NHK出版 学びのきほん 本の世界をめぐる冒険 (教養・文化シリーズ NHK出版学びのきほん)
- NHK出版 (2020年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
- / ISBN・EAN: 9784144072581
作品紹介・あらすじ
誰も教えてくれなかった、教養としての「本の世界史」
「本が読まれなくなった」と言われる現代。でも、本当にそうなのか。本がたどってきた道のりを振り返ると、本と私たちとの新しいつながりが見えてくる。本はどのように誕生し、どう発展してきたのか。過去を学ぶことで見えてくる、本の現在、未来、そして本好でも知らない知識の数々--。本のこれまでの「きほん」とこれからの「きほん」が分かれば、読書がいっそう面白くなる。世界の事情に最も詳しい著者による、今すぐ誰かに話したくなる、学校では教えてくれない「本にまつわる教養講座」。
感想・レビュー・書評
-
本の歴史と今、そしてこれからを優しい語り口で解説している一冊。
本は媒体や持ち味を変化させながら、ずっと我々の傍にありました。
情報を伝えるものであり、感性を伝えることもできます。
デジタル化についてもポジティブに触れられ、未来に期待を持てました。
本が自身を語る構成のジョン・アガード著『わたしの名前は「本」』に通ずるものがあり、改めて読書できることの素晴らしさを感じられました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本に関する様々なこと(本の材料、作り方、印刷の仕方、本屋のあり方を含めた流通の仕方など)の歴史について、現代と関連づけながらわかりやすく説明してくれる本で、情報量が多いのに読みやすくすごい本だと思いました。筆者は本を書く場合100冊くらい読むと本書に書かれていて(!)この情報の濃さはそれでかと思いました。図書館の最新情報にもふれられてました。
-
これからの本に今、わくわくしています!
ブクログに感想を投稿するのも、「本」ですね。
1〜3章で現代で本に関わるために知っておくべき「きほん」について学んで、4章でこれからの本のあり方、可能性について知ることが出来ました。
身近になったからこそ、できることが増えたのですね。
これからどんな進化をするのか、自分達でもどんな楽しみ方をするのか楽しみになりました。
読書についての本だと思って飛び込んでみたのですが、本の本でした!こういう出会いも面白い。 -
「本の世界をめぐる冒険」ナカムラクニオ。
▼なんとなく今まで見たことがなかった本。たまたま遊びに行ったポーラ美術館のギフトショップで衝動買い。美術館(そんなに頻繁には行かないんですが)のギフトショップって、萬に浪費モードになるのは、きっと僕だけではないのでは。
▼読んで全く浪費ではなく。読書、本、の古今東西事始めから優しい言葉で駆け足で、という実に「本好きの素人向け」の一冊。
▼一般に本が読まれないというけれど、それは本の読書のカタチだけで。実はいま現在ほど、少なくとも日本人がこんなに活字を読んでいる時代はかつて無かったのではと思っていました。それが(そういう言葉ではないけど)多様に多彩に語られます。
▼読書とはひとの人生を知ることだ、という考え方で、どこか外国で「人間図書館」(だったかな)という試みをしている。図書館でマッチングして、知らん人と会って、人生の物語を聞く。相手は難民だったり、障害者だったり、いろいろだそう。(つまり、「話してもいい」という人が図書館に自分を登録している)
▼ナカムラクニオさんという方は本屋さんだそう。行ってみたいな、と。いろんな本屋さんがあって、それを楽しめるというのは大都市圏に住んでる魅力ですね。(大都市圏に住んでる悲惨、というのも枚挙に暇がないですが) -
ヨルダンのラクダの取引は、今ではフェイスブックで行われている。
パプアニューギニアのセピック族は、裸で生活しているが、スマホを持っている。
世界では、紙の本よりスマホの電子媒体のほうが便利なところがいっぱいある。
日本は紙の本をよく読む国。
これからは紙とデジタルをそれぞれに活かす必要がある。
パピルス革命。パピルスはリサイクルできた。エジプトのアレクサンドリアの図書館は、パピルスの本を70万点所蔵していた。日比谷図書館が20万冊。
聖書の語源はパピルス。
パピルスから羊皮紙へ。紙の発明は、記録の革命。
わら半紙は、藁を混ぜたものが最初。再生紙。
模造紙は、三椏でつくった大蔵省印刷局の「局紙」をオーストリアの業者が模造したもの。これが模造局紙として日本に入り、これをさらに模造して、模造紙になった。
奈良時代は、経師屋さんが表具として本を製作していた。。
江戸時代は本の楽園。出版プロデューサー蔦屋重三郎。浮世草子などでヒット作を作り出した。江戸時代は、本だけでなく出版もした。
下北沢の「本屋B&B」は、兼業する本屋のはしり。
本は、自分にとってどんな意味があるか、を考えることが大切。
「文喫」入場料を払うと読み放題になる。
ベルギーの図書館は有料。本の購入費になる。
デンマークは、ダウンロードできる。人間図書館=人を貸し出す。芸術家や障碍者、マイノリティが話をしてくれる。
ヘルシンキ市立中央図書館は、工房がある。3Dプリンタ、ミシンなどが完備。 -
昔、「本」は「人間」だった。オーディオブックは現代の「語り部」。
「読む」という行為が「黙読」になったのは明治以降というのに驚いた。
現代ではブックカフェがコミュニティとなって、新しい「たまり場」へと進化しているらしい。
六本木の「文喫」という本屋さんに行ってみたい。
コペンハーゲンの「ヒューマンライブラリー」は、「語り部」への回帰なのかな。語られるのは個人的な経験やけど。ブログみたい。
ヘルシンキのように、3Dプリンターやミシンなどを完備した図書館、近くにあったら嬉しいなぁ。 -
第4章がよかった。本に関わる身として参考にしようかな。
全体的にもうちょい踏み込んだ内容も欲しかった。日本ではなぜ紙の本が読まれるのか、とかも、なぜ、の部分が知りたくもあり。 -
思ってた感じと違った。
北欧やっぱ最高〜 -
活字離れが叫ばれるなかでも、古代より形を変えてきた「本」の歴史を紐解くことで、今後の本の在り方を示唆する内容になっている。すぐに読める割にはいろいろな知識を得ることが出来るし、これからの本や本を楽しむ「場」の進化にワクワクさせられた。
本とは何かということを、従来の「紙によってできた情報伝達媒体」というものからより拡大させて解釈する試みに基づいている。