構成された巨大な惑星が24年後に太陽系を通過することを知ることとなった。このままでは地球には月引力の数万倍もの潮汐力がかかり、壊滅状態になることが明らかである。その対策で世界中が混乱する中、風祭良輔はピアノドライブを大量の小惑星に搭載し、地球を現在の軌道から一時的に移動する計画を提唱し了承される。しかし反対勢力として、人工意識コンパニオン(ACOM)を進化させた上で、地球文明を別の場所に継承させて、状況を受け入れる勢力が出現。良輔は殺害され、娘である天才少女魅波が遺志を引き継ぎ、プロジェクトの指導者となる。そしてついにその時が到来し、魅波は彼女のACOMマイカらと共に粉骨砕身する。反対勢力による綿密な破壊工作もあり、プロジェクト全体の成否は全くわからない。人類の英知を試されるようなハードSFで大変良く出来ている。「プロジェクトぴあの」より前の作品だが、たまたま物語の時系列に合わせて読めて良かった。ラストは涙無しでは読めません。傑作です。

  • プロジェクトぴあのを読んで、本作がそれと世界観を共通する世界観であることを、ここの他のレビューで知って、再読。ぴあので語られたエピソードが、本作でもそのまま語られており、本作だけでは何故、何の伏線もなく、そういう話が語られていたのかが分からなかったが、両作を続けて読むとよくわかる。では、この作品の後日譚もあるのかと思われるが、それはそれで期待したい。

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著者プロフィール

元神戸大学教授

「2023年 『民事訴訟法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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