キュレーターの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
4.27
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感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151842535

作品紹介・あらすじ

バラバラ死体に付いた謎の文字列の紙片。ポー刑事は事件の背後に潜む黒幕〈キュレーター〉と対峙する。絶賛相次ぐシリーズ第三作

感想・レビュー・書評

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  • 超★5 人間の指が切断された事件が発生、現場に"#BSC6"という文字が… #キュレーターの殺人

    ■あらすじ
    イギリスのクリスマス、人間の指が切断された事件が次々と発生。事件現場には「#BSC6」という文字が残されていた。国家犯罪対策庁の刑事であるポーと分析官のブラッドショーは、上長のフリンと共に事件の解決に挑む。この事件の犯人は? そしてどんな背景が隠されているのか…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    おもろい!★5
    ワシントン・ポーシリーズの第三弾ですが、あきらかに面白くなってますね。

    特にプロットの出来栄えが素晴らしく、600ページ以上のお話でもどんどん読み進められちゃうんです。前半から中盤は、謎多き事件からの緻密捜査。中盤からは恐ろしい事件の背景が見えてきて、終盤で想いもよらない展開に!ミステリーとして完璧ですね。

    そして何と言っても、メイン主人公であるポーとブラッドショーの凸凹コンビが最高。お互いの能力を尊敬しあう仕事仲間ではなく、もはや戦友ともいえる間柄になりました。ポーの刑事としての経験、発想力、粘り強さと、ブラッドショーの知識と情熱がベストマッチで、今回はコミュ力が上がったブラッドショーも垣間見えて、なんだか嬉しい。

    おそらくぱっと見は、まるっきり似てない親子のような二人組なんだけど、時には冗談を言って笑い合い、どんな難関にも手を取り合い、前向きに立ち向かっていくが素敵なんです。特に終盤のシーンで見せてくれたやり取りは、この二人の絆がひとレベル上がる様を見せてくれました。

    ラストもイイですね~。詳しくは話せませんが、こんな終わり方は大好き。真相と動機が明らかになり、静かな怒りと報いがシンプルかつ強烈に描かれる。やっぱり物語はこうじゃなきゃいけませんよね。

    ■ぜっさん推しポイント
    「キュレーター」が本作のキーワードなんですが、何が楽しくてこんなことをするのか理解できません。犯罪の変態性がエグく、これ本当にあるということで吐き気がしますね。人生一度きりなんだから、こんな犯罪をするために知恵を使うんじゃなくて、社会や困った人を助けるために知恵を使えよと思うわ…

    しかし本作はブラッドショーがどんどん頼りがいのある仲間になってきて嬉しいですね~。次回作が楽しみになる素晴らしい一冊でした。

  • 予想上回る面白さ。クリスマスに切断された人の指が次々見つかるところから始まる連続兇行。残虐な場面多々あり辛かったが、ひらめきのポーと計算のティリーの二人の息が前作以上に合ってて謎に迫る捜査に夢中になった。最後一筋縄でない所もいい。

    • 111108さん
      マリモさん、コメントありがとうございます♪

      おっしゃる通り、アガサ・クリスティーの話や米原万里さんを教えていただいたりと、楽しいお話いろい...
      マリモさん、コメントありがとうございます♪

      おっしゃる通り、アガサ・クリスティーの話や米原万里さんを教えていただいたりと、楽しいお話いろいろできて楽しかったです!マリモさんのスピードには程遠いですが、来年もいろいろ読んでお話させてくださいね!
      このシリーズいいですよね!今後も楽しみ。
      マリモさんよいお年をお迎えくださいませ♪
      2022/12/31
    • まーちゃんさん
      111108さん、いつもいいね!とコメント、ありがとうございます。

      既に三作目も読了してらしたんですね!凄い!

      購入されて読んだとの事で...
      111108さん、いつもいいね!とコメント、ありがとうございます。

      既に三作目も読了してらしたんですね!凄い!

