ラスト・チャイルド(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 24-3)

  • 早川書房
3.75
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本棚登録 : 657
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151767036

作品紹介・あらすじ

少年ジョニーの人生はある事件を境に一変した。優しい両親と瓜二つのふたごの妹アリッサと平穏に暮らす幸福の日々が、妹の誘拐によって突如失われたのだ。事件後まもなく父が謎の失踪を遂げ、母は薬物に溺れるように…。少年の家族は完全に崩壊した。だが彼はくじけない。家族の再生をただひたすら信じ、親友と共に妹の行方を探し続ける-早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念作品。英国推理作家協会賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • え、面白い…
    登場人物が割と個性的というか。
    覚えやすい。
    なんのためにやっているのか、全ては下巻で。
    下巻はこの流れで一気読みしたい。

  • 幸せな家族から、誘拐によって双子の妹が失われた。妹を迎えに行けず誘拐を結果的に許してしまった父は、母から責められ失踪。その後母親は地元の権力者に籠絡され酒、薬物に耽溺する。完全に崩壊した家庭を元通りにする為息子のジョニー少年だけはあきらめなかった・・・。

    詳しくは下巻を読んでからの感想文とさせて頂きますが、情景描写の細やかなで状況がとても想像しやすいです。

    それでは下巻でお会いしましょう。

  •  双子の妹がある日、突然誘拐されることで少年ジョニーの人生が一変する。娘の誘拐事件で母が心を病み、それに耐え切れず父が失踪する。そんな環境にも負けず、ジョニーは誘拐犯を特定するために周囲を調べ歩く日々が続くのだった。妹が誘拐され、1年が経とうするある日、近所で少女の誘拐事件が発生、ジョニーが目星をつけていた犯人宅で偶然、少女と遭遇し事件は犯人が死亡するという結末を迎えるのだが・・・下巻につづく

  • 連休の旅行で海外に出かける時に必携の小説を忘れたことに空港で気づいて慌てて買い求めた上下巻2冊。取り急ぎのことで目に留まったというだけの理由だったので、あまり期待せず読み始めたところ…。
    めちゃめちゃおもしろい!! 3泊4日の旅行中に上巻は半分以上読んでしまって、帰国後は読み終えるのがもったいなくなってしまうくらいでした。
    ふだん作家の新規開拓をする時に、訳者の方も参考にすることが多いのだけど、今回はそれも役立ったかな。
    ともかくオススメです!

  • ジョンハート3作目。
    ここでもやはり、底辺にあるのはミステリを絡めた家庭模様。メインテーマは変えずに、それぞれに内容の濃い、ボリュームたっぷりの長編を楽しめる。本作でもやはり、新たな謎が続々生まれてくる、テンポの良さが素敵。

  • 1年前に双子の妹が誘拐された兄、少年ジョニー。事件後に、父が失踪し、母が薬物におぼれる中、失われた妹=幸福な生活を取り戻すため、怪しい人の地図を作成し、一つずつしらみつぶしに調査していた。その調査には、彼の親友であり、妹が誘拐されるシーンを見ていた少年も付き添っていた・・・。

  •  本書はジョン・ハート作品の3作目。相変わらず、情念のこもった作品を描く。ユーモアは欠片もない。粘着質の男たちが煩わしく感じるくらい、脇目も振らず一直線に行動する。行動のエネルギーとなっているのは愛情。一途さに、人間の愛情とはいったい何に裏打ちされているのだろう? という疑問も湧いた。事件をきっかけに、愛する人を守ろうとする者たちがもがき苦しみながらも進んでいく姿を克明に描く、上質なエンターテインメント作品だ。愛情の裏表、様々なかたちを提示し、読む者に熟考を強いる。気合を入れて読みたくなった。

  • アメリカの作家「ジョン・ハート」の長篇ミステリ作品『ラスト・チャイルド〈上〉〈下〉(原題:The Last Child)』を読みました。
    『川は静かに流れ』に続き、「ジョン・ハート」の作品です。

    -----story-------------
    早川書房創立65周年&ハヤカワ文庫40周年記念作品。
    アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞&英国推理作家協会賞最優秀賞スリラー賞受賞。

    〈上〉
    少年「ジョニー」の人生はある事件を境に一変した。
    優しい両親と瓜二つのふたごの妹「アリッサ」と平穏に暮らす幸福の日々が、妹の誘拐によって突如失われたのだ。
    その後まもなく父が謎の失踪を遂げ、母は薬物に溺れるように……。
    少年の家族は完全に崩壊した。
    だが彼はくじけない。ただひたすら家族の再生を信じ、親友と共に妹の行方を探し続ける。

