ウィッチャーI エルフの血脈 (ハヤカワ文庫 FT サ 2-2)

  • 早川書房
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本棚登録 : 393
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150205935

作品紹介・あらすじ

激しい戦争がシントラ国の犠牲のすえ幕を閉じた二年後、魔法剣士ゲラルトは、少女シリに訓練を授けていた。そのシリを狙う者が!(〈魔法剣士ゲラルト〉『エルフの血脈』改題、新装版)デイヴィッド・ゲメル・レジェンド賞受賞

感想・レビュー・書評

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  • 私的、ダークファンタジーの筆頭はこのウィッチャーだ。勿論、ゲームの方もトロコンするまでやりこんだ。大好きな作品である。

    全5冊からなる長編ファンタジーで、こちらは長い長いプロローグとなる第一章。この原作から入れば世界観をしっかりと認識出来るし、ライトにゲームから入れば、より一層知識と想像を高める事が出来る。因みにゲームはZ指定だ。

    ミュータントであるウィッチャーは超人的な肉体を持つ。ドワーフやエルフや精霊 等の非人間族に溢れた世界観だが勿論人間も存在する。女魔術師や吟遊詩人、巫女と、ウィッチャーを取り巻く相関図は壮大だ。何より何もかものルックスが美し過ぎる。
    一人一人の魅力を語ったら参考書が出来上がる。

    政治と戦争の構造は複雑だがしっかりと認識しておきたい。これに巻き込まれる一国の姫シリラ王女と、彼女と運命付られたウィッチャー、ゲラルトの旅が始まるのだ。各国の思惑とそれに巻き込まれる重要人物達。魔女のイェネファーの存在も大事だ。ゲラルトと魔女達のドロドロ過ぎる関係はもう少し先までお預けだ。....あぁ、いけない。思いつくままに人物を書き殴ってしまう。

    唐突ですが、漫画 進撃の巨人は好きですか?
    生の華やかさと死の残酷さが融合した世界観に夢中になった経験があるのならば、完結した事によって燃え尽き症候群に悩まされているのなら、是非こちらも体験していただきたい。

    カタカナの登場人物と地名の多さに心が折られる心配は否めないし、小説から入る方は脳内で物語を繋げるのが大変やもしれない。
    それでも、私はこの作品の魅力を隙あらば人にススめ続けるかと思う。今はもっぱらNetflixで独占配信されている映像作品を皆に推している。そろそろ迷惑がられるだろう。しかし順調にファンを増やしている...はずだぁ!笑

  • 種族入り乱れた政治と戦争の話だ。ゲラルトの言う中立は単なる傍観者というニュアンスではないようだ。綺麗事なのかもしれないが、みんなが憎しみや欲を捨てられたら戦争はなくなるのだろう。
    シリが運命のために、周囲から命を狙われているのが不憫でならない。
    イェネファーとゲラルトの間に「切望」があったというのは、「愛」よりも強い結び付きを感じて好きな表現だった。シリを守り育て導くことが共通の責任となり、表面的な諍いとは裏腹に深度は増していくように見える。
    シリにとってイェネファーは魔法使いの先生であり、友人であり、姉のようでも母のようでもあったらいいな。
    ドラマとリンクさせながら読んでしまうので純粋に小説の感想ではないかもしれない。

  • ゲーム版ウィッチャー3がとても面白くて、原作も読んでみました。 
    原作は登場人物が多いので、ゲームやNetflix でウィッチャーを知らない人には、内容を理解しにくいのかな?とも思い、星4にしました。
    ですが、ウィッチャーを知ってる人には、とても楽しく読めると思います! シリとゲラルトの関係、トリスやイネファーなど主要メンバーも出てくるので、ゲーム版ウィッチャー3をやった人には特にオススメです。

  • Netflixのドラマが面白かったので原作がどんな感じなのか知りたくて読んだ。

    スラブ神話を元に創られた壮大なダークファンタジー。シントラの姫・シリラ、白髪の魔法剣士・ゲラルト、魔法使い・イェネファーの三人を主役に物語が進む。

    エルフやドワーフ、ハーフリング、魔法使い、魔法剣士、人間とのいざこざが会話の中からわかってきて面白い。ドラマ版は国と国との関係性や魔法院の立場など政治的な部分が理解できないところが多かったけど、原作でそこらへんが補完された。

    ゲラルトの怪物との闘いは思ったよりもない。ドラマ版の良い所はアクションや魔法の迫力なんだなと再認識した。

    トリスの印象はだいぶ違う!かなり女性っぽい部分をもつ人なんだな。ゲームもプレイしよう。

  • Netflixでドラマが始まるらしいので読んでみた。ちなみにゲームはやったことない。
    エルフ・ドワーフが出てくるファンタジーもので、モンスターの存在が微妙に否定されて来ている(民間にはそうでもないけど、学者は割と否定的っぽい)感じがおもしろい。
    完結まで一気に読みたい。

