目覚めよ 仏教! ダライ・ラマとの対話 (NHKブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140910870

作品紹介・あらすじ

近代合理主義の果てに行き着いた格差社会に、人々は生きる意味を見失いつつある。いまこそ、仏教が行き場のない心の不安に応える時ではないのか!?時代の苦悩に向かい合わず、だれも期待しなくなっていた日本仏教を改革すべく、活発な批評活動を行なってきた著者が、仏教が世界に果すべき役割についてチベット仏教の巨頭ダライ・ラマと激しく、かつ徹底的に論じ合った。悟りを得たにもかかわらず、自らの成仏より衆生の救済を目指した菩薩の果てしない「思いやり」=利他心こそ、仏教が世界を救う大きな力の源泉となるはずだ。すべての現代人のための仏教復興宣言の書。

感想・レビュー・書評

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  • 2006年にインドで行われたダライラマと上田紀行の対談を書き起こしたもの。 日本社会の格差拡大と、日本仏教の頽廃を嘆く上田氏に対して、ダライラマが「慈悲」の精神の重要性を訴えている。他者への慈悲を云々する前に、まずは自分を慈しむことから始めなくては。

  • “近代合理主義の果てに行き着いた格差社会に、人々は生きる意味を
     見失いつつある。
     いまこそ、仏教が行き場のない心の不安に応える時ではないのか!
     時代の苦悩に向かい合わず、だれも期待しなくなっていた日本仏教を
     改革すべく、活発な批評活動を行なってきた著者が、仏教が世界に
     果すべき役割についてチベット仏教の巨頭ダライ・ラマと激しく、かつ
     徹底的に論じ合った。
     悟りを得たにもかかわらず、自らの成仏より衆生の救済を目指した
     菩薩の果てしない「思いやり」=利他心こそ、仏教が世界を救う大きな
     力の源泉となるはずだ。すべての現代人のための仏教復興宣言の書 ”

     最近、テレビのニュースで「チベット問題」「ダライラマ」が取り上げられる
     ことが多いのだが、私は「何のことやら?」という状態だった。
     ところが、新聞の投稿欄でこの本の著者「上田紀行」さんがチベットのこ
     とやダライラマについて語っておられるのを読んで、興味を持った。
     仏教のついては少しは以前よりも勉強してるし。
     ダライラマは、チベット仏教の最高指導者で、現在の14世はノーベル
     平和賞を受賞されている。中国の支配に対する「チベット動乱」によって
     ダライラマはインドの亡命し現在に至っている。
     観音菩薩の化身(生まれ変わり)とされているダライラマだが、そういう
     ことを意識しないで読んでいても、ダライラマの言われていることは
     本当にすばらしいと思えた。
     この対談の内容も仏教の話ばかりではなくて、もっと人間の根源的な
     ことに関するものが多かった。
     何回も読み返したい本なのだが、これも図書館本なので・・。
     でも読めて良かったと思える本だった。

  • ダライ・ラマ礼賛本。私の目から見た上田さんは、自らの主張のお墨付きをいただいて舞い上がってる人であり、それは、ダライ・ラマとのツーショットの写真を引き伸ばして飾るのと同じメンタリティーである。

  • 大乗仏教と小乗仏教の違い。仏教というのは宗教だが、科学的というか哲学的。人間の心を見つめてきた仏教には、これから益々増えるであろう心の問題を解決するヒントが沢山ある。

  • 日本仏教の行く末を心配する文化人類学者とダライ・ラマ法王との対話集。仏教を話題の中心としていますが、ほとんど人間の本質を問う内容となっていて、興味深いです。

  • ダライラマと文化人類学者・上田紀行との熱い対話。確かにダライ・ラマが上田紀行との対話にすっかりのめり込み、熱っぽく語った対話だということは分かる。しかし、対話の部分はなぜか面白くない。確かに御説ごもっともなのだがあまりにあたりまえすぎて興味がわかない。そう感じたのは私だけだろうか。面白かったのは、むしろ対話の初めに上田紀行が自分の幼少期からの心の遍歴と仏教との出会い、現在に至るまでの仏教への働きかけなどを語った部分だった。これはダライ・ラマも興味深く聞いたようで、この長い自己紹介でダライ・ラマは上田をすっかり信頼し、大いに語りあえる相手と感じたのではないだろうか。

  • 仏教も考える力がないとだめらしい
    今こそ仏教の力が必要だ!!w

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著者プロフィール

上田紀行(うえだ・のりゆき) 東京工業大学副学長(文理共創戦略担当)・同リベラルアーツ研究教育院教授。専門は文化人類学。特に宗教、癒し、社会変革に関する比較価値研究。著書に『生きる意味』(岩波新書、2005年)、『かけがえのない人間』(講談社現代新書、2008年)、『愛する意味』(光文社新書、2019年)など。

「2022年 『自由に生きるための知性とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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