がんばれ仏教! (NHKブックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140910047

作品紹介・あらすじ

仏教が葬式仏教と呼ばれるようになって久しい。日本の「ホトケ」はほんとうに死んでしまったのだろうか。思えば私たちは仏教に何の期待もしなかった。期待がなければ志も力も育たない。しかし、いま志のある僧たちが、いろいろな活力ある仏教の実践を行っている。経理の公開、NPOの主催、イベントを通してネットワーク作りを行うなど、他者との関係性=「縁起を生きる」を求める僧たちの活動が続けられている。右肩上がりの時代が終焉し、現代は個人のかけがえのなさを喪失させる時代だ。様々な苦を抱えて生きる私たちは、仏教にいま何を期待すればいいのか、お寺が変われば私たちの社会はどう変わるのか、仏教の行方を展望する。

感想・レビュー・書評

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  • 「縁起」という世界に対する見方を、現代の日本において、どのように起動させていくのか。そこで僧侶・住職・寺院が果たすべき役割とは何か。多くの実例を紹介・分析しつつ、あくまで具体的に、仏法を現代日本社会の再生に生かす道を探っている。多くの僧侶や宗教関係者、あるいは教育者にとって耳の痛い指摘が続くが、著者の主張は具体的で筋が通っている。ただの理想論ではない。仏教(「縁起」)を学ぶ(説く)のではなく、仏教を実践することこそが大事。そのことをシンプルに、しかし様々な現実に目を配りながら、熱く語っている。

  • 仏教とはなによりも人間の苦に向き合い、その原因を深く追求することで、そこから未来と真摯に向き合い、そこでの苦悩に寄り添い、立ち向かっていったからこそ、その教えは人々に力を与えて時代を切り開いてきたのではなかったでしょうか 葬式、法事以外は何もしない寺、その葬式にしても全くありがたくもなく、感銘を受けない僧侶、社会問題意識の全くない僧侶、社会を変革する力の全くない寺、坊主丸儲けの寺、堂々の苦しみには無関心な寺、人々が苦しんでいても自分とは関係ないと泰然としている僧侶、そもそも感性の鈍い人がなる僧侶、といったイメージが崩壊し、お坊さんて面白い職業かもしれないと思いだしたのである 玄関から仏壇までの30秒で檀家に何が起こっているのか分かる。おじいちゃんが寝たきりになっているなとか、家族が円満なのかとか、小さいなサインでわかるのだという 祭りとはなんだろう。それは人々のエネルギーが、相乗的に働き、互いのエネルギーを目覚めさせる場である 曹洞宗ボランティア会SVA シャンティー国際ボランティア会 ある意味では和とは論理の世界である。足し算はきっちりと計算できる。何回計算しても答えは同じになる。しかし、そこで論理を超える力が働くと、そこには単なる足し算をはるかに超えるエネルギーが立ち現れる。それが積の世界だ

  • 「葬式仏教」と揶揄され、現代人に訴えかける力を失ってしまったかに見える仏教界において、さまざまな取り組みをおこなっている僧侶たちを紹介しています。

    既得権益の上にあぐらをかいている僧侶たちへの厳しい批判とともに、仏教の再生に向けての著者の熱い期待がストレートに語られていて、読んでいて元気の出てくる本でした。

  • 葬式化した仏教の現代化の取り組みのルポ。
    苦悩の時代こそチャンス?

    スリランカの悪魔払いの後半は漫才大会で、本当に病気が良くなるらしい(笑)
    笑えばそれって悪魔を払うんだろうきっと。

  • [ 内容 ]
    仏教が葬式仏教と呼ばれるようになって久しい。
    日本の「ホトケ」はほんとうに死んでしまったのだろうか。
    思えば私たちは仏教に何の期待もしなかった。
    期待がなければ志も力も育たない。
    しかし、いま志のある僧たちが、いろいろな活力ある仏教の実践を行っている。
    経理の公開、NPOの主催、イベントを通してネットワーク作りを行うなど、他者との関係性=「縁起を生きる」を求める僧たちの活動が続けられている。
    右肩上がりの時代が終焉し、現代は個人のかけがえのなさを喪失させる時代だ。
    様々な苦を抱えて生きる私たちは、仏教にいま何を期待すればいいのか、お寺が変われば私たちの社会はどう変わるのか、仏教の行方を展望する。

    [ 目次 ]
    序章 仏教は面白い!
    第1章 生きているスリランカの仏教
    第2章 出会いを力にする―有馬実成
    第3章 魅力ある寺・僧侶とは
    第4章 縁起に生きる
    第5章 “ホトケ”はどこにいる?

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 仏教というより、日本のお寺にエールを送る本。

  • 仏教というかお寺に興味がわきました。仏教のことをもっと知りたくなります。が、どうやって知ることができるのが、まだ方法がわかりません。

  • 宗教社会学者による、現代仏教に対する苦言、提案をまとめた一冊。ただし批判のみではなく、立派な活動をしている僧侶を紹介したり、今後に対する提言のようなものを示したりもしている。

    また、現代仏教界に問題は多くあるとして、そのようになったのは民衆がそうなるようにふるまって来た、苦悩や生死の問題を棚上げしてきたからなのではないか、という指摘があり、考えさせられる所があった。

  • (2010/7/6読了)単なる「魅力ある僧侶を紹介する本」かと思って読み始めたら、その出会いを通して体感した著者自らの宗教というものの捉え方が秀逸であった。意外な拾い物の本でした!

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著者プロフィール

上田紀行(うえだ・のりゆき) 東京工業大学副学長(文理共創戦略担当)・同リベラルアーツ研究教育院教授。専門は文化人類学。特に宗教、癒し、社会変革に関する比較価値研究。著書に『生きる意味』(岩波新書、2005年)、『かけがえのない人間』(講談社現代新書、2008年)、『愛する意味』(光文社新書、2019年)など。

「2022年 『自由に生きるための知性とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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