星系出雲の兵站 1 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 275
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150313401

作品紹介・あらすじ

人類の播種船により植民された五星系文明。その主星である出雲は、人類外の無人衛星が発見された壱岐星系への介入を決定するが。

感想・レビュー・書評

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  • #日本SFSF読者クラブ はるか未来に播種船(シドニアかな)によって植民された五つの星系。そこで人類のものではない人工衛星が発見される。もしや異星人=侵略者では。
     ミリタリーSFなのだが、「兵站」に焦点を当てている。たぶんにポリティカルSFの要素もある。一癖も二癖もある登場人物多し。まあ「大河ドラマ」だね。戦闘シーンばかりだと疲れので、これは読みやすくてよい。近々完結編がでるらしい。

     評価ですが、巻の途中で○○○○の正体(?)は××だということは予想ができたので、星一つ減らします

  • 兵站ですよ兵站。
    旧日本軍が軽視し、石油を求めて戦線を拡大せざる得なかった兵站ですよ。

    自由惑星同盟が、一部の主戦楽観論に押され、銀河帝国領内奥深くまで進んでしまい、飢えることになった兵站ですよ。

    「英雄の誕生とは兵站の失敗に過ぎない」とは!
    さて宇宙人の正体は如何に。

  • タイトルからして玄人好み『兵站』ですよ『兵站』
    ファーストコンタクトに植民星系間の抗争?をからめた重厚なミリタリーSF 
    さすが、林譲治です。 
    はたして、未知の異星人はどのようなものなのか? まさかスタトレのボーグ的なもの?
    いろいろ想像をかき立てられます。 

    「英雄の誕生とは、兵站の失敗に過ぎない」

  • なかなかの異星人侵略もの。一気読み。まだ、侵略者の正体は、謎だらけ。2巻が楽しみ。

  • 兵站で勝つというよりは、「兵站を確保して、それを活用するのは大変なんだよ」という話。制式装備がいくつあって、その中の必要な物を必要な時に必要な量だけ届けるというのがいかに難しいか。数が揃うのを待っていたら勝機を逸してしまうし、見切り発車すると現地部隊の英雄的な活躍に頼らなければならない。工業的な問題だけでなく、他星系の工場を効率的に動かすのに武力による威嚇が必要だったり、有効な装備があってもそれを使える法的根拠が無かったりして、兵站というのは範囲の広い概念だなあと。

    小説としては、前半の調査・政治的な話は読み進めるのに何度も中断するほどの平坦さだけど、後半の戦闘シーンは五里霧中で想定外がたくさん起こるので読みやすい。ただ話の主役は前半なんだよなあ。

  • 敵であるガイナスが人類のクローン兵士であることは、予想できた。この巻ではあまり、兵站が主役とならなかった。今後の展開に期待。

  • ずっと気になっていたシリーズものをついに手に取る。三体とかヘイルメアリーとかに比べると、文章や登場人物の設定が幼稚というか、映画というよりもアニメ化が合う印象。まぁヤングアダルト分野なので、当然かもしれませんが。
    と、細かな点で没入感を削ぐ点は否めませんが、ストーリーの骨格自体は骨太で先を読ませる力は十分にありました。

  • ミリタリーハードSF、バリバリのSFが読みたくなって、話題のこの本を読んだ。

    設定された世界に戸惑い(星系の名前は日本なのに、惑星?、星系?)
    登場人物の見分けが難しいながら、ファーストコンタクものとしては、謎が多く続きが気になる。

  • まだ一巻め。ゆえにか、タイトルにある「兵站」への言及はたびたびあるものの、主題とよべるほどには出てこない。
    地球での歴史や文化が伝説となってしまうほどに時を経た未来が舞台であるので、人種とか言語や文化も混ぜこぜになっているだろうと思うのだが、日本人的氏名ばかりなのは、人類はいったいどんな歴史を辿ってきたのだろうと思ってしまうのは否めない。まぁ、日本人が日本語で読むので、漢字の名前のほうがキャラクターを区別しやすくて読みやすいので問題はないしむしろ助かるのだが。アラブ・イスラム圏とか、インド・中国、あのあたりの文化はどうなったのか?国家の概念は失われたようだが、日系のみ生き残ったんだろか。あるいは別の播種船に乗った別の文化の人類が敵の正体だったりして?

    じわじわと、得体の知れないエイリアンと戦う羽目になっていき、相手の正体もじわじわベールを剥がされてゆく感じはおもしろい。

    敵のエイリアンが「秒」の単位を使って推測していると予想する描写があったが、秒はSI単位系だしエイリアンが使う単位系は違うべ?と、そこは気になった。

    あと、「英雄の誕生とは、兵站の失敗に過ぎない」って言葉は、腑に落ちてない。ハンニバルは例外だろうか。三国志に出てくる英雄たちは、記録にこそ残っていないが、あのでっかい中華世界において、兵站に支えられてこそ英雄になれたのでは。星間戦争なら尚更、兵站に失敗したら英雄どころか戦争にならず一方的にやられて死ぬのでは…?

  • 面白い。
    ただ、緻密に論理的に破綻がないように話を作り上げているからだと思うけれども、出てくる単語や機械などのイメージが作者と共有できていないと読みながら感じる。多分1番楽しめるのは作者なんだろうなと感じさせてくれる作品だと思う。(褒めてる)このような作品は映像やコミック化して作者のイメージをわかりやすくした方が楽しめるのかもしれない。
    ただ、そうすると細かな設定や自分で想像して楽しむ余地が減るので本でいいのかもしれない。
    兵站の重要性がまだ出ていていないので、この小説の面白さは今からなのだと思う。続きが楽しみだ。

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著者プロフィール

林 譲治(はやし・じょうじ)
1962年、北海道生まれ。ナイキミサイル基地訴訟で揺れ、千歳基地が隣接するという環境で育ったため、
幼い頃より軍事や防衛問題に関心を抱く。戦略シミュレーションの原案などで活躍後、作家デビュー。
確かな歴史観に裏打ちされた作品で人気を集める。
著書は『戦艦大和航空隊』『異邦戦艦、鋼鉄の凱歌』『新生八八機動部隊』(以上小社刊)、
『帝国電撃航空隊』『超武装戦闘機隊』(電波社)、『星系出雲の兵站』(早川書房)など多数。

「2020年 『技術要塞戦艦大和 (3) 珊瑚海海戦!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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