アクロイド殺し (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 3)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300035

作品紹介・あらすじ

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。

感想・レビュー・書評

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  • ポアロの頭の中は常に明瞭なんですが、私の頭の中は五里霧中で…
    先が気になるけど、読み進めるのがもったいない…を繰り返してなんとか読了。
    最後まで読んで全ての真相が分かってから、もう一度最初から読むのが面白くて、面白くて。
    アガサ・クリスティー作品、まだまだたくさんあるので、これから読むのが楽しみです!

  • 果たしてこの物語の肝を知っている中で、楽しめるのか?
    非常にドキドキしながら読み始めた。
    話の中身自体は全くもって忘れていたことも功を奏し、おつりが出るくらい楽しめた。

    やっぱりうまいなクリスティ。
    物語に引き込み、様々な「?それがどんな意味を持つのだろう」という怪しいポイントを散りばめつつ、容疑をあちらへ向けたと思えばこちらへ向ける。
    空振りのようで空振りでない事実を重ねながら、気付けば物語全体の絵姿が出来上がっている。

    物語はキングズ・アボット村のジェームズ・シェパード医師の手記という形で展開される。
    この村で起きた、フェラーズ夫人の自殺とそれに次ぐ村きっての富豪ロジャー・アクロイドが殺された事件をめぐり、隣人エルキュール・ポアロの活躍ぶりを描く。

    ヘイスティングス不在の中、手記の記録手ジェームズはポアロから助手のお墨付きまでをも拝命。
    だが、この生真面目な医師では、あのぽんこつヘイスティングスの代わりが務まるわけもなく(褒めてます)、今作のいい味出している賞はジェームズの姉キャロライン。
    スモールコミュニティでの情報収集に余念がなく、各地に諜報部員を配し、一足飛びの際どい意見をずばずば繰り広げる。
    こういうすっとぼけた人がいると、めりはりが出て俄然面白くなる。

    いやー、それにしても分かってはいたのに、最重要場面を素通りさせられていたことや、最後まで事件がどのように起きていたのかがわからなかったことが、さすがクリスティ。
    モナミやエ・ビヤンなど注釈付き台詞がこれでもかと飛び交うのも乙。

    次は『ビッグ4』。
    攻略本では0.5点だ。。。

    • なおなおさん
      こんばんは!
      この本、ブックオフで買い、手にしたら安心してしまって積読中なんです。
      有名な本(…ですよね)だし、皆さんの評価が高いだけに、勿...
      こんばんは!
      この本、ブックオフで買い、手にしたら安心してしまって積読中なんです。
      有名な本(…ですよね)だし、皆さんの評価が高いだけに、勿体無いですよね…(-_-;)

      PSブクログスマホ画面(iPhone)が微妙に変わり、ちょっと戸惑っている…ってことをこちらで呟かせてください^^;
      2024/04/20
    • fukayanegiさん
      なおなおさん

      えー、絶対読んだ方がいいですよー!
      と言いつつ自分も買ってから1年くらい寝かせてしまいましたが。

      慣れの問題かもしれません...
      なおなおさん

      えー、絶対読んだ方がいいですよー!
      と言いつつ自分も買ってから1年くらい寝かせてしまいましたが。

      慣れの問題かもしれませんが、ブクログアプリの一新されたデザイン、ビミョーですよね!
      なんか広告とかも目に付くようになった気がするし、よく言えばスタイリッシュになった気もするけど、前のシンプルな感じのほうが好きだった。。
      2024/04/20
    • なおなおさん
      fukayanegiさん、やはり勿体無いですよね。
      分かりました。読みます!…という誓いを色んなブク友さんにしております^^;

      ブクログア...
      fukayanegiさん、やはり勿体無いですよね。
      分かりました。読みます!…という誓いを色んなブク友さんにしております^^;

      ブクログアプリの新デザインは、うまく説明できないのですが、各機能ボタン(文字や枠)が大きくなったような。
      前はどうだったか説明できないので、こうして忘れて新しいデザインに慣れていくのでしょうね。
      2024/04/20
  • 本名エルキュール・ポアロ。イギリスの私立探偵。元ベルギー警察の捜査員。卵形の顔とぴんとたった口髭が特徴の小柄なベルギー人で、「灰色の脳細胞
    」を駆使し、難事件に挑む。