    〈下〉
    「あの子を見つけた」大怪我を負った男は「ジョニー」に告げた。
    「やつが戻ってくる。逃げろ」少年は全速力で駆けた。
    男の正体は分からない。
    だがきっと妹を発見したのだ。
    「アリッサ」は生きているのだ。
    「ジョニー」はそう確信する。
    一方、刑事「ハント」は事件への関与が疑われる巨体の脱獄囚を追っていた。
    この巨人の周辺からは、数々の死体が……。
    ミステリ界の新帝王が放つ傑作長篇。
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    2009年(平成21年)に発表された「ジョン・ハート」の第3作で、同年の英国推理作家協会賞(イアン・フレミング・スチール・ダガー賞)や翌年のアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀長篇賞を受賞した作品です。


    13歳の少年「ジョニー・メリモン」は、犯罪歴のある近隣の住人たちを日々監視していた… 彼は、一年前に誘拐された双子の妹「アリッサ」の行方を探しているのだ、、、

    美しい少女だった「アリッサ」は何者かに連れ去られたが、警察はいまだ何の手がかりも発見できずにいた… 「ジョニー」の父親も、「アリッサ」が誘拐されてまもなく謎の失踪を遂げていた。

    母「キャサリン」は、土地の有力者「ホロウェイ」の愛人になり薬物に溺れ薬漬けの毎日を送っており、「ジョニー」の家族は完全に崩壊していた… 「ジョニー」は学校を頻繁にさぼり、友だちの「ジャック」の手を借りつつ昼夜を問わない危険な調査にのめり込んだ… ただひたすら、妹の無事と家族の再生を願って――。

    「キャサリン」に好意を抱き、「ジョニー」を気遣う刑事の「ハント」は、事件への関与が疑われる巨体の脱獄囚「リーヴァイ・フリーマントル」を追っていたが、この巨人の周辺からは、数々の死体が……。


    面白かった! 久しぶりの感動作です… ひとつの事件ではなく、異なる複数の事件が絡んだ意外な真相が待ち受けているミステリとしても愉しめ、崩壊した家族を再生させようとする少年の成長を描いたヒューマンドラマとしても愉しめる作品でした、、、

    誘拐された妹を果敢に探しながら、愛する母親を愛人と薬から取り返そうと、懸命に行動する「ジョニー」に気持ちをシンクロしながら読みました… 少年モノには弱いんですよねー 

    決してハッピーエンドではなく、主人公の「ジョニー」にも、刑事の「ハント」にも、過酷な現実が突き付けられる結末でしたが… それでも、救済や赦しが得られ、未来への灯を感じさせられ、家族の再生を期待できる深い余韻の残るエンディング、一度は友情が決裂した「ジョニー」と「ジャック」が仲直りする清々しい展開も良かった、、、

    そして、「ジョニー」と「リーヴァイ・フリーマントル」との出会い、「メリモン家」と「フリーマントル家」の先々代の関係等、奇蹟的・運命的な出会いも巧く織り込んでありましたね… リアルな部分と神がかり的なファンタジックな部分のバランスが絶妙だったのも印象的でした。

    700ページを超えるボリュームには感じられないくらい集中して一気に読みました… 今年イチバンの作品かな。

  • 森や川を描く冗長な場面も多く、なかなか読み進めることができなかったが、複雑なプロットで最後の謎解きには感心した。米国ミステリー全般にいえるが、銃が身近にある米国でないと成立しないストーリー。ジョニーの万能さとキャサリンの外見的魅力にリアリティが欠ける気がするが、米国文化を知らいないためかもしれない。

  • 彼が何のために
    何がしたくてそうしているのか
    わからないまま進む
    それでもちっとも気にならず
    どんどん進む
    だって面白いもの

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著者プロフィール

1965年、ノース・カロライナ州生まれ。ミステリ界の「新帝王」と呼ばれる。2006年に北米最高のミステリ賞であるアメリカ探偵作家クラブ(エドガー)賞最優秀新人賞候補作『キングの死』で華々しくデビュー。その後、2007年発表の第二長篇『川は静かに流れ』で、同賞の最優秀長篇賞に輝いた。2009年の第三長篇『ラスト・チャイルド』は、エドガー賞最優秀長篇賞および英国推理作家協会(CWA)賞最優秀スリラー賞をダブル受賞。エドガー賞最優秀長篇賞を二年連続で受賞した唯一の作家となる
『終わりなき道 下 ハヤカワ・ミステリ文庫』より

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