      購入されて読んだとの事で…僕は、ちょっと迷ってます。ブックオフで、探してみようかなぁ…。

      本年も、色々と参考にさせて頂きます!宜しくおねがいします!
      2023/01/05
    • 111108さん
      まーちゃんさん、こちらにもコメントありがとうございます。

      1、2作目まで読んでて待ってたんですけど、待ちきれず購入しました。
      これも早くa...
      まーちゃんさん、こちらにもコメントありがとうございます。

      1、2作目まで読んでて待ってたんですけど、待ちきれず購入しました。
      これも早くaudible出るといいですね!
      2023/01/05
  • ワシントン・ポーシリーズ最新作、発売後すぐに購入したにも関わらず、上期決算を迎える9月末という時期が私のページを捲る手を鈍らせました。

    読み終えるのに1週間ぐらいかかったのかなぁ^^;

    本作が面白くなかった訳ではないですからね、面白いからこそシリーズ第3作まで追いかけている訳で、本国ではすでに発売されているらしい最新作の発売を楽しみにしています。

    なかなか本作も衝撃的なスタートでしたね。

    生きたまま指を切り落とされる...想像するだけで痛い(><)

    死体なきシーンから始まった本作、地道な操作の結果、容疑者を特定し、#BSC6から始まった謎は溶けたかに思われた。

    しかし、シリーズを追いかけてきた読者には本シリーズがそんな単純な結末を迎えるわけはないことはわかっています。

    突如、ポーの閃きから事件の姿が明らかにされ、本事件は想像だにしなかった結末を...

    シリーズ3作品、全て私の読後評価は☆4つ、決して満足してない訳ではありません。

    緻密故にちと長い、でも読者を飽きさせない。

    いやぁ〜、本作も大満足の一冊でした♪


    『ストーンサークルの殺人』『ブラックサマーの殺人』の刑事〈ワシントン・ポー〉シリーズ、驚愕必至の第三作登場。
    人体連続切断事件の背後に潜む「キュレーター」とは?
    「先が読めたと思うなら、あなたは注意が足りていない……」
    著者M・W・クレイヴン自薦!

    クリスマスの英国カンブリア州で、切断された人間の指が次々発見された。プレゼントのマグカップのなか、ミサが行われた教会、そして精肉店の店内で――。現場には「#BSC6」という謎めいた文字列が。三人の犠牲者の身元を明らかにしようと国家犯罪対策庁のワシントン・ポー刑事とステファニー・フリン警部、、ティリー・ブラッドショー分析官らが捜査に乗り出す。だが彼らはまだ知らない。この連続殺人の背後に想像を超える巨悪「キュレーター」が潜んでいることを……。ポーやティリー、フリンたちが相対する敵の正体とは!? 驚愕必至のシリーズ第三作。解説/若林踏

    著者について
    イギリス・カンブリア州出身の作家。軍隊、保護観察官の職を経て2015年に作家デビュー。2018年に発表した『ストーンサークルの殺人』で、英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガーを受賞した。

  • 「あたしはどこまでもついていく、ポー」

    ワシトン・ポーとティリー・ブラッドショーの一番の親友コンビがまたしても大活躍のシリーズ第三作はミステリーとしてはシリーズ最高傑作と言えるもののティリー・ブラッドショーファンブックとしては残念ながら物足りないと言わざるを得ないw

    それでも今回は「一般常識にもだいふ慣れてきたと本人は思っている」という必殺パンチを身に付けてKOを狙ってきます
    カワ(・∀・)イイ!!

    そしてもうお互いへの鋼のごとき信頼感がとってもいいのよ
    お互いの行動やたどり着いた答えに全く疑問を感じないのね
    なんか判断が脳を経由してないのがわかるんだよね
    特にコンビの頭脳を受け持つティリーがポーの言うことに全く頭脳を使うことなく反応してることが、その印象を強くするのね
    ポーを信じるってことに理由や条件が存在しないのよ!果物と野菜に関して以外だけど

    それにしてもポーの周りには個性豊かな女性が集まり過ぎです
    次作以降はFBIの女性捜査官もさらに出番を増やしそうな感じだし、もう!ティリーの活躍の場を奪わんといて!

