マルドゥック・ヴェロシティ1〔新装版〕 (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-13)

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310776

作品紹介・あらすじ

戦地において友軍への誤爆という罪を犯した男-ディムズデイル=ボイルド。肉体改造のため軍研究所に収容された彼は、約束の地への墜落のビジョンに苛まれていた。そんなボイルドを救済したのは、知能を持つ万能兵器にして、無垢の良心たるネズミ・ウフコックだった。だが、やがて戦争は終結、彼らを"廃棄"するための部隊が研究所に迫っていた…『マルドゥック・スクランブル』以前を描く、虚無と良心の訣別の物語。

感想・レビュー・書評

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  • マルドゥックスクランブルより前の話。
    ボイルドが戦地において友軍への誤爆という罪を犯したのちに研究所に収容されていた。そこで出会った知能を持つ万能兵器であるウフコック。研究所は戦後の影響で三つのグループに分かれることに。

    ボイルドが、このあと、どう虚無の世界へ向かっていくかの導入部だった。

  • ウフコックとボイルドの話。 この時点では、ボイルドがウフコックのことを大事に思っている状態。

  • マルドゥックスクランブルにも登場したボイルドというキャラクターの過去の物語。
    ボイルドとウフコックの関係を見ている笑っちゃうけど、じりじりと悲しさも湧いてくるのが辛いね。
    ボイルドの一人称視点の文体はスプライトシュピーゲル感あってエモい。

  • 前作で命を落とした男、ボイルドが主人公です。
    なので時系列は前作の前。

    彼は味方を殺したがために
    研究所に入れられました。
    そして致命的なヤク中でした…

    「かつてウフコックのパートナーだった」
    前作のあの恐ろしさとは違った
    パートナーを悪辣な実験から救うその行動は
    まさに信頼していた者同士の行動です。

    そしてところどころに前作の伏線が出てきます。
    この時系列からもあのヤバイ野郎は
    暗躍していたわけです。
    そこの描写はグロなのでまじめに注意。

  • 再読。奇妙な文体だが、慣れると体現止めのスピード感が心地良く、意外にサクサク読める。思いがけず前向きな展開に驚くが、それが崩壊することを『スクランブル』を読んで知っているので苦しくなる(特に、ボイルドに全幅の信頼を寄せるウフコックを見るのが辛い)。猟奇的なシーンもあり、全体的にかなり陰鬱。個性豊かな登場人物達が楽しい。

  • 再読。
    なんだろ初めて読んだときの方がドキドキした気がする。
    この巻では異能バトルが本格的に始まらないからだろうか。
    終盤になるにつれて戦いが壮絶になっていくので、まあ仕方ないのかもしれない。
    とはいえウフコックの悩む姿はとても愛くるしく、ボイルドの静かな狂気も不穏でよい。
    久々にみんなに再開した感じ。

  • 素晴らしい。

  • 文体はボイルドの客観的かつ冷酷な視点を表現しているのかと思ったが、他の方のレビューを読んでクランチ文体というものだと知る。なるほど。しかし作品にマッチしている。

    映像的に目まぐるしく展開していく疾走感あるアクションが楽しい楽しい。ボイルドのチート能力っぷりは『スクランブル』でよく知っているが、彼の鉄壁のメンタルがまだ築かれていないあたりが不安を醸す。限りなく強いはずがどこか危うく、一歩間違えばすぐに誰かが死んでいきそうな雰囲気。先が楽しみ。

  • 冲方的クランチ文体初体験。素地があったおかげか意外と馴染みやすい。字コンテ的な?感じか。テンポがとても良くなるが、想像力が追いつかない時もある。

  • マルドゥックスクランブルよりもこっちの方が好きかも?

    ハードボイルドな刑事ものっぽい感じが良い
    フライト刑事はマット・デイモンにやってほしい(笑)

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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