    読んだことは無くても名前だけは昔から知っている超有名な、名探偵ポアロ。
    いきなりシリーズ第3弾からの読み始め。
    さすが有名探偵だけあって、以前から知ってる探偵のようにすらすら物語に入れた。

    「エルキュール・ポアロに隠し事をするのは、たやすいことではありません。探りだすコツを身につけてますからね」
    「探偵は誰とも知り合いではないし、誰にも特別な感情を抱いていないーー彼にとっては、全員が見知らぬ人間であり、ひとしく疑わしいのです」

    一見、飄々としていて掴みどころがない。一旦話し出すと紳士的で人当たりも良く、誰にでも親しみやすい印象を持たせるポアロ。
    けれど一方で抜け目なく周囲を観察していて、突拍子もなく思える行動一つ一つにちゃんとした意味がある。
    ポアロの言動に読んでいるこちらも翻弄され、次から次へと謎が謎を呼び、物語に惹き込まれほぼ一気読み。

    村の名士アクロイドを殺害した犯人は誰なのか?
    ポアロと村の医師シェパードが事件の真相に迫る物語。
    関係者全員に疑いをかけながら、ラストに向けて真相へ導く流れが見事だった。

    大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の最終話について、脚本家の三谷幸喜氏がアガサ・クリスティーの作品を参考にした、とありクリスティーファンが予想をたてた一作品が今作だった、ということで読了。
    しかし…これがあのドラマに結びつくだろうか。。
    ちょっと前に読了した『そして誰もいなくなった』の方が近いのかな〜。

  • アガサさん、そして誰もいなくなった、オリエント急行からの三作目。なるほど〜!現在だと見かける手法だが、先駆けなのだろう。中盤で犯人ちょっと怪しんで当たってて一人でテンション上がる(^^)v嬉しいんだこれが。だからミステリーやめられない。フェアかアンフェアか議論になったらしいが、フェアでしょう!
    最後は、えっ…ってなった。日本の探偵ものだと探偵が阻止しそうな結末。

  • 地主アクロイドの死をめぐり、名探偵ポアロが真相を暴く。語り手がなぜ彼なのか、、と終始疑問に思いながら読み進めていたが、そういうことだったのか。解説を読んではじめて、この小説の精巧な作りがわかった。ただ、犯人は薄々気づいていたので、そこまで驚きはなかったなぁ。

  • 考えてみたら書籍では、人生初のアガサクリスティ。

    (『恐るべき太陽』の為に、このレビューをネタバレ扱いとする)


    何故本書を読んだかというと、『恐るべき太陽』(ミシェル・ビュッシ著)を読む前に本書『アクロイド殺し』と『そして誰もいなくなった』を読んでおいた方がいいという情報をブクログレビューで目にしたからだったはず。

    「はず」というのは、今、本書読了後に『恐るべき太陽』のレビューで私がいいね!を既に押させてもらっているレビューを改めて拝見したところ、『そして誰もいなくなった』の文字は有るが『アクロイド殺し』の文字は無かったからだ。

    あれ?
    『恐るべき太陽』を読む前に『アクロイド殺し』と『そして誰もいなくなった』を読んでおいた方がいいという情報を、一体私はどこから拾ってきたのだろうか…

    ブクログからAmazonに飛んでレビューを見たら、そこにあった。
    ただし、『アクロイド殺し』と『そして誰もいなくなった』を事前に読めということではなく、『恐るべき太陽』の文中にかなりこの2作のネタバレっぽいことが書いてあるのはいかがなものか?というようなことであった。
    私がそれを拝見して、「だったら先にこの2作を読んでおかなくちゃ」と勝手に判断したのだ。
    そのレビューを書いた方にも申し訳ない。
    自分の解釈も記憶力もヤバい。