    自らシリーズ最高傑作と評したミステリー部分には触れずにレビューは終わりますが苦情は一切受け付けません

    • 土瓶さん
      もう三作目……。
      はやく「ストーンサークルの~」から読まなきゃ、と思いつつ。
      もう三作目……。
      はやく「ストーンサークルの~」から読まなきゃ、と思いつつ。
      2022/11/11
    • ひまわりめろんさん
      年一で書くみたいよ
      読み始めればあっという間よ
      年一で書くみたいよ
      読み始めればあっという間よ
      2022/11/11
  • 「キュレーター」とは、日本では、博物館や美術館等の学芸員の事だが、欧米では『企画監督を司る者』の意味があるそうで、本書の意味もこちらになります。

    待望の、「ポー&ティリー」シリーズ三作目だったが、これまでで最も後味が悪かったかもしれない。

    まあ、事件はこれまでも猟奇的要素の高いものだったから、その辺は変わらないのだが、今回はそれに加えて、ネット社会に救いを見出そうとする、社会的弱者の心理に付け込んだ非道さであったり、事件の真相に主要人物が大きく関わっている展開には、作者の、このシリーズにかける本気度を感じさせられたが、読んでいる側にとっては、たまらないものがある。

    また、前作までは犯人の動機が理解不能であったから、まだ病気として捉えられそうな救いがあったのだが、今回は・・なんで、こうなっちゃったのだろう。いくら繋がりが密であっても、そこまでの執着心を持ってしまう怖さには、色々な意味で、人間の心の弱さを実感させられたし、それは、「ワシントン・ポー」刑事の最後の行動も、ある意味そうなのではと思ってしまうところが、またやるせなくて、現代社会の心の闇なのかな。

    ポーの気持ちは分かるし、私もそれだけの事をされたら、そんな気持ちに駆られるかもしれないけど、何だか、ポーが「ダーティー・ハリー」みたいに見えてきて、フィクションの映画ならいいんだけど、私は現実にそんな社会は望んでいないんだよ(小説もフィクションなんだけどね)。何か、もっと別の解決策だってあったんじゃないかって、思ったりする事が甘いとか言われると、いつまでも人の心から殺伐としたものは消えないと思うし、おそらく、永久に繰り返すよね。そんな社会ってどうなんだろうと考えさせるのも、作者の狙いなのかもしれないけれど。

    ポーの事を、ちょっと悪く書いてしまったけれど、破天荒な行動がトレードマークの彼も、実は、本書が一番まともに思われたし、勘に頼るというよりは、『人間の脳は目で見たものを言葉で正確に表現するようにはできていない』といった、これまでの経験やデータを重視する冷静な一面もあるし(そして過去の犯罪歴史の勉強家でもある)、『花は治癒する過程で欠かせない存在』といった、体だけでなく心を癒やすことの大切さを知る、優しい一面も持っている彼は、純粋さの固まりである相棒、「ティリー・ブラッドショー」から大きな信頼を寄せられているのも納得の人間性なのだが、そこには、彼自身の母親への思いもあって、シリーズを重ねる毎に、その個人的調査も少しずつ核心に迫っているようで、今後、ますます目が離せない。

    それから、前作でも書いたけど、ポー&ティリーのファンとしては、もっと二人のパーソナルなやり取りを見たいんだよね。お互いに励まし励まされる姿もいいし、ポーの体を心配する健気なティリーもいいんだけど、何だか事件を追うことにページを割きすぎてるような気もして・・・まあ、警察捜査小説だから仕方ない点もあるのだろうし、見方を変えれば、それだけ事件の展開は目まぐるしく、先が気になるということになるんだけどね。

    そして次回作は、「Dead Ground」とのこと。
    こちらも、いつ邦訳されるのか、今から楽しみです。

    • たださん
      111108さん

      眠い、確かに!
      ついさっき、昼ごはん食べた後は、特にそうですね(_ _).oO
      私の場合、目の痒みも気になってまして・・...
      111108さん

      眠い、確かに!
      ついさっき、昼ごはん食べた後は、特にそうですね(_ _).oO
      私の場合、目の痒みも気になってまして・・ここ数年、花粉症大丈夫だったのですが。

      私もリストが増える一方です(まず減ることは無い^^;)。
      2023/03/05
    • 111108さん
      たださん
      今年の花粉はすごいらしいですもんね。私も眠気には身を任せ、痒みには目薬対応しながら読んでいきます(*´꒳`*)
      たださん
      今年の花粉はすごいらしいですもんね。私も眠気には身を任せ、痒みには目薬対応しながら読んでいきます(*´꒳`*)
      2023/03/05
    • たださん
      111108さん

      そうでしょうね。風の強い日も多いですし。
      私も目薬、買わないと(^^;)
      111108さん

      そうでしょうね。風の強い日も多いですし。
      私も目薬、買わないと(^^;)
      2023/03/05
  • キュレーターは誰?の一冊。

    今作はシリーズ最高に胸糞悪くて、最高に寝不足にさせてくれた面白さだった。

    発端は聖なる日に3箇所で発見された、3人の人物の切断された指。
    もうこれだけで猟奇的な匂いがぷんぷん。

    捜査に乗り出した"チーム・ポー"は相変わらずの捜査能力と細かい着眼点で惹きつけてくれた。

    靄がかかった黒幕"キュレーター"は誰?

