NHK出版 学びのきほん 落語はこころの処方箋 (教養・文化シリーズ NHK出版学びのきほん)
- NHK出版 (2020年9月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784144072628
作品紹介・あらすじ
こころの 疲れを じわじわ癒そう
落語は観て聞いて楽しむだけのものではない。私たちが抱える人生の悩みを改善してくれる効用も持っている。人とうまく付き合うには? ストレスを感じずに暮らすには? 自分に合った働き方を実践していくには? いま最も本が売れている落語家が、「落語流・こころを整えていく方法」を伝授。同時に、「落語はいつ生まれ、どのように発展したのか」「どんな落語家がどんな噺を受け継いできたのか」「有名な噺のエッセンス」など、これだけは知っておきたい落語の基礎も身につく、一石二鳥の1冊。
感想・レビュー・書評
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話し言葉で書かれているからスラスラ読めるし、落語家さんだからその言葉も面白くてあっという間に読んでしまった!
落語に出てくる江戸時代の江戸っ子みたいにテキトーに暮らしたら、だいぶハッピーに生きられそうな気がする。 -
落語の世界=江戸時代の町人の暮らしと現代の生活を対比させながら、現代で失われてしまった大切なものは、落語の世界に見つけることができるのではないかと、筆者は主張する。
だから、落語を聞いて価値観をシフトチェンジさせることで、息が詰まる現代も、より楽に生きていくことができる、つまり、落語は「こころの処方箋」になると提言している。
筆者の視点は鋭く、それでいて全体を通して噺家特有の柔らかい口調で語られているので、読みやすく、かつ気付きがたくさんあった。
特に、落語は「人間の業の肯定」であるという定義がとても印象的だった。(噛み砕くと"ダメなやつでも、しょうがねえなあと許容する世界"だろうか)
現代の"コスパ至上主義"や、「成功/失敗」の二元論で片付けがちな価値観によって失われたおおらかさのようなものは、落語の世界を知ることで回復させることができる、という筆者の考えはとても新鮮で、そういう視点を持って落語を聞いてみたいと思った。
これまで僕にとって落語は、「興味はあるけれどどこか高尚な気がして、どこから入ればわからない」ものだったが、この本を読むことで、落語の世界に一歩踏み込んでいけそうな気がしている。
落語の世界への架け橋となる、とてもいい一冊だと思う。-
はじめまして♪
フォローして下さりありがとうございます!
落語はよく聞きに行きますが、高尚だとは思ったことがありません。
色々な噺が非...はじめまして♪
フォローして下さりありがとうございます!
落語はよく聞きに行きますが、高尚だとは思ったことがありません。
色々な噺が非常に幅広く存在していますので、何を聞くかによります。
ぜひ一度お試し下さい。
この本も読んでみたいですね!
ではでは、よろしくお願いします。2021/01/03
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忖度文化
一見良くなさそうだけど、あの人もこの人も立てることで、与太郎みたいな働かない生き方も全体としては許容されるのかな、と思わされました。
働かないけど愛されキャラ
働かないけど愛していいキャラ
そんな人を受け入れても良いよ、と言ってくれるのが落語なんですかね
誰一人取りこぼさない社会を作る
コスパやスピード重視で作るのではなく、無駄な人も受け入れて、ゆっくり進む方が取りこぼしは少ないのかもですね
笑いながらゆっくり進もう
でも、実際に働かない人がいたら、自分はその人を許して、笑えることができるかな
その人との距離感が大事なのかも -
「こころの 疲れを じわじわ癒そう
落語は観て聞いて楽しむだけのものではない。私たちが抱える人生の悩みを改善してくれる効用も持っている。人とうまく付き合うには? ストレスを感じずに暮らすには? 自分に合った働き方を実践していくには? いま最も本が売れている落語家が、「落語流・こころを整えていく方法」を伝授。同時に、「落語はいつ生まれ、どのように発展したのか」「どんな落語家がどんな噺を受け継いできたのか」「有名な噺のエッセンス」など、これだけは知っておきたい落語の基礎も身につく、一石二鳥の1冊。」 -
江戸時代、ゆるゆるだなあ。
現代人もこうしたら?の提案のところは、ところどころそれはちょっと…と思ってしまったことがあった。与太郎が認められる世の中になったらいいんだけど…。
落語の歴史がわかりやすかった。講談との違いとか。
落語を聞いてみたくなった。 -
落語はCDで入ろうとして挫折したんだけど、やっぱりまず、動きまで含めた動画なりライブなりを体験しないといけませんわな。本書で語られるように、その噺自体に気付きがあるのかもしれないけど、なら読書でも良くないか?って思っちゃう。それはともかく、本書で取り上げられた題目の数々は、少なくとも一度聞いてみたいなって思える内容のが多かった。
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このシリーズの「役に立つ古典」で、「俳諧」が笑いを表すものだと知った。そこから笑いは日本の文化に根差した奥深い何かがありそうだと、本書を手に取った。
「落語とは人間の業の肯定である」
落語家立川談志のこの言葉は落語の本質をついていると筆者は言う。
人間は業の塊で、落語はその人間のだめなところ、弱さを明るくテンポよく伝えてくれる。それをみた観客は「自分にもそういうことがあったなあ」「誰でもだめなところはあるよなあ」と弱さを受け入れてくれる落語を聴いて安心する。勝ち負けの二元論が蔓延り失敗できない窮屈な社会にいるわたしたちを、リラックスさせてくれる。だから落語の笑いはほっとした笑いなんだそう。
自分を受け入れてくれる場があることで自尊心が高まり、相手と比べることのない自分らしい道を歩むことができる。そんな力が落語にはあったのだと読み進めるにつれ感激した。落語のようなほっと一息つくような場がこの時代には必要だ。
私も自分より頭がよかったり活動的な人をみて自尊心が損なわれることがある。でも他人と比べてばかりでは仕方がない。やはり、週に一度は課題も仕事もしない日を確保し、自分の山を登り続けること、自分らしさを磨き続けることを人生の軸にしたい。
落語の作品を紹介しながら今の日本人が学ぶべきテーマについても書かれており、助け合いが当たり前だった長屋の地域コミュニティについて特に関心を抱いた。人が地域の人に甘えられるにはどうしたらいいだろう? -
敷居の高かった落語が身近になった。
行ってみようと思った。 -
何も考えず、キリキリ働くだけの人生はむなしい。与太郎を「しょうがねぇなァ」って支えて、時に甘えられる社会がいいな。
持ちつ持たれつ、人を愛して、自分を大切に生きていきたい。