そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151310805

作品紹介・あらすじ

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    言わずと知れた、アガサクリスティーの代表作の1つ。
    ・・・にも関わらず、タイトルは聞いたことがありますが、一度も読んだことがない作品でした。
    (というより、洋書の小説自体あまり読んだことがない・・・)

    ただ、読み始めるとすぐにグイグイ作品に引き込まれていって、気が付けば読み終えていました。
    作品のエピローグにてネタバレが書かれているのですが、正直それを読まなくっちゃ、なぜこのように物語が進行していったのかさえ分からない始末・・・笑
    1冊全部を読み終えて、ようやく腹落ちというか納得できた1冊でした。

    なにより1番スゴイのは、この本が1937年に出版されたという事ですね。
    イイ意味で、時代を感じない不朽の名作だと思います。


    【あらすじ】
    その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。
    だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…
    そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく・・・
    強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。


    【メモ】
    p358
    副警視総監はテーブルを拳でドンとたたいた。
    「こんなことがあっていいものか。ありえないことだぞ。岩だけの何もない島で、10人の人間が殺害されていた。そして我々には、誰が、なぜ、どのように殺したのかも分からない」
    メイン警部は咳払いをして、言った。
    「実は、そうとばかりも言えません、副総監。正義にやたらこだわる異常者がいた。そいつは法律の埒外にいる犯罪者を裁こうとしたのですよ。」


    p364
    「島にはほかに人間がいたはずなのです。すべてが終わったあとに後始末をした人間が。しかし、そいつはそれまでの間、一体どこにいたのでしょうか?そして、どこに消えたのでしょうか?」
    ため息をついた副総監は首を振ってから身体を乗り出した。
    「だが、そうなると、いったいぜんたい、誰が10人を殺した犯人なのだ」


    p365?
    ・トロール漁船〈エマ・ジェイン号〉の船長より、ロンドン警視庁に送付された証拠文書

  • 十角館を読んで本家を再読したくなって。ドラマも見たし筋もわかってたけど、この見事な展開は何度読んでもやはり美しいと思う。トリックとかロジックとかは置いといて、追い詰められた人間の恐怖心壊れてく心の描写が素晴らしい、さすがです!

    • 111108さん
      チェリーさん、フォローとコメントありがとうございます♪

      本家知った上で騙されるのって、何だかうれしいですよね?
      私は以前どなたかがブックリ...
      チェリーさん、フォローとコメントありがとうございます♪

      本家知った上で騙されるのって、何だかうれしいですよね?
      私は以前どなたかがブックリストにあげてた、今邑彩さんの『そして誰もいなくなる』を読んでみようと思ってます。
      2022/05/01
    • チェリーさん
      111108さん、返信ありがとうございます!

      「そして誰もいなくなる」面白そうですね。
      有名作品だからオマージュ作品も多いですよね。

      私...
      111108さん、返信ありがとうございます!

      「そして誰もいなくなる」面白そうですね。
      有名作品だからオマージュ作品も多いですよね。

      私の初クリスティーは「アクロイド殺し」で、部屋で読んでて犯人のくだりで叫びました(笑)
      色々衝撃的すぎて(≧∇≦)
      2022/05/02
    • 111108さん
      わ〜なんていい反応‼︎(≧∀≦)
      ネタバレ無しで読んだんですね、最高!

      クリスティー他にも色々衝撃的結末あるので楽しいです。
      わ〜なんていい反応‼︎(≧∀≦)
      ネタバレ無しで読んだんですね、最高!

      クリスティー他にも色々衝撃的結末あるので楽しいです。
      2022/05/03
  • ずっと読みたくて温めていた作品をようやく読めました。大満足です。
    ミステリで、人も亡くなるのに、とても爽やかな読み心地でした。
    あまりの面白さにずっと読んでいたくて、ページの残りが少なくなっていくのが淋しかったです。
    個人的には、エピローグ前に描かれていたシーンの突き放された感じの読後感が1番好きです。

    • マメムさん
      初コメです。
      エピローグ以降を読むまで、誰が犯人なの?と頭が混乱でした(^_^;)
      次第に精神が狂ってしまう様はリアリでしたね♪
      初コメです。
      エピローグ以降を読むまで、誰が犯人なの?と頭が混乱でした(^_^;)
      次第に精神が狂ってしまう様はリアリでしたね♪
      2023/09/10
    • はなさん
      私もです!本当に「そして誰もいなくなった」状態になり、え?となりました。(^^;;
      徐々に精神的に追い詰められる様は、ドキドキでしたね。
      私もです!本当に「そして誰もいなくなった」状態になり、え?となりました。(^^;;
      徐々に精神的に追い詰められる様は、ドキドキでしたね。
      2023/09/10
    • マメムさん
      はなさん、お返事ありがとうございます。
      誤字(リアル)は失礼しました。
      『十角館の殺人』を再読したくなる読後感でしたね♪
      はなさん、お返事ありがとうございます。
      誤字(リアル)は失礼しました。
      『十角館の殺人』を再読したくなる読後感でしたね♪
      2023/09/10
  • そして誰もいなくなった、という、ずっと気になっていた、タイトル。やっと、ついに手に取りました!
    洋書苦手意識ありの私は、有名過ぎるのに、名作だというのに、気になるのに、避けていたという。
    初アガサクリスティ。

