人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 早川書房 (2017年11月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150505110
作品紹介・あらすじ
感染症が激減した一方で「現代病」が増加しているのはなぜか? 人類の進化の歴史をたどりながら現代人の抱える問題を明らかにする
感想・レビュー・書評
-
・人間の身体の進化の物語であり、人は何に適応しているのかを問う
・その問いに対して明快で単一な答えは見いだせないことが人体の神秘的な結論
・人類の身体は現代の食事や運動不足にうまく対応できるように適応できていない
・これまでの人類の生物学的進化に対して、文化的進化により私たちの身体は現代の環境に適応できず、ミスマッチとなる病気が起きる
・「食べたものが人をつくる」というが、進化の論理では、場合によっては「普通なら食べないものが人をつくる」
・チンパンジーは果実中心の食生活だが、アウストラロピテクスは果実の依存をなくし、土を掘って茎を摂取するなど食生活を多様化にした
・なぜ人類は他の動物よりも脳が大きく進化したか? 大きな脳にはそれだけ多くのエネルギーが必要となるが、人類は狩猟採取により多くのエネルギーを獲得できたことでコストを補うことができた
・遺伝的には常に自然選択により進化してきたが、加速度的に進化した文化的進化が遺伝的に適応できていないために現代のミスマッチ病(糖尿病やがん、うつ病などの現代病)がおきた
・ミスマッチ病を予防するには、昔ながらの食事や運動をし、タバコや炭酸飲料、ジャンクフードをやめること詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
医学部分館2階書架:469.2/LIE/1:https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410163248
-
人体の変遷が生物学的進化と文化的進化を明確に分けて記載されているため、非常に興味深く面白かったです。和訳自体も非常に読みやすく、意外とサクッと読めました。上巻では原始人から狩猟採集民の進化の過程を描いている。特に面白かったのは、なぜネアンデルタール人と現世人類とに差が出たのか。下巻も見ようと思います。
-
「人類600万年史」だと思い込んで読んでいたのだが、「人体600万年史」であった。人類とチンパンジーの分岐点(ミッシングリンク)が600万年前だというので、全く疑問を持たずに読み進めてきたが、途中からやけに「ミスマッチ病」という言葉が多くなり、読み終えてから題名が「人体」であることに気付いた
-
歴史的な経緯がわかってよかったです。
-
ホモ・サピエンスたった1種類だけ、なぜ生き残ったのか?
-
人間の進化の過程から医学について考えていく話
面白かったけど、進化学の性質上か憶測で話が進む部分が多いように感じた
下巻は気が向いたら読む -
科学道100冊 2020 「驚異のカラダ」
【所在】3F開架
【請求記号】469.2||LI||1, 469.2||LI||2
【OPACへのリンク】
上
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/452186
下
https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/452187 -
LD1a