アメリカン・ブラッド (ハヤカワ・ミステリ 1909)

  • 早川書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150019099

作品紹介・あらすじ

NY市警のマーシャルは潜入捜査に失敗し、証人保護プログラムに守られて暮らしていた。が、失踪事件に首を突っ込んだために過去の事件の闇が迫る……。ブラッドリー・クーパー主演映画化決定!

感想・レビュー・書評

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  • 元ニューヨーク市警のマーシャルは、犯罪組織への潜入捜査を終えた後、政府の保護下で暮らしていた。だが失踪した地元の若い女性の行方を調べ始めたばかりに、凶悪な麻薬の売人たちと対峙することに。さらには、かつて潜入していた組織が差し向けた殺し屋〈ダラスの男〉の魔手が迫るのだった。

    ニュージーランドの作家の作品。シリーズ化されているらしいが、翻訳が途絶えているのが惜しい。

  • アメリカだなあと思ったらニュージーランド

  • 図書館で検索して発見。まったくノーマークだがタイトルと表紙が魅力的だった。潜入捜査を終えて商人保護プログラムで新たな人生を得るも、なぜかまた犯罪者を追う役割を買って出る主人公マーシャル。彼もだいぶエキセントリックなキャラクターだけど、彼が追いかけるギャングのボスも[ダラスの男」と呼ばれる殺し屋もみんなどこか狂っていて一筋縄ではいかない奴らばかり。
    こういう魅力的な物語を描く未知な作家に出会えるのだから、やはりアメリカ

  • 若い人が書いたからこんなもんか。証人保護プログラムで国に保護され別人となって生きる人が主役。やはり殺し屋の方に感情移入してしまう。 あとがきにて、キャラ設定頑張りました!とか書いてあるが、ワシには人物がチェスの駒のように思えてしまったよ。 ドラマの場面ひとつひとつを書いてるような構成。 ワシにはよさがわからんかった。 この人は書けば書くほどうまみが増してくる人だと思う。

  •  世界は広い。そう感じさせる作家がまた一人登場。何と、ミステリにのめり込むあまり、高校生時代に習作なのだろうが長編小説を二作ほど書き上げた挙句、大学時代に、シリーズもののミステリを三作も出版させたというのがベン・サンダース。しかも聞いたことも読んだこともないけれど、この人はニュージーランドの作家だ。

     なのに『アメリカン・ブラッド』という、アメリカの小説で世界デビュー。こうして日本でも翻訳されているのだが、作者の生年月日を考えると26歳で書き上げた作品ということになる。驚きの才能としか言いようがない。

     荒削りというのが日本の二十代作家の印象なのだが、世界戦を挑む作家だけあって、むしろ緻密。新鮮で若い感性がもたらす瑞々しい文章を、骨太のストーリーと、大人のキャラクターたちの上に被せてゆくのは並の努力ではなかったろう。

     大人たちと言えども、まともな社会に生きる者たちではなく暗黒街の人々の会話を、若い作家がよくここまでシニカルに描けたものだ。小説で難しいのは登場人物たちの会話だとぼくは常々思うのだが、それがハードボイルドの分野ともなると、描写よりもさらに重要視されるのが、後世にまで伝わるほどに気の利いたセリフ回しやへらず口、と来ている。そうしたセリフによる脚本力のような力も、この青年作家は十分に持っているところが凄い。

     陳腐で型にはまったシーンの累積に陥りがちな若さが、書くという訓練を経て既に出版界に評価されたのだろう、だからこそ作者は本書を書くためにアメリカを訪れ、コーマック・マッカーシーやコーエン兄弟の好きそうなアルバカーキからサンタフェに至る道程を取材したのだろう。

     地平の砂漠と人間の悪意という砂漠の中を、血と心を持った熱血主人公が走り回る展開は魅力的である。殺し屋、やくざども、警察の三つ巴の攻防の中、隠密捜査の果てに証人保護プログラムを与えられている主人公マーシャルがジョーカーとして動き回り、銃撃のシーンを作り上げる。基本的には小気味よいノンストップ・アクションである。

     ワーナーでの映画化も決定しているそうなので、作家よりも映画の方が早歩きしてゆく可能性もある。早買いが好きなマニアの方には垂涎ものの一冊が出たとこっそりお伝えしておきたい。

  •  証人保護観察下にある元ニューヨーク市警の刑事マーシャルは、ある女性の失踪をきっかけに独自に捜査を始める。
     今でも執拗に自分をつけ狙う殺し屋や麻薬密売組織との派手な殺し合いシーンと、肉体的にはタフなのに過去を引きずっている主人公の卑屈さだけが印象に残った。

     かつて犯罪捜査から逃げた主人公がなぜ、見ず知らずの若い女性の失踪にこだわって危険な表舞台に躍り出たのかも含めて、最初から最後まで主人公の行動理由が不可解だった。さらに、どんでん返しのつもりかもしれないが、ラストシーンに登場する人物との会話ですべての背景を語ろうとするのも無理があった。

     現代アメリカの裏社会を描いたつもりかもしれないが、映画か何かの影響を受けている感じは否めず、訳者が書いている通り、出身地であるニュージーランドの地方色が強く出ているというベストセラーの方を読んでみたい。

  • 不死身のヒーロー

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