錬金術師の消失 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
4.08
  • (16)
  • (20)
  • (12)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 213
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150314637

作品紹介・あらすじ

錬金術の聖地「水銀塔」の調査に赴いたテレサとエミリア。だが突然の嵐で塔は孤絶、来訪者たちが次々と首無し死体で発見され……

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  今回の舞台は水銀でできた塔。そこでの密室殺人。
     異端狩りを追うテレサとエミリオ。
     敵国の錬金術師ニコル。
     どうやって密室で殺人を起こすことができたのか?
     遺体から首が切り取られていた意味は?

     ある意味凄い設定の嵐の山荘でしたぁ。

     面白かったなぁ。続きが楽しみ♪

  • 水銀の塔の用途が、最初から書かれていた「目」だった、ていうのがとてもよかった。
    そして最後…ずいぶんSFな展開…
    これ続くんですよね??
    この世界観の中でふつうに(?)密室殺人の謎解きしてるのかなり好きなので続いてほしい。

    キャラ造形も前作よりはっきりしてきてよかった。エミリアの外見描写がないので、勝手に黒髪メガネを想像して読んでる。表紙イラスト見たら全然違うし、テレサが黒髪だから、同じ黒髪ではないだろうけど。

  • 2022/11/27 読了。

    図書館から。
    2作目!

    水銀塔で起こる、首消失の殺人事件。
    新しい錬金術師も登場しつつ、
    先生とエミリアの仲も変化しつつ、
    過去への手がかりが見つかるも…。
    まだ続くかな。

  • 前作とはまた雰囲気が違い初めは戸惑ったが、
    後半の畳み掛けるような謎解きはおもしろかった!
    シリーズ物として次回作も楽しみ。

  • シリーズ2作目
    錬金術が存在する世界観でのミステリ

    前作同様に、事前に錬金術でできることやその他の条件など提示されているので、特殊設定ミステリとしてフェアだと思う

    今回はクローズドサークルの館もの(塔だけど)

    「神の子」が建造し「始まりの錬金術師」が住み着いたとされる、表面が液体水銀で覆われた奇跡の塔「水銀塔」
    第五神秘の解明に繋がる資料があるとの情報を受けて派遣されたテレサとエミリア
    そして、教会関係者、聖騎士、帝国の錬金術師、巡礼者との邂逅
    セフィラ教会の聖地で王国と帝国の間を流る川の中州に建つため、嵐による川の増水で陸の「孤塔」となった水銀塔で起こる、連続首なし死体事件
    犯人の動機、目的、方法、そして塔の存在意義とは?


    塔の仕組みや仕掛けとその目的の前フリなど、最後まで読めばちゃんと事前に説明されていたのがわかる

    「回転する床」は「森博嗣のアレっぽいなー」と思ってたけど
    事件そのものではなく、枠外の謎が後々明かされるという物語の構造がより森博嗣っぽく感じた

    塔の仕掛けが事件に関係してるのは予想がつくけど、塔が「何のために作られたのか?」という目的の実態と新たな発見と謎という終盤の展開に驚かされる
    続編が物凄く待ち遠しい存在になってしまったじゃないか



    錬金術に関しては、相変わらず史実の人物名が登場する
    ヘルメス・トリスメギストス、アルベルトゥス・マグヌス、ニコラ・フラメルとかね あと、ゾシモスもそう
    ニコラス・フラメルはハリーポッターでも名前が出てきてたし、賢者の石といえばこの人という世界的な認知は得られているのではなかろうか?

    作中で錬金術師とされている人は史実でも同じ名前の人がいるけど、フェルディナンドに関係する錬金術師って思い当たらないなぁ
    私はメジャーな人たちしか知らないので何とも言えないけど、もしかしてフェルディナンドも本当の錬金術師じゃなかったりするんだろうか?
    森博嗣の真賀田さんみたいに続編で再登場しそうな気がするんだよなぁ

  • 前作も好きだったので続編も読んでみることに。
    キャラクター小説としても楽しめ、ミステリの要素もたっぷりつめられていたので大満足。特に水銀の塔にまつわる謎が面白かった。次作からはもっとSF色が濃くなるのか? 期待して待ちたい。

  • カタカナの名前は覚えにくいのでメモを取りながら読んだが、ニコラ・フラメルとテレサ・パラケルススの推理合戦が火花を散らす展開で、448ページだったが3日ほどで読破できた.錬金術師と変成術師の葛藤、舞台となった水銀塔の管理者たち、教会関係の聖騎士たち、更には巡礼者たちが入り乱れたなかで、首なし死体が3つも発生し、ニコラとテレサが中心になって調査する.当初はニコラが優勢で、水銀塔の管理者に疑いを抱いたが、テレサの相棒エミリアの活躍やエミリアの古い友人の支援で真犯人を突き止める.最後に出てきたエミリアとシャルロッテのエピソードにはほっとする感覚が得られて良かった.それにしても、このような奇想天外な物語を創造する作者は素晴らしいと感じた.

