<普遍性>をつくる哲学: 「幸福」と「自由」をいかに守るか (NHKブックス 1269)

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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140912690

作品紹介・あらすじ

マルクス・ガブリエルの次へ!

今世紀に入って、カンタン・メイヤスー、マルクス・ガブリエル、グレアム・ハーマンらの「新しい実在論」が一世を風靡した。これについての鮮やかな解説書で好評を得た新鋭哲学者が、オリジナルの哲学マニフェストを書き下ろす! 閉塞感ただよう時代、とくに若者は「自己実現の自由」に飽いて、個々人の「小さな幸福」に閉じこもる。しかし社会的「自由」を放棄すればカネの力やハラスメントがのさばり、「幸福」も脅かされる。幸福、そして自由を確保するためにいま必要なのは、哲学がもつ「合意を形成する力」だ――。現代実在論からポストモダン思想へ遡り、近代哲学の可能性を捉え直して、真の「多様性」を守るための哲学の原理を示す。

(仮)
序 現代の「普遍論争」 ――「実在」をめぐる千年の争い
第一章 新しい実在論の登場――普遍性は実在する
第二章 構築主義の帰結――普遍性を批判する
第三章 現象学の原理――普遍認識の条件
第四章 現象学的言語ゲーム――普遍性を創出する
終章 もう一度、自由を選ぶ ――「関係性の充足」と「ソロ充の快楽」のために

感想・レビュー・書評

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  • 形而上学を封印して、体験から本質を対話していく

  • 神々の争いになってしまっている「新実在論」を乗り越えるため、フッサール現象学に立ち返り、「普遍性」の地平を目指す。

    前著『新しい哲学の教科書』と併せて読みたい。問題意識は共通だが、それぞれ違う位相で書かれているから。

    最終章の自由と実存主義の関係についての記述が鋭い。

    全体的に難易度は高め。現象学について基本的なことは知っておいた方が良い。

  • これもあきらめ。きびしい。

  • フッサール現象学を普遍性をつくるための認識論として読み込むことで、実感に適った普遍性を目指すコミュニケーションを提案している。普遍性やフッサール現象学が現代に置いてこれほど生き生きと語れるのかと感銘を受けた

  • ふむ

  • 構築主義と本質主義の二項対立を避け、狭い隙間をかけ抜けて「自由」に生きぬき、おそらくやがて死ぬための、英雄的でありながら地道なロジックとエシックスにしびれました。スピノザ以来です。

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著者プロフィール

豊橋技術科学大学准教授。1987年札幌生まれ。早稲田大学国際教養学部卒業、同大大学院国際コミュニケーション研究科博士後期課程修了。博士(国際コミュニケーション学)。同大国際教養学部助手を経て現職。専門は現象学を中心とした哲学。
著書に『新しい哲学の教科書――現代実在論入門』(講談社選書メチエ)、『現象学とは何か――哲学と学問を刷新する』(共著・河出書房新社)、『交域する哲学』(共著・月曜社)など。

「2021年 『<普遍性>をつくる哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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