- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140884874
感想・レビュー・書評
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著者は料理研究家として、料理関係の著作やNHKラジオ「すっぴん」での料理解説で活躍をしている土屋敦氏が書いた「飯テロ新書本」
具体的には、著者が家飲みのためのツマミの作り方を試行錯誤する様子を面白おかしく書いています
レシピとしては枝豆・刺し身から焼きおにぎり・味噌汁まで全10品
これらのツマミについて、あーでもないこーでもないと、うんちくを垂れながら、試行錯誤して作っていく様は、傍から見ていて非常におもしろかった
料理写真の枚数が少ないことと、写真が白黒な点が非常に残念でしたが、十分に「読む飯テロ」でした
【参考図書等】
・「おつまみ横丁——すぐにおいしい酒の肴185」(瀬尾幸子)
・「日本酒テイスティング」(北原康行)
・「だし生活、はじめました」(梅津有希子)
・「○○の丸かじり」(東海林さだお)
・「男のハンバーグ道」(土屋敦)
【引用】
そこで本書では、家飲みにおける「つまみの最適化」を目指す。つまり、家飲みの問題点を解決しつつ、美点をできるだけ伸ばす、ということが目的だ。(P16)
ビールと合わせるなら、あげている最中から飲むことを推奨する。ジャガイモの表面がきつね色へと変化していくとき、複雑な多種多様の香気成分が発生する。まずその香りを鼻腔で感じつつ、ビールで喉を潤す(揚げ油が発する熱で火照るかもしれないが、その熱もまた立派なつまみだ)。そして色づいたジャガイモを揚げ鍋からてんぷら敷紙に引き上げ、塩を強めにふる。(P71)
こういう風に渋いつまみで、格好よく家飲みをしてみたいと思う一方、様々な作家の飲み方を知るにつけ、家飲みは自由でいいんだとも感じる。本書で私はさまざまな理屈をこねつつ、家飲みについて語ったきたが、本当はもっと「なんでもあり」なのかもしれない。(P160)
考えてみると、肉や魚、野菜に塩をふると水がにじみ出てくるのは、浸透圧のおかげ。細胞膜を通して、細胞内の水がより塩分濃度が濃い方ににじみ出てくるのだ。しかし、当たり前だが、肉や魚のように水分が細胞膜に覆われているわけではないから浸透圧で水がにじみ出るわけはないのだ。(P184)
本書で目指したのは、つまみにおける「問題解決」だ。できるだけ論理的思考と科学的なアプローチで解説しようと試みた。(P233)
そんな訳で、本書のつまみの作り方について疑問点やツッコミどころは多々あると思う。だがしかし、それに対して、私は堂々とこう答えよう。「すみません!酔っていてよく覚えていません!」(P234)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
数字やら専門用語やら持ってくる割に、「こうなんじゃないかな」と想像(推測と言うには弱め)で話が進んでいく。
いや、「化学的にはこうらしいよ!よく分からんけど、美味しくできたからおっけー!!」くらい、振り切ってくれてれば読み物として面白いけど、どっちつかずというか、中途半端にデータを示されてモヤる。
あと、ポテトサラダは厚切りベーコンが乗ったやつおつまみとして好きなので、ずっと腑に落ちずに読んでた。笑
私にはあんまり面白くなかったけど、作者は楽しそうでなにより。
あ、枝豆の話は好きでした。 -
面白い
手をかければいくらでもかけられる!
焼きおにぎりとお味噌汁で一杯やりたい -
2016年35冊目
家で飲む酒。ほぼビールと日本酒に照準を合わせ、それにあうつまみをどうするか?
料理研究家の著者が徹底した追及の過程とそこから完成させたレシピを掲載
扱っているのは
・刺身 ・揚げジャガ ・オニオンスライス ・お浸し
・だし巻き玉子 ・ポテトサラダ ・豚肉の味噌漬け
・揚げだし豆腐 ・焼きおにぎり ・味噌汁
たとえばだし巻き玉子では、玉子とだしをどの比率で混ぜていけば形が崩れずに
ふわっとした出し巻きが作れるかを探求。
オニオンスライスでは辛味を抜けてしゃきっと感を出すにはどうするかと徹底追及
家飲みだからといって手を抜かず家庭で出来る範囲でどこまでできるかを追い求める
そのストーリに感心しました。 -
めちゃくちゃまじめに「家飲みでの最高の肴」に取り組んでて笑ってしまった。こういうの好きです。理想のオニスラあたりで既に、これは良書だ!って思った。
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この著者、ほんと好きだなあ。
さまざまな考察と実験を重ねて一つの結論を導き出すというその内容だけでも十分魅力的なのに、著者のうなるほど上手な文章がさらに本書を輝かせている。
試食をするのがつらい、家族も協力してくれない的なお決まりのネタも笑える。 -
著者が次は何を極めるのか気になる。私も少しずつ極めたい。