    まあ、いいや。
    とにかく本書を読み終わった。
    新訳のお陰か、約100年前の作品とは思えないくらい、すんなり普通に読めた。
    (よっぽど『点と線』や『ゼロの焦点』の方が舞台が現代と違い過ぎて、頭がついていけなかった。
    松本清張氏のせいではなく、時代の古さのせいで)
    本書はその昭和30年代よりもずっと昔に書かれたにもかかわらず、あまり近代文明の発達とは関係のない舞台で話がちまちま進んでいるからすんなり読めたのだと思う。

    初アガサクリスティだが、早い段階で犯人はこの人だろうと思い、その観点からずっとポワロの言動を読んでいた。
    正解だったのだが、巻末の解説を読んでみて思ったのは、いくらアガサクリスティは初読みだと言っても、おそらくこの100年の間にバンバン出版されてきた推理小説の多くに似たような手法が踏襲されていて、私も知らず知らずその形式の推理小説を沢山読んできて単に耐性ができでいたからに過ぎないということだ。
    だから全く「ずるい」とは思わなかった。
    当時は賛否両論で大騒ぎだったらしいが、この100年の間に間接的に浸透し、受け入れられてきたのだから、恐るべしアガサクリスティ『アクロイド殺し』

    全く怪しくないキャロラインという登場人物。
    噂好き、詮索好き、度を越した知りたがり。
    キャロラインの友達も、村全体もそんな感じ。
    こういうキャロラインみたいな人を私は大嫌いなのだが、でも、このキャロライン、たぶん優しい人ではある。
    (色々と真髄に迫ってもいるが、一番の真相にだけは到達できておらず、哀れであり、可哀想である)

    さて、どうやら間違って借りてしまった『アクロイド殺し』ではあったのだが、面白かったので良し。

    そして『恐るべき太陽』は図書館に早くから予約を入れていたので、図書館新規購入の1番で借りることができて、今もう手元にある。
    そして肝心の『そして誰もいなくなった』(児童書)は予約を入れて待っているところだが、貸出中でまだまわってきていない。

    この状態で『恐るべき太陽』へ。
    読みにくいとおっしゃっているレビューも見受けられるので、なんとなく私にとっても苦手かもしれない…

  • アガサクリスティーのアクロイド殺しは、1926年に発表されたらしい。今からおよそ100年前の昭和元年頃ということになる。古さは感じず、新鮮な気持ちで読むことができました。この結末は当時かなりセンセーショナルだったのではないか。

    最近では、アンソニー・ホロヴィッツをよく読んでいたこともあり、ストーリーやトリックなどそこかしこにオマージュがあって、確かに彼がアガサクリスティーをリスペクトしてることがよく分かった気がする。

    主人公?の医師の姉キャロラインが面白い。
    さて、次は何にしようか。

  • 作家の代表作と言われるこの作品は、はじめから直感的に犯人が分かりました。なので評価は4にさせていただきました。次回に期待します。

  • 昔読んだことがある、のにスッカリ展開を忘れていて、再び新鮮に騙されました。忘れっぽい記憶力に乾杯。

    「振り返って、やり残したことがないだろうかと考えた」
    この一文にひっかかりを覚える読者がどれだけいるのでしょうか?大胆な仕組みかつ巧妙な文章……まったく、素晴らしいという他ありません。
    それにしても、今作の犯人のなんて自信家で図太いことでしょう!
    確実に真実に迫ってくるポアロの側にいながら、じっと逃げずに描写し続けたのだから大したものです。
    何はともあれ、未読の方にはあれこれ検索する前にぜひ、本書をお手にとっていただくことをおすすめしたいですね。

  • The Murder of Roger Ackroyd(1926年、英)。
    ポアロ・シリーズ。アクロバティックなトリックが有名な作品で、この作品によってクリスティは推理作家としての地位を確立したと言われる。

    医師のシェパードは、村の名士アクロイド氏から相談を持ちかけられた。今朝シェパードが死亡診断した女性の本当の死因について話したい事があると言う。しかし、全てを語り終える前にアクロイドは何者かに刺殺されてしまう。そんな折、シェパードの隣に越してきた人物が探偵ポアロであることが判明し…。

    発表当時は、このトリックのフェアネスについて物議が醸されたらしい。否定的な見解もあったようだが、現在では叙述トリックの名作として認められている。いずれにせよ少なくとも小細工ではない(小細工というには、あまりに大仕掛けなので)。

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