    一歩ずつ確実に近づきそのヴェールが剥がされていく時からページも鼓動も嫌悪感も加速状態。

    ポーのほんの些細な気づき、ティリーとの阿吽の呼吸、随所で感じられる人としての情が熱くて素晴らしい。

  • ワシントン・ポーシリーズ3作目です。
    失速することなく面白い‼️
    様々な事件調査関係者が出てきますが、圧倒的に活躍するのは男性ではなく、女性が多い(というかほとんど)。
    これは作風なのか、イギリスがそうなのかが気になります‼️

  • シリーズ三作目

    ポーとティリーのコンビの面白さはそのまま、今回もグイグイと読ませる。
    だけど、長い割に少し物足りないと感じたのは本筋(ポーの問題)の真相などの進捗が無かったためかも…

    あとポーの魅力がいまいち伝わってこなかった。(他の作品の主人公とキャラが少しかぶった印象、読む側の問題)
    自然やペットを愛でて和んでる場面があるのが好き。

  • ポーとティリーの3作目。
    今回も二人が強く信頼し合っている姿が見られて嬉しい。困難な場面でポーがティリーを見て力をもらうところがいい。その時のティリーの両手の親指を立てる姿が可愛い。
    妊娠後期に頑張るフリン警部にハラハラ。
    しかし、ラストがあまりにも衝撃すぎて、、、。
    そうか、これがポーの正義を貫く姿勢だったな

  • 読み応え抜群の大好きな海外ミステリー、ワシントン・ポーシリーズ3作目。
    前2作と同じくコツコツと証拠を積み上げて試行錯誤していくストーリーで登場人物も多めなので、ちょくちょく前に戻りながら読み進めた。中盤でようやくタイトルの「キュレーター」という名前が出てきてからは物語にもエンジンがかかり、そこからは一気読み。
    「この作者はこの程度では終わらないでしょー」を数回繰り返してラストに辿り着く頃には、事件の発端となったへなちょこ野郎(名前忘れた)のエピソードがものすごく遠い話に感じた。
    私はミステリーを推理しながら読まないタイプだけど、今回は「もしかしてこんな結末だったらすごく嫌だな」と思っていた考えがうっかり当たってしまい、何とも言えない気分(´・ω・`)

    今作でも、ポー、ブラッドショー、フリンの友情が大きな見どころ。この3人はいつも心配し合って、助け合って、迷惑をかけ合って、生きている。大人の友情というのか、単に三人共不器用なのか、言葉ではなくいつでも行動で友情を示す関係性がグッとくるし羨ましい。

    ポー&ブラッドショーの鉄板コンビも大好きだけど、私はいつもフリンが気になってしまう。大好き!というほどではないのだけど、人間くさい人だなあと何となく共感してしまうのだ。それなりに欲張りで、肩肘張っているけど、とにかく忍耐強い。常識やルールを逸脱しない・できない分、自分の役割をしっかりわきまえている管理職の人間という感じがリアルだなと思う。
    今回は、そんなフリンが、妊娠・出産を努力で乗り越えるべき課題のように捉え、意地になる余り自分を見失っている姿に胸が痛んだ。

    そしてカンの冴えた粘り強い仕事ぶりは相変わらず。友情にも恵まれているポーだけど、今回の結末は……。
    こんなのほとんど自傷行為に見える。自分の人生に自ら重たい鎖をかけてどうするのか。
    体力・気力でがむしゃらに進んでいける年齢を越えたときに、ポーは鎖の重みに耐えられるのか。この先、自分の生い立ちと対峙して乗り越えたり受け入れたりする日が来たときに、今度はこの鎖がポーの首を締めはしないか、心配になる。

    ワシントン・ポーとステファニー・フリンが何歳という設定なのかはわからないけれど、社会性の面でもキャリア面でも伸び盛りのブラッドショーに比べ、ニ人共なんだか苦しい時期にさしかかっているように見えて、シリーズの先が気になる。

    ・Audible利用(15h24m)
    ・読了まで3日間(1.1倍)

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