- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150313098
作品紹介・あらすじ
『老ヴォールの惑星』『フリーランチの時代』『青い星まで飛んでいけ』に続く第4短篇集。
感想・レビュー・書評
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読書会で勧めていただいた一冊。
バイクとオペレータとのお話 ろーどそうるず
西洋と東洋があべこべのやつ ゴールデンブレッド
醜い数学が得意な王様のお話 アリスマ王の愛した魔物
ちいさな宇宙の港町 星のみなとのオペレーター
じいちゃんの形見の車と美人ロボット リグ・ライト
全部よかった。評判とおりのろーどそうるずもよかったですが星のみなとのオペレーターが可愛くて。AIが好きになるお話たちでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おすすめしてもらった、ろーどそうるずも良し。
一番は、最後の短編かな。
権利とか、資格とか決めてるのは人間で、
時が経つにつれて捉え方も変化して
だから何だって自分次第なのよきっと(飛躍?) -
SF短編集
SFとしては他のが面白いんだろうけど個人的には1作目が良かった
最後のと比較するとアイデアは最後が優れてそうだけど、それだけじゃなくて登場するキャラクターに共感できるかが大事な気がする
ファンタジーもそうだけどSFも世界観やアイデアとキャラクターがマッチすると爽快と言って良いような感覚になる -
星雲賞受賞の表題作『アリスマ王のー』ほか、全5篇収録の短編集。
『アリスマ王』は、何もかもを数字で予測しコントロールしようという装置"算廠"が不気味。
はじめ、アリスマ王子は数字に取り憑かれた、「ただの天才」だった。ほかに理解者がいないとあきらめた時に魔物が現れ、王子が狂気の力をふるいはじめるくだり、今まさに私たちの日々もデータとして集められ続けている不気味さに通じるようで。
個人的には、『ゴールデンブレッド』や、『星のみなとのオペレーター』『ろーどそうるず』の方が好み。
異文化間であったり、AIと人間であったりしても、きっと理解しあえる、信頼しあえる…というSFらしい愛と希望と夢がいい。 -
29:収録作のうち「ろーどそうるず」「アリスマ王の愛した魔物」「星のみなとのオペレーター」は既読だったけど、新鮮な気持ちで読めた。「星の〜」は自作「宙の渚のローレライ」の元ネタでもあり、ライトでポップなSFに憧れて書いたものなので、文庫になって嬉しい。
書き下ろしの「リグ・ライト」が壮絶かつ力作かつ問題作で、「未知のもの・わからないもの」に対する近寄り難さ、きもちわるさ、得体の知れなさがひしひし感じられた。人に似たボディを持つAI、そうでないAI、両者ともに人間にとっては「考え方がわからない」ブラックボックスと化してゆく薄ら寒さと、それを超えてAIが一歩を踏み出す結末が「エクス・マキナ」を思い出させて、語彙が吹っ飛んだ。プロって凄い。
これまで、小川作品の導入として「老ヴォールの惑星」を挙げていたけど、それに代わる代表作になりそう。 -
久しぶりの小川一水。
表題作が読みたくて買ったのだが、他の短編も面白かった。正直、熱心な読者ではなかったのだが、たまに読んでみるといいなぁ。 -
SF短編集。人間くさいAIの話がおもしろい。
■ろーどそうるず
バイクの制御AIと指令センターとのやりとり。ライダーや所有者ののとをあれこれ言う様子がおもしろい。AIの一生みたいな話でちょっとほっこり。
■星のみなとのオペレーター
宇宙港に出入りする船を管制するオペレーターの話。ラブコメっぽい。宇宙ウニってなんだ?
■リグ・ライト
自動運転AIの話。責任を負わないはずのAIが運転手をかばうために責任を負おうとするのか?AIに罰則を課したらAIの判断ロジックが変わるのか?いろんな想像をさせる。
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小川一水さんこんなのも書けるんだ、イヤ書けるだろうけども。
素晴らしいです、最後のAIのやつ。
車か、そうきたかって。
いろんな意味でもこれまでのくびきから解放されてる世界かー。来るかなー。来るかなー。バイクとかもっと愛着湧くんじゃない。 -
「ろーどそうるず」はバイク搭載の制御AI視点の話。直接運転はできないので状況を淡々を中央のAIに報告するだけなのですが、搭乗者を思う気持ちに泣かされます。「リグ・ライト」もAIによる自動運転時の責任の所在がこれからどうなっていくのか、現実でも気になるところです。