  • 今回もまたまた殺人事件勃発。
    舞台はド定番の陸の孤島。
    そして、ニコラ・フラメルという超有名な名前のキャラ来た!
    この人が今まで出てきた錬金術師で一番人徳あってまともだった(笑)

    シャルロッテとは初対面なのになんか違和感あるな、あのスパイ容疑で消えてしまったアナスタシアかな?と思ってたら、予想的中した(笑)
    あれだけ知ってるような匂わせされたら、まあ察するよね。
    それにしても、エミリアが鈍い(笑)
    シャルロッテはエミリアのことが好きなの分かるじゃん!?って、すっごい焦れ焦れになる。
    すっごいエミテレのターンで、シャルロッテがなかなか劣勢だった。
    まあ、最後の最後でやってくれたんだけどね。
    エミリアのほっぺにチュー!
    からのエミリアを通してテレサに宣戦布告。
    エミリアからすれば、告白のようなものだけど、朴念仁すぎるからわかったのかどうか怪しい笑
    そんなシャルロッテは、一体過去に何があったんだろ?
    ニコラに心酔してる感あるけど、どう出逢ったのか気になる。

    シャルロッテにはごめんだけど、今回めちゃくちゃエミテレで私的にはもうニコニコしちゃったよ。
    P.278-279は、テレサのことが大事で支えるのは自分!て感じが全開だったエミリアにニヤニヤしちゃった。
    テレサが消えてしまったところでは、絶対生きてると信じて探すエミリアにしんどさ極まった…!(というより、エミテレ極まってた)
    信じてるというよりは、そう思いたくて意地になってた、が正しいのか。それとも願望と言うべきか。
    からの、テレサが無事見つかり救出してからが本番。
    スーパーエミテレターンの始まりだったよ。
    特に、P.351-354がめちゃくちゃエミテレのターンで、切なく堪らない。
    お互い大事に想ってて、大切な相棒感が尊い…!
    ジェーンもといレイラが来なければ、エミリアは自分でも何をしていたか分からないって思ってたところで、もうねエミテレ優勝!
    あのまま押し倒してしまえば良かったのにエミリア(笑)
    まあ、そこはね、エミリアだからね。ならんよな。
    P.363のエミリアがテレサに一緒にいたいんですって言ったところでニヤニヤが止まらなかった~!
    ここまでいい感じにエミテレの距離縮まってきていた集大成だったわ。

    今回ついに黒幕に近づいた!
    ソフィアの世話焼いてたアルフレッドだとはちょっと予想外だった。
    し、ソフィアを洗脳して操ってたの怖すぎた。
    ソフィアかわいそうすぎるし、エリザ含め犠牲者が不憫すぎた。
    アルフレッドが、錬金術師は神的な力などではないみたいなこと言ってたけど、一体錬金術師とは何なの?
    星だと思われてたニビルが人工物かつ船のようなもの、て結構衝撃的事実も発覚したし。
    このことで、確かにアルフレッドの言うことにちょっと説得力は出た。
    打ち上げたものなのか、はたまた宇宙へ進出している錬金術師的な存在がいるのかが気になるよな。
    ゾシモス一派は次に何か大きく動きそう。
    今回、エミリアとテレサのことわざと見逃したけど、多分何らかの目的のためだよな。
    何か実験台とか人柱的なもんにするのかな?
    あと、ローゼンクロイツ家の裏切り者は誰なんだ?
    エミリアの兄弟とかだったら、ドロドロしそう。
    いつから異端狩りに協力してたんだろう?

    エミリア達がフラメルたちとの勝負に勝てて良かった…!
    テレサの巧みな話術で、シャルロッテも王国側に来ずフラメルの元に居続けることに。良かった。
    エミリアとテレサが、フラメル達との勝負について、お互いが相手にとって良い結果になるよう考えてたことにニヤニヤしてしまった!エミテレ堪らん!

  • 錬金術×ミステリーのシリーズ第2弾。
    今作もミステリーとして、そして、錬金術ファンタジーとしても面白かった。

    首無し死体の連続殺人犯、ニコラ・フラメルの説に納得していたのですが、テレサが暴いた真犯人はまさかの人物。すっかり著者にやられました!

    天に輝く一番星《ニビル》も、まさかでしたね。これからのストーリー展開が楽しみです。

    今回、登場したバアル帝国のニコラ・フラメルとシャルロッテ・アイゼナッハの2人組もいい味だしてるので、レギュラー出演してほしいです。

  • 前作の「錬金術師の密室」の興奮も醒めやらぬ中、つい最近続編が出たと知り、速攻で書店で買ってきたものです。
    本作の舞台は、世界で唯一の現存する神秘であり、《神の子》が建造し、《始まりの錬金術師》が住み着いたと言われる聖地で、表面が液体水銀で覆われた奇跡の塔《水銀塔》。
    そして「共犯」コンビのテレサとエミリアが挑むのは、そこで起きた連続殺人事件の謎です。
    いわゆる館〜クローズド・サークル〜もので、巻頭の水銀塔見取り図を見た時からワクワクしてしまいました。
    錬金術師ニコラ・フラメルやエミリアの学友シャルロッテなど新キャラも登場。
    事件の影に彼ら二人の過去へとつながる因縁が垣間見え、物語世界の根幹を揺るがすような事実が明かされたところでジ・エンドという悶絶もののラスト❗️
    この続きを読むまではコロナに負けてなどいられません。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

【紺野天龍(こんの・てんりゅう)】
第23回電撃小説大賞に応募した「ウィアドの戦術師」を改題した『ゼロの戦術師』で2018年にデビュー。他の著作に新機軸特殊設定ミステリとして話題となった『錬金術師の密室』『錬金術師の消失』、『シンデレラ城の殺人』などがある。新時代本格ミステリの書き手として期待される新鋭。
本書は、2012年にメフィスト賞座談会に掲載された『朝凪水素最後の事件』、第29回鮎川哲也賞最終候補となった同名作品をプロトタイプに全面的に改稿した作品。

「2022年 『神薙虚無最後の事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

紺野天龍の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
劉 慈欣
米澤 穂信
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×