  • ゲーム Witcherシリーズの原作小説の翻訳書。
    Witcherシリーズにのめりこんだ口なので、その延長線上で購入。

    時系列としてはWitcher 1より前の時期の物語で、Witcher 3の物語の背景となる、主人公ゲラルト(Geralt)とシリ(Ciri)との出会い、ケィア・モルヘン(Kaer Morhen)での幼きシリの日々、一方で暗躍を見せ始めるニルフガード(Nilfgaard)や北方諸国(Northern Realms)の国王や魔法使いたちの策謀を描いている。

    Witcher 3の前日譚、あるいはWitcherシリーズの設定資料としてみると非常に楽しい。
    ゲームで駆け回った世界で、物語が進むにつれゲーム内で会った登場人物たちがそれぞれの思惑でゲラルトの前に現れる。ゲーム内ではテキストで示唆されていたエピソードが小説で描かれていたり、ゲーム内で見られた悪癖や振る舞いが小説でも見られるので、ゲームを思い出してにやにやしながら読んだ。
    あの骨太なストーリーにはそれを支えるしっかりと練りこまれた設定・世界観があったのかと改めて実感する。

    ただ、この本単独は物語の序章部分しか書かれていない。世界観説明が終わって話が動き出すところで終わっている。
    話を始めるためにはそれだけ書かなければいけないことが多い、ということでもあるのだろうとは思う。だが、文庫本サイズで約400ページかけて事態がほとんど動いていない、というのは、シリーズでも一巻内で起承転結が入る日本のファンタジー系のライトノベルに慣れた身としては、カタルシスが得られずもやもやした。

    次巻でどこまで物語が進むのか、そしてシリーズ全巻が発売されるのかが気になるところである。

  • ゲームから興味持ち原作読んでみたがこれは読みづらい。さも当たり前のようにエイダーンだのマハカムだのとわけわからない言葉が出てくる。そこがウィッチャー世界をより深いものにしている、フレーバーテキストなんだと思うが、くどいぐらい登場するので嫌になってくる。ゲームでも実際には登場しない地方についてよく語られるが、てっきり小説ではそこが舞台になるのだと思っていた。展開もかなり遅い。逆を言えば丁寧な進め方なのだが、あまりにも展開が進まないので退屈。会話も周りくどい言い回しや、知ってて当然と言わんばかりに過去の出来事が引き合いに出される。ソドンの戦いと何度も聞いたことか。訳者あとがきの方がずっと分かりやすいのはいかがなものか。

  • 魔法剣士ゲラルトと、不思議な力をもった運命の子シリの話。シリの成長物語。

    家族からのクリスマスプレゼント本。「ファンタジーは、10代の主人公が、喋る人間外生物と一緒に悩んだりしながら頑張る話ばっかり」と言ってたら、ファンタジー&ゲーム好きの夫が「そうじゃないファンタジーがあることを証明する」と言って購入してきた。確かにそうだった。世界は暗い、登場人物は大人多め…甘酸っぱい若者特有の悩みに苦しめられてる人もいない…シリちゃんが清涼剤と言ってもいいかもしれない。
    ただ、訓練シーン、戦闘シーンとかの細かい描写は、流し読みしちゃった。あと何故かシリちゃん含め登場人物ほとんどがなんか性に興味津々で、しかも話的に重要じゃないっぽい話だから、そこも流し読みした。キャラはしっかり作り込まれてて、そこは楽しかった。
    私はファンタジーが苦手ではないことがわかったのが、今回の大きな収穫だった。

  • 北方諸国は南のニルフガード帝国の侵攻を受けた。北方諸国で最南に位置するシントラ王国では、キャランセ女王が孫娘シリラを炎上する首都より脱出させて自害する。二年後、魔法剣士ゲラルトは人里離れた砦でシントラ王家の血を引く少女シリに訓練を授けていた。

    やや唐突に話が始まり、語り手を替えつつ、物語が飛び飛びに進む。北方諸国を脅かすニルフガード、それに対し力を合わせようとする北方諸国、自らの思惑のために暗躍する魔女達。各国の王がシントラの正当な後継者であるシリを追い、彼女の命を狙う者もいる。ウィッチャー、魔女、非人間族が普通に長命で英雄としてあつかわれている所に神話を感じる。シントラの仔獅子ことシリが、天真爛漫で大人達から愛されているのが良い。

    時系列的に短編集の方が先らしいが、長編刊行当時は未発売。ゲームをやっていたから何とか読めたけど、地名人名が多すぎて苦労した。世界観こそゲームっぽいが、魅力的なキャラクターと卓越したネーミングセンス、作り込まれた設定と生々しい描写で空想を現実と感じさせる傑作。

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