英文法をこわす: 感覚による再構築 (NHK出版新書 621)

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  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140886212

作品紹介・あらすじ

丸暗記から直感へ――。これが「話すための英文法」だ!

「NHKラジオ英会話」・大人気講師の「話すための英文法」講義が、新書で登場! 英文法の文型、規則・用法を丸暗記するのではなく、ネイティブの語感をじかに捉えるにはどうすればいいか。本書は動詞や冠詞、前置詞、時制などについて、その基本イメージを鮮やかに再構築し、読者を「感覚の英文法」の世界へと誘う。「一生ものの英会話力」を身につけるための著者の方法論を、簡潔かつ明快に説き起こした一冊!

序 章 感覚の英文法とは何か
第1章 文型を再構築する――感覚は英語を覆う
第2章 時制を再構築する――感覚の通わぬ世界とは
第3章 規則・用法を再構築する――ニュアンスの最深部へ
第4章 イメージを再構築する――質的転換を図る
終 章 イメージの見せる世界

感想・レビュー・書評

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  • 英語が勉強したくてというより
    言語学的に興味があって読んでみた。
    なので、これで成績がアップ!
    とか、そういう効果はわからないですが
    技術としてはおもしろかった!
    勉強したい人なら役にたつかも。

    考えてみれば母語を使う時
    いちいち頭で構文浮かべてるわけじゃないから
    著者の言うように「感覚」が大切なのか。
    そういうことを写真やイラスト交えて
    説明してくれてます。

  • 今やラジオ英会話でおなじみの、大西先生。
    以前、『ハートで感じる英文法』を読んで、感銘を受けたこともあり、もう一度読んでみることにした。

    骨子は、既存の英文法の用例羅列的な記述を批判したもの。
    それに代わり、イメージによって体系を再構築しようということであるよし。

    たしかに、例えば、現在形がどういう感じのものかなどというのは、前に読んだ本でもはっとした。
    そうやって英語話者の発想がわかるのは、とても面白く、刺激的。
    高校時代、ちっともわからなかった使役動詞have,get,makeの違いの説明も、少しわかった気になる。

    では、その「イメージによる体系」とはどういうものか。
    特に自分としてはとても興味があるのは、文法の体系、全体像がどのようなものなのかだ。
    が、残念ながら、それは『一億人の英文法』か何かを読まないとわからないようだ。
    …そしてそれは、きっと読み通すのが大変そうな感じがする。

    一方、ちょっと気になるのは、理解を助けるための図像や例文。
    上半身裸で、ムキムキの男性とかはちょっとね…。
    別に裸である必要はなさそうなんだけど。
    気持ち悪くて、そのページ、落ち着いて読めなかった。
    イメージを喚起する方策の難しさを、逆に感じてしまった。

  • 大西泰斗氏による、英語をイメージで捉え直すための本。
    学校で教えられる、「和訳」「分類(現在完了形の4分類など)」を否定し、ネイティブが発話する際のニュアンスを追求することで英文法を捉え直そうというもの。本当にいい内容で、彼の本が「ハートで感じる英文法」「一億人の英文法」などと広がっているのも納得。
    しかし言語感覚が鋭く、いくつかの用法や例を聞いただけでそのコアイメージが掴める人や、ネイティブと同感覚で英語が使えている人からしたら「何を今さら」なのかもしれない。
    著者自身も言ってました。「熟練した人が無意識にやってのけるところに光を当てる」という作業だそうです。

  • 2003年の同名書籍の復刻版。新書や文庫化すると、加筆修正されることの方が多いが、敢えてこの本は最低限の修正しか行わないことで、当時の熱量や思いが伝わってくる名著になっている。

    いろいろ用法やら例外が出てくる従来の学校文法とは違う、イメージや図による大西先生の解説はこの時から健在だ。我々の日本語に当てはめれば至極当然のことだが、ネイティブが逐一文法や規則を参照しながら書き物をしたり、会話をしているわけがない。その場しのぎで虚構の日本語訳に頼らない彼の考え方のお陰で、英語がイキイキとした。

    もちろんこの本はページ数は比較的少ないし文法書でもないので、彼の言う「感覚の英文法」のほんの一部しか描かれていない。この本を読んだ後、彼がその後出した「一億人の英文法」や「英単語基本イメージ集中講義」などで詳しく学ぶことをおすすめする。

  • 前置詞など、ルールとして細切れに学んできたものの理解が深まった。
    ちょっと前の作品なのもあってか、文体は今のテレビ・ラジオの講座での陽気なイメージと違う感じもした。

  • ラジオ英会話をずっと聴いているので、大西英文法のエッセンスには親しんでいる。
    その上で読んでみたが、新たに得たものはなかったものの、いろいろと再認識できた。
    既存の学校英語の否定から入るので、学校英語を習得済みということが前提になるのが逆説的ではあるが、学校英語を経由してきている者(つまり大体の大人)には分かりやすい内容になっている。
    文体で格好をつけすぎのところが少し気になる。ラジオの親しみやすい調子の方がよいと思うけど。

  • 思った以上にレベルの高い本だった。英文法を考える新しい視点を得られてとても良かった。英文法を一通り押さえている読者、英語知識がある程度ある読者にお勧めしたい。

  • これは日本人の学ぶ英文法の革命だ。NHK「ラジオ英会話」の講師の若いとんがった頃の著作。堅苦しい英文法をネイティブのイメージで解説。

    現在完了形、時制の一致、仮定法など堅苦しい英文法。ネイティブはどのように考え表現しているか、理屈よりもイメージで解説している。

    特に不定詞として使うtoはgo to などと同じように何らかの方向を示すということと、関係代名詞のthat は指示代名詞と同様に何か相手の関心をそこに引きつけるもの、という部分が目からウロコ。

    「ラジオ英会話」を毎日聞いている身には本当に役立つ一冊。ただ筆者の若い頃の作品なので、ちょっととがってキザな表現が多い。

    筆者はその後も多くの著作があるのでそちらも読んでみようと思う。

  • これまでの参考書全てのエッセンスを凝縮した一冊.イメージで解釈する大西英文法の総復讐的役割を担う.

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著者プロフィール

現在、東洋学園大学教授。筑波大学大学院博士課程修了。
英語学専攻。オックスフォード大学言語研究所客員研究員を経る。
ポール・マクベイ氏との共書『ネイティブスピーカーズシリーズ』(研究社)、
『ハートで感じる英文法』(NHK出版)他。

「2008年 『英単語イメージハンドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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