暴走するネット広告: 1兆8000億円市場の落とし穴 (NHK出版新書 590)

著者 :
  • NHK出版
3.78
  • (9)
  • (25)
  • (21)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 222
感想 : 26
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140885901

作品紹介・あらすじ

そのサイトで誰かが“不正に”儲けている
「クローズアップ現代+」取材班が徹底追跡!

急成長を遂げ、年間売上1兆8000億円に迫ろうとするネット広告市場。近いうちに、地上波テレビを追い抜き、「広告の王者」になると目されている。
しかしその巨大市場の奥底で、ネット広告特有の複雑な仕組みを逆手に取って、不正に金儲けを行う者が存在する。広告費はいったいどこに消え、儲けは誰の手にどれだけ渡っているのか―――。
「クローズアップ現代+」取材班が、現在のネットビジネスが抱える問題点をあぶり出す!

NHKクローズアップ現代+「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」、ネット広告の“闇”を探るシリーズが待望の出版化!

ネット広告の闇を探る取材の過程は、驚きの連続だった。
取材班が目の当たりにしたのは、ネット広告の急速な拡大を支える「アドテクノロジー」と呼ばれる技術の進化の裏で行われていた「儲かるならば何をやってもいい」とも言えるようなモラルを踏み外した不正、「利益が上がっているから」と不正を見て見ぬ振りをする関係者たちの無責任な態度の広がり、そして制御不可能なほど複雑に絡み合ったネット広告の流通システムだった。
――「はじめに」より

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  直近に検索したものや住んでいる市町村の分譲マンションの紹介などが表示されてわずらわしい程度にしか思っていなかった、ネット広告の闇に迫った本書。アドフラウドという広告詐欺があることを初めて知った。対策を講じてもすぐに抜け道を作り出していきイタチごっことなるのだろうが、諦めず取り締まりを強化することが重要。
     普段スマホで漫画を読まないので、漫画村事件については知らなかったが、昨年運営者に実刑判決が出たとのこと。詐欺に遭う・遭わないだけでなく、知らないうちに荷担しないよう情報リテラシーの習得が大事。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/724390

  • 誰もがみたことがあるだろう怪しいネット広告、それを解析し出所を探りインタビューする、かなり気合の入ったルポ。
    漫画村についてのルポはかなり面白かった。
    いたちごっこではあるのだけど、このように探り取材に出かけ、マスコミで問題提起することで、ひとつでも不当に利益を得る業者をつぶす力になっていることがよくわかる。
    NHKの丁寧な取材には頭が下がる。素直にすごい、と思える本。

  • ここまで追えるのやばい。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00597225

    【スタッフコメント】
    現代のネットビジネスが抱える問題をあぶり出す!!

    ネット広告の急速な拡大を利用して、
    不正な金儲けを行う者がいる。
    闇に消える広告費...。
    儲けは誰の手に!?

  • 丹念な取材を基にネット広告の実態をわかりやすく解説した書。ネットの発展を支えてきたネット広告ではあるが、他方、アドフラウドなどが蔓延している状況にある。ネットの健全な発展のためにどうすればよいのかを考えさせられた。

  • クローズアップ現代を観ていたので、それを文字で追った感じ。追加の情報はあまりなかったように思えるが、いくつか追加インプット先を知れたので、収穫あり。

  • NHKクローズアップ現代+の「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」、ネット広告の“闇”を探るシリーズをまとめたものです。
    ネット広告がタイトルなのに漫画村の話題がこんなにあるのか不思議でしたが、これまで漫画の違法ダウンロードだけで成り立つのかと思ってました。
    広告絡みでも複雑な仕組みで収益を上げてる実態が暴かれる過程を見ると、NHKの調査は価値があるでしょう。

    広告が売れないせいで、電通も赤字になるような状況ですから孫請けにして少しでも安くというのでしょうけど、孫請けを管理できないと巡り巡ってテレビや広告代理店に影響は返ってきてさらに経営が苦しくなるの無限ループに入っていきかねないと思いました。
    金払って自分で広告を出せる仕組みもありますし、依頼主が管理できない状況になりかねないとなると、Googleなどが広告の管理の精度を上げていくしかないでしょう。

  • レコメンデーションエンジンはインターネットのなかでももっとも有効なツールの一つだし、ネット広告は従来の広告と違って成果も見えやすいと思っていたんだけど、のんきにそんなことも言えない状況になってきたことが、この本を読むとよくわかる。アフィリエイターにインタビューしたり、情報商材を売っている会社の元社員に会ったり、漫画村のサーバーを探しにウクライナまで行ったり、末端の広告配信事業者に突撃したり、漫画村の「関係者」の携帯番号を入手して実際に話をしたり、取材力がすごいとしか言いようがない。ウクライナではサーバー運営会社の経営者が殺されていたり、別の会社でサーバー本体をついにみつけたり、まるでサスペンスドラマみたいな展開もある。この本のもとになった番組「クローズアップ現代+」は見たんだけど、こうやって本になったものを読むとまた新しい気づきもある。

    「はじめに」に、「制御不可能なほど複雑に絡み合ったネット広告の流通システム」という表現があるが、問題の根源はそこだろう。新聞社のサイトにすらフェイク広告が掲載されていたことも書かれているが、広告を掲載することにはプロであるはずの旧来型メディアもネット広告は外注して、コントロールできなくなっている。旧来メディアが協力して自ら安全で制御可能なアドネットワークを作って、広告主のブランドセーフティを守るような取り組みは出てこないのだろうか。ネット広告会社による自浄の動きも必要だし、広告主企業からの圧力も必要だろう。

  • アドネットワークもPMPも広告主とメディアを繋ぐ仕組みは本来ほとんど同じなはず。
    PMPもこれから取り扱いメディアの規模が大きくなり過ぎると、アドネットワーク化して、悪質なメディアが紛れ込む可能性が出てきそう。

    全然関係ないけど、NHKの取材力というか粘り強さが強いなと思った。

全26件中 1 - 10件を表示

NHK取材班の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×