    以外にも読みやすく、ハラハラ、ドキドキの展開に、一気読みしてしました。こんなことならもっと早くに読むべき本でした。
    最後の1人残された人は、気がおかしくなって、自死してしまうのですが、それは賭けのような形で。それすらも、犯人は予想していたのかな…と、思うと、背筋が凍る衝撃を感じました。追い詰められていく人間の心理がリアルに描写されていて見事だと思いました。

    最後には、犯人みずから、………海に………という、
    この本のクライマックスは、印象的でした。
    そんな展開に、そこで明かされることに
    私は凄く痺れました!

    「誰にも解けない謎を作り出すのが私の夢だった。しかしどんな芸術家でも、芸術それだけでは満足できないのに、私は気づいた。当然他の人に、認めてほしいと思うものではないか。自分の頭のよさをわからせたいという、いかにも人間らしい、浅はかな願い。正直に言えば、その願いが、私にもあったということだ。」
    殺人鬼の恐ろしい心理描写…。

    読み終えて満足感を持てた。
    ミステリー史上もっとも有名であるという、傑作。
    読んで良かったです。

  • 色褪せない孤島ミステリの原点。

    年に数冊くらいは目にする孤島クローズドサークルもの。
    それらを読むといつも思うのは、(アレを再読したい)。

    しばらく前に、当時自分が読んだハヤカワ・ミステリ文庫版を実家から持ってきていたのだが、流石に年季が入り過ぎているのと、字が小さすぎるのとで次々と届く図書館本を押しのける程の力も発揮されず、長らく積読状態だった。

    今年発刊された、ミシェル・ビュッシの『恐るべき太陽』は孤島クローズドサークルものとのレビューをいくつか拝見している。
    ミシェル・ビュッシといえば自分的には『黒い睡蓮』。
    あれには完全にしてやられた。
    あの作家の書く本ならば、間違いない、図書館予約している『恐るべき太陽』が届くその前までには流石に再読しておかなければと思い、意を決してクリスティー文庫版をamazonで中古購入。

    届いた本の表紙を見て、あれ?
    amazonで見た近代的な感じの波打つ崖の上空写真(レビュー時点のブクログの画像もこれ)と違って、孤島の岬っぽい場所に赤い原住民のような人の佇む戯画っぽい表紙。
    あ~、でもこれはこれで懐かしくもあり、ありかも。

    で、一気に読了。
    文字は大きいし(その分ぶ厚くなったけど)、訳も自然ですらすらと頭に入ってくる。
    何と言っても面白い!

    言ってみれば「孤島に集められた10人が次々に死んでいく。犯人は誰!?」というシンプルな話なんだけれど、短めの章、節で区切られているし、読者を飽きさせずどんどん話が展開していくので一度読みだすと止まらない。
    やっぱクリスティすごい。

    真相については全く忘れていたが、読み進めるうちに何となく思い出してきた。
    そういえばこの”誰もいなくなった”時点で、当時中学生くらいだったろうか、「なにこれ、どういうこと!?」と衝撃を受けた自分を思い出す。
    作品世界の雰囲気やこの圧巻の展開に完全に呑まれた。
    海外ミステリを読み漁る道へ、間違いなく影響を受けた一冊。

    読んでいる間、娘から「その表紙と全く同じ本、本棚で見たよ」。
    「そう。でも文字も大きいし、文章も読み易くなってるから!!」。
    年季本の方を積読中に娘に勧めていたのだが、残念ながらページが開かれることはなかった。
    今回、興味をもったようなので改めて推しておいた。
    「じゃあ学校の読書時間で読もうかな」と言っていた。
    よしよし。

    • ひまわりめろんさん
      本好きって遺伝するんですかね?
      うちの娘も自分がひくくらい分厚い本読んでるときあります
      ともあれ布教活動お疲れ様でしたw
      本好きって遺伝するんですかね?
      うちの娘も自分がひくくらい分厚い本読んでるときあります
      ともあれ布教活動お疲れ様でしたw
      2023/11/05
    • fukayanegiさん
      そうですねー、うちのは嫁さんが全然本読まないので若干中和されてる気がしますが。
      もっと自分を脅かすくらい読んで欲しいw

      なんなら、友達にも...
      そうですねー、うちのは嫁さんが全然本読まないので若干中和されてる気がしますが。
      もっと自分を脅かすくらい読んで欲しいw

