トッカンvs勤労商工会 (ハヤカワ文庫 JA タ 11-2)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 908
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310974

作品紹介・あらすじ

京橋中央税務署を揺るがす大事件が発生した。あの、悪質な滞納者から隠し財産を差し押さえまくり"京橋中央署の死に神"と恐れられる、特別国税徴収官(略してトッカン)の鏡が訴えられるかもしれない。しかも背後には、税務署の天敵・勤労商工会のお抱え弁護士がついていた。鬼上司のピンチにぐー子(トッカン付き徴収官)が立ち上がる!面白くって、ためになる、大好評の税務署エンターテインメントシリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目はライバル登場。主人公チームにも助っ人が参戦で場外乱闘の盛り上がりを見せる。ややエンタメ盛りすぎでないかと距離をおいて読んだ。

    ニュースで増税メガネとか揶揄されてるけど、税金といえばみんなの敵!みたいな論調にはふと頷きたい時もある。センセたちが正しく再分配できていないことの裏返しだ。ただ標的となってしまうのがドサ回りの役人なのは、NHK集金と同じで非生産的だよな、と金集めの仕事の大変さを思い知った。

    そんな中、1作目でも感じたオトナの女子力、いや社会人女性そのものへのこだわりに自然と目がいく。

    ── 女子ならば誰もが意識しているスキマ産業。私たちがスキマ探しに奔走するのは仕方がない。だって、この社会はもともと男が作ったものだ。私たちはスキマから入っていくしかない。私も欲しい、欲しいよ私だけのオンリースキーマ!

    うん?スキマ産業をググってみた。大してヒットしない。色々リサーチ中にそれっぽい電子書籍を危うくポチりそうになる。ひとまずこういう表現があるのは分かった。そうね、社会のスキマ、フィットできる場所。そういうところ私も欲しいよ。私はオンリーでなくて良いけど。
    あ、だからここはオンリーかどうかが大切なのか?

    さすがスキマの小さい男は気づくのも遅い。
    やたら美男美女が出てくるのも、なぜか卑屈なスタンスで読むことにつながっている。
    ぐぐぐ、がんばれグー子。(主人公)
    私もやっぱりオンリースキーマが欲しいよ!!(えっ

  • '22年10月10日、Amazon audibleで、聴き終えました。高殿円さん、2作目。

    一作目と比べても、全く遜色無く、楽しめました。面白かったです。

    各キャラクターもコナレて?きて、皆、大好きです。でも、…新キャラの「チワワ弁護士」だけは、かなり気持ち悪かったಥ⁠‿⁠ಥ自分の主義主張を語る場面が、「オエッ」っときました。実際にいたら、かなりおかしい人物だな、と…。

    「グー子」と「ハスキー犬」のセリフのやり取りが、一作目と比べて、かなり少なくなっていて…そこも僕にはイマイチな点です。
    「グー子」、このままでいてほしいな、なんて思ってます。シリーズが進んでも、やはり「グー子」のままでいて欲しい。ハハハ乁⁠(⁠ ⁠•⁠_⁠•⁠ ⁠)⁠ㄏ

    三作目も、行ってみます。そのままの「グー子」を求めて…

    感謝。

  • 税務署の国税徴収官が主役のお仕事系小説第二弾。勤労商工会の弁護士と対決するから、このタイトルなのかと思ったら、終盤に同僚と勤労商工会との関係が発覚。盛ってますねー。やや話が長い感があり、第一弾よりは低評価になりました。

  • 現実世界では物語のように一つずつ事件が起きるなんてことはありえない。同じ組織の中でも全員がまったく同じ方向を向いていることもない。ただ、物語の中でそれをきちんと描こうとするのは難しい。
    しかし本作では複数の案件が同時進行で描かれているし、同じ陣営でもそれぞれの思惑があるのがリアルでいい。

  • 鏡の出番は少ないなか、ぐー子が奔走する。躓くことはあるけど、ずうずうしく粘り強く対処できるようになった。勤労の弁護士は不気味で偏った思想だなぁと思った。

  • 面白かった。

    体裁の恐ろしさ、なんか結構わかるな。取り繕いがいつかとれなくなって自分もそれを信じてだんだん方向間違えるのって。

    錨さんのは、なんだか考えさせられるエピソードだった。私は女でバリバリ働きたいけど、やっぱ子供を産むとなったときにどうしても働けなくて、その後もいろいろ制限があるのってなんだかなぁ、って思うけど、働けなくなった奥さんをささえるダンナさんもいろいろ逃げ場がなくてなんだかなぁ、なんだろうなぁ、と。
    彼女のダンナはまじクズだなぁ、と思うけど、逆の女性も世の中にはいるはずで、その人たちは何も言われないんだろうな、と思って少し考えさせられた。

    続きもよまなきゃ!

  • 面白かった、というより痛かったのはエンド間際の彼女の「理由」。知恵袋でも似たような文章を見たことがあるけど、世間じゃ意外とよくある話なのかもしれないけど、でも愛とプライドとお金が日々ガリガリ削られていくのは辛いよなぁと。ぐ~子のキャラには気持ちが動かなかったのに(2から読んだので最初から見守ってきた感が欠けてるからかも)、彼女の方には復職とか残りの人生とか大丈夫じゃろうかと超要らん心配をしてしまった。本編とは関係ない所で悲しくなってしまって変な感じ。1も読んだ方がいいのかなー。でもまた脇役でこんなんいたら勝手に落ち込んじゃうじゃないかいなー。

  • 図書館で。トッカンの二巻目。
    最初が自殺から始まるので暗い話だとイヤだなぁと思ったのですがそうでもなかったかな。ユウコさんがカッコイイ。そして確かに負け犬の遠吠えでしょイヤダイヤダ、という風に問題をすり替える女性とか居るなぁとげんなり思いました。
    続巻もあるみたいなので楽しみです。

  • ぐー子に直球で言葉を投げられて黙るしかないハスキーが可愛すぎる。次も読もう。
    しかし、脱税っていろんな手口があるんだなあ。素直に払うのが一番な気がする。

  • ミステリよりになった第2作品。新キャラ紹介の比重が大きいかもです。事件そのものは普通ですが、登場人物が面白いのです。

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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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