十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (501ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150701543

作品紹介・あらすじ

知人の懇願を受けてライツヴィルへと赴いた名探偵エラリイは、奇怪な脅迫事件に巻き込まれ……。本格推理小説の極北、新訳決定版

感想・レビュー・書評

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  • 皆さんのレビューから読みたくて。クィーンはアンソロジーの短編少しと『ギリシア棺の謎』を昔読んだだけなのにいきなり後期の本作を読むのはどうかと思ったがとても面白かった!巻き込まれる疾走感とラストが忘れ難い。新訳なのも読みやすかった。

  • 推理小説における探偵の意味というのを考えてしまった。

    謎を解きました。めでたし、めでたしにはならない事をこう描くのか。

    若い頃じゃなくて、今、出会えた方がよかったのね。

    クイーン、こわい(~_~;)

  • ライツヴィルでの事件を扱うエラリー・クイーン。三作目。
    大富豪とその若い妻、そして義理の息子、三人に瑣末な事柄までを解決して欲しいという探偵。読む側にしてみればそんな事まで引き受けて!と怒りたくなる。我らがクイーンが、なんと宝石泥棒の謗りも受け…
    でも、殺人事件にまで事態は悪化して、まさかの『十戒』にまでその構想は至る。
    クイーンの推理が冴え、謎が解き解され…

    そして一年後、クイーンは再びライツヴィルを訪れ、自分の推理が操られていた事を真犯人に糾弾する。
    結末、納得いかないけれど美学なのか。

    読んでいる最中はその推理力を堪能したけれど、そしてその中心人物の懐の深さ、寛大さに感動もしたけれどなんとなんと!
    事件の奥深さに驚くばかり。これが1959年、本邦初翻訳だなんて60年以上前のミステリーの質の高さに驚き。

  • 記憶喪失に陥り、その間何をしているのかに不安を抱えるエラリイの友人・ハワード。彼の悩みを解決すべく再びライツヴィルを訪れたエラリイが巻き込まれたのは、ハワードの抱える秘密にかかわる謎の脅迫事件。とことん振り回されるエラリイがなんだか気の毒になってくる作品でした(苦笑)。
    さまざまな秘密と謀略、不穏な気配は随所に漂っているし、物語としては惹きつけられますが。あまり大きな事件は起こらないのだろうか……と思っていたら、なんと八日目にしてとんでもない急展開が! これ以降については……語れません。読んでのお楽しみです。
    ある意味これはもっとも恐ろしい事件かもしれません。そしてこんな目に遭わされてしまったエラリイがやはり気の毒、と思いきや。やはりそのままで済ませることはなかったか! このラストは邪悪と言えば邪悪ですが。これが最善の結末だった気がします。

  • 探偵が調査のつもりが巻き込まれて振り回されていく様子が面白い。事件が解決してからの展開にびっくりした。

  • 『災厄の町』『フォックス家』と世間的には成功とは言えなくとも、関係者を満足させて一応の平和をもたらしてきたライツヴィルを三度目訪れたエラリイと、彼を迎える表面的には豊かな一家。
    この結末はつらい。

    ライツヴィルといえば田舎特有というか、ねっとりした人間関係、ガサツでいやらしい群衆たちというイメージだけど、これまでの二冊に出てきた不快な人々の中でもダントツ不快な二人!と起こりながら読んでた(笑)

    でも最後は辛い。なんともいえない。なるほど、これがエラリイのトラウマになるわけだ…。

  • 「自分はたびたび記憶喪失になる。その間、自分が何をやっているのか見届けて欲しい」と古い知人であるハワードに頼まれたエラリイは、三度ライツヴィルへと赴くこととなる。
    大富豪の父親のディードリッチ、若く魅力的な継母サリー、仲の悪い叔父ウルファート――そこでエラリイはとある秘密を知らされ脅迫事件に巻き込まれるが――

    一言で言うと、とてもドラマチック。これはクイーンの作品の中でも上位に食い込むのが納得の面白さ。
    冒頭の登場人物一覧を見ると分かりますが、登場人物はアレだけしか提示されないけれど、そこで繰り広げられる物語がお見事でした。
    ライツヴィルもの3作目ですが、このラストの締め方のビターな感じも併せて良い。

  • 後期クイーン問題の発端となった作品。後期クイーン問題の概要は知っていたが、この作品を読むと議論が起きるのはわかる気がする。個人的には、現代では捜査機関の介入は原則的にあるし、それを意識した犯罪者が出てくるのは当然なので違和感はないと思う。ファンや評論家はこの作品を絶賛しているが、物語としては正直楽しめるものではなかった。しかし、ミステリをひとつの学問としてとらえるのであれば、必ず言及される必要がある作品だと思う。

  • それをエラリーにやらせるのかあ。

  • 「後期クイーン的問題」と扱われる作品。
    エラリイ・クイーンのひとりフレデリック・ダネイが「探偵小説と小説中の探偵を摘発する部分を持っている」とするエラリイ最後の事件。
     まるで自身の作風を否定するかのような作品だけど、パズルの限界を感じていたのかなぁ。もっと突き詰めるのは難しかったのでしょうね。

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