      なんなら、友達にも紹介しときなって言っときました。
      2023/11/05
  • 初読みのアガサ・クリスティの作品。
    様々な所でオマージュやパロディがなされる名作とは果たしてどんな物なのかが気になったので読むことに。
    相当に古い作品なのでミステリーの下地が今よりもない状況でここまで色あせない作品が作られたことにとても驚きであった。最新の機械が登場せず人の心情を中心に物語が進行している所が、あまり時代を考えさせないのかなと思いました。人が死ぬ毎に遺された人間たちが追い詰められていき、徐々に狂っていくところがとてもリアルで面白かったです。トリックの方もこんなに前から偽装死をトリックに盛り込んでいたり、半共犯関係を作り上げたりなど今のミステリー作品の下地とも言える要素が多く入れられていて面白かったです。
    今のミステリー作品も勿論面白いけれど、昔のミステリーもこれから読んでいきたいと思いました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    アンソニー・ジェームズ・マーストン:梶裕貴
    エセル・ロジャース:朴璐美
    ジョン・ゴードン・マッカーサー:中田譲治
    トマス・ロジャース:山路和弘
    エミリー・キャロライン・ブレント:小山茉美
    ローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ:山寺宏一
    エドワード・ジョージ・アームストロング:津田健次郎
    ウィリアム・ヘンリー・ブロア:立木文彦
    フィリップ・ロンバード:小山力也
    ヴェラ・エリザベス・クレイソーン:小松未可子

  • 著者の作品、ブクログ登録は3冊目。

    登録した作品は、
    ・オリエント急行殺人事件(1934年)
    ・ナイルに死す(1937年)
    ・そして誰もいなくなった(1939年)

    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が響く…そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく!強烈なサスペンスに彩られた最高傑作。新訳決定版。

    ---引用終了

    本作には、旧訳と新訳がありますが、孤島の名称が変わっているようです。
    即ち、旧訳ではインディアン島、新訳では兵隊島。
    これは、人種的な配慮でしょうか。

    また、本作は、その後のミステリー作家に多大な影響を与えています。
    本作を意識して書かれた作品を挙げると、
    ・「殺しの双曲線」(西村京太郎、1971年)
    ・「十角館の殺人」(綾辻行人、1987年)

    また、著者・アガサ・クリスティー(1890~1976)は、コナン・ドイル(1859~1930)のシャーロック・ホームズものを良く読まれたようです。

  • 十角館の殺人をきっかけに好きになったミステリー。それから結構な数のミステリーを読んできましたが、十角館の殺人を超えるものには出会えず。それくらい大好きな小説の源流とも言える小説。有名すぎて説明不要ですね。お恥ずかしながら未読でした。
    まず読後の正直な感想としては、内容は思っていたよりも普通。展開もある程度は想定内。もちろん犯人は分かりませんでしたが。また、現代とは異なる、職業や性別に対する偏見が多く、前提に納得しきれないことが多々あった点が印象的でした。
    でも、この小説の魅力はきっとそういうことじゃないんだと思います。
    1939年に刊行されて約100年後の今も読み継がれているという事実。
    これに尽きるでしょう。
    この小説を読んで覚える既視感。それは読む順序が逆なだけ。
    時間が流れたことで読む側が多くの経験をしている今の環境でもこれだけの驚きを与えられるというところに凄さを感じます。
    こっちは100年レベル上げしたのにまだ勝てない敵みたいな感じですかね。
    歴史に残る色褪せない小説でした。

  • この中で嘘をついているのは誰?

    絶海の孤島に集められた10人。
    互いに面識もなく職業も年齢もばらばら。
    はじめは和やかな雰囲気に包まれた10人だったけれど、一人、また一人と生き残る者が少なくなるにつれ、互いを信じられず疑心暗鬼に陥っていく。
    その緊迫した心理戦に、読んでるこちらも手に汗握る…。

    お恥ずかしながら、アガサ・クリスティー初読み。
    読んだことはなくとも、題名だけは昔から知っている今作。ようやく読めて光栄です。

    一体誰が真犯人なのか。
    ひょっとしてあの人では?と想定して…なのに想定した人があっけなく亡くなって…え?じゃあの人?と思ったらこれまたあっけなく…、とハラハラドキドキで、頁をめくる指が止まらないとはこのこと。
    見事アガサ・クリスティの術中にハマってしまった。
    超有名な名作中の名作を堪能できて、ほんと楽しかった。

  • 小さい頃は、なぜかエラリー・クイーンばかりで、アガサ・クリスティーの記憶が、、、
    いまさらながら、基本の基はワクワクしますね。

    どこかで読んだような設定(もちろんこちらが先なんだと思いますが)でしたが、犯人はクリスティー自身ではなかったのでは?
    なんて深読みしすぎですね。

    変な読後感ですが、タイトルがめちゃくちゃカッコイイ!

    純粋に謎解きを突き詰めているからこそ、今でも愛されている名作なのでしょうね。
    他の有名作品も読みたい。

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