歌おう、感電するほどの喜びを!〔新版〕 (ハヤカワ文庫 SF フ 16-8)
- 早川書房 (2015年6月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150120139
作品紹介・あらすじ
ある日やってきたおばあちゃんロボットをめぐる表題作ほか、全18篇を収録した短篇集。
感想・レビュー・書評
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すずめさんのレビューより読みたくて。季節を肌で感じるような描写や懐かしさ物悲しさが圧巻。表題作はもちろん『お邸炎上』『冷たい風、暖かい風』『ニコラス・ニックルビーの友はわが友』などが好き。『女』『大力』『新幽霊屋敷』『ロールシャッハのシャツを着た男』『ヘンリー9世』などはもやもやして忘れ難い話。
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ブラッドベリの短編集。18編が収められています。
全体的に少し不思議な雰囲気の物語が多い印象です。
「明日の子供」が、いちばん好みでした。
異次元に生まれてしまったために、この次元では奇妙な音を発する青いピラミッドにしか見えない自分の息子。
その理不尽に混乱し、どうにかして息子を愛そうと努力するもののだんだんと正気を失っていく夫婦の様子、そして彼らが選んだ方法の先に待っていたラストシーン…短編なのにドラマを観たあとのような満ち足りた気持ちになりました。
「ニコラス・ニックルビーの友はわが友」も好き。
ある夏、少年の前に現れたのはチャールズ・ディケンズを名乗る旅人でした。
こんな出会いをし、体験をした少年は、どんな大人になるのだろう。
とても優しい気持ちになる読後感でした。
「お邸炎上」では人が良くてお調子者の登場人物たちに笑ってしまったし、「女」では終始漂う不気味さにぞくり、「われら川辺につどう」に描かれた、希望に満ちた新しいハイウェイとこれから廃れる運命にある古い幹線道路沿いの町の対比になんとも寂しい気持ちにさせられました。
本書のタイトルもとても好き。
声に出してみたくなる、気持ちのよさがあります。
原題は"I sing the body electric!"-
すずめさん こんばんは
ブラッドベリ堪能しました!
「明日の子供」は確かに印象的でした。が、夫婦が段々とおかしくなっていく感じが私には怖く...すずめさん こんばんは
ブラッドベリ堪能しました!
「明日の子供」は確かに印象的でした。が、夫婦が段々とおかしくなっていく感じが私には怖くて怖くて‥「女」にいたってはもうキャー!と叫びたくなるくらい恐怖(笑)
どちらかと言えば「お邸炎上」のお調子者や「われら川辺につどう」の田舎の住民「ニコラス・ニックルビーの友はわが友」みたいに翻弄される人達を優しく描くのに私は惹かれました。
あと教えていただいた萩尾望都さんの解説、愛がありかつすごく鋭くてよかったです。
ありがとうございました♪2021/10/23 -
111108さん、こんにちは!
コメントありがとうございます♪
「女」、怖いですよね。『10月はたそがれの国』の「みずうみ」や「下水道」も...111108さん、こんにちは!
コメントありがとうございます♪
「女」、怖いですよね。『10月はたそがれの国』の「みずうみ」や「下水道」も女性と水が幻想的かつ不気味に描かれていましたが、「女」は最初から最後までずっと「うひゃぁ…」と思っていました。
今思い返してみても、ノスタルジックだったり、怖さだったり、物悲しさだったり、1編1編どれもが印象に残っている短篇集だなぁと思います。
ほかにも少しずつブラッドベリの作品を追いかけていきたいです(*^^*)2021/10/24 -
お返事ありがとうございます♪
『10月はたそがれの国』も再読したいです、できれば10月中に‥お返事ありがとうございます♪
『10月はたそがれの国』も再読したいです、できれば10月中に‥2021/10/24
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失われたものへの郷愁、失われるものへの愛惜、人間存在というものの滑稽さへの優しい眼差し、それらを深い叙情で包み込んだ、ブラッドベリの幻想短編小説集。『明日の子供』『ニコラス・ニックルビーの友はわが友』などがお気に入り。
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ハヤカワ文庫NVで出ていた「キリマンジャロ・マシーン」「歌おう、感電するほどの喜びを!」を合本してデザイン一新でハヤカワ文庫SFから再販したもの。2冊のものが合本されてるので、厚さもお値段もボリューミーですヽ( ´ー`)ノ
で、読み応えもボリューミーなんですが、うーん、ちょっとイマイチ。
鴨的に、ブラッドベリの魅力は「救い難き陰鬱さの底に垣間見える美しさ」だと思っています。一応SF作家として分類されていますし、実際にSFも書いてはいますが、ブラッドベリの真骨頂はジャンル分け不能なダークさ、エレガントさ、そして(語弊を恐れずに言えば)セクシーさ、だと思います。
この短編集に収められた作品の大半は、鴨の基準では「ちょっと奇妙な風味の普通小説」で、ブラッドベリの美しさは今ひとつ感じられませんでした。まぁまぁ気に入ったのは「女」「明日の子供」「夜のコレクトコール」の3作。「女」は良かったですねー、理屈を考えちゃいけないタイプの作品です。ブラッドベリ節全開。 -
すごく期待して読んだのだが、、、。当時はすごい作品だったのだろうが、テクノロジーの進歩や社会の変化で作品が古臭くなり過ぎており、ぶっちゃけ楽しめなかった。アイデアはいい短編が多いので、現代風に焼き直せば、ずいぶん違うものになるだろうに、と残念感満載。
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ブラッドベリの短篇集。1948年から69年の18篇を収録。「火星年代記」「華氏451度」からまだ3冊目だが、この作家のセンチメンタルすぎる作風は自分には合わないかな……と。しかし文明の本質を鋭く切り裂く筆致は見事で、本書の中では表題作<歌おう、感電するほどの喜びを!>と<火星の失われた都>が切なさを感じさせるSFとして感動できた。あとは人それぞれ、18も色々な作品があるので何かしら気に入るものがあると思う(ぶっとんだ話も多いが)。仕事はしているが母親のもとを離れず大人になりきれない三十歳の男の話<大力>は1964年作とのこと。今の時代の我々(オタク)を彷彿とさせるので、身につまされるというか……(汗)。
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表題になっている一編が気になって読んだ。収録作品はどれも面白かったけど、やっぱり歌おう!が格別すてきだった。
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1981年11月刊のキリマンジャロ・マシーンをタイトルを変えて2015年6月に刊行。18編の短編集。懐かしい、ノスタルジックな話ばかりがこれだけあると食傷気味に。一気読みは、いけませんね。ヘミングウェイが登場する、キリマンジャロ・マシーンが良かったです。
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あいかわらず、合う合わない(理解できない)がある。
自分が読みたいと思ったら手に取って読み、
他の人がこういっているから読んでみる
という本ではないと思う。
自分としては、日常と非日常の間にある
ファンタジーの世界を、訳とはいえ、詩的な表現で
幻想的に表されている世界の物語は酔うように浸れる。