きみの人生はきみのもの: 子どもが知っておきたい「権利」の話

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140819302

作品紹介・あらすじ

心・体・お金を守る! きみの権利の使い方

「校則を変えたい」「いじめにあっていてつらい」「親にお年玉をとられた」…子どもが抱える24の悩みや問題を取り上げ、「権利」を紹介しながら解決への道を示す。相談先の情報もついていて、子どもが困ったときに自分で考えて行動できる。学校では習わないけれど、生きていくうえで重要な知恵と情報が詰まった冊!

感想・レビュー・書評

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  • なんだか安心できた話でした。

    私は両親から大事にされているし、友達も優しいし、困ったことはあまりありません。友達関係で悩むことはありますが、すぐに仲直りすることがほとんどです。けれどこの本を読み、嫌なことがあっても、他の人に頼ることができるというのを、現実として感じることができました。


    困ったことはあまりないと言いましたが、私のクラスには少し問題児がいて、日々悩まされています。今年から給食後の昼休みが潰れ、モジュールの時間に変わったのですが、その時間にずっと喋っています。みんなが注意しても意味のわからない屁理屈を並べ立てていて、みんな諦めている感じです。(よくある、「静かにして」「その注意の方がうるさいと思うけど?」とか。)すぐにファッキューファッキュー言うし(なぜか英語)、すぐに人に手を出すし(私もやられた)、先生も諦めている感じ。諦めてほしくないけれど、私が言ってもみんなででも、へっちゃらみたいな感じです。

    後一番嫌なのが彼の机の周りだけすごく汚いこと。体操着袋や鉛筆、ぐしゃぐしゃになった折り紙が毎日散らばっていて、私はそこまで綺麗好きじゃないので見る分には我慢できますが、掃除の時に私たちが片付けておかないといけないのが本当に納得いかない‼︎自分でやってほしい。

    でも優しい友達がいるので、なんとか毎日学校に通っています。

  • 〇なぜ、どうしたら…に、あたりをつけることができるのように
    〇文章を読むことが苦手意識を持つ子どもにも読みやすい分量、必要なとこをピックアップして読んでも

    ◎はじめに
    きみたちは権利を持っている
    権利ってなに?
     ・自分で何かを自由に行っていいこと
     ・他人に何かしてもらうよう要求できること
    「日本国憲法」 
    「子どもの権利条約」
    困ったときは誰かを頼ろう

    1:自由に意見を言ったり、社会を変えたりする権利 
     ・親の言うことはなんでも聞かないといけないの?
     ←「自己決定権」
     ←「子どもには、じぶんに関係のあることについて自由に自分の意見を表す権利を持っています。その意見は子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければいけません」
     ←聞く必要があることと、聞く必要がないことを見分ける
      ※言っている内容と、その伝え方
    ・親が勝手に部屋に入ったり、スマホやケータイを見たりする
     ←「プライバシーの権利」
     ←「子どもは、自分や家族連れ、住んでいるところ、電話やメールなどのプライバシーが守られます。また、他人から誇りを傷つけられない権利を持っています」
     ←「監護権」
     ←親子で話し合う、ルールのすりあわせ
    ・学校のルールや校則を変えたい!
     ←「子どもは自由に自分の意見を表す権利をもっています」
     ←なぜその校則が出来ているか
      「校則の変え方」を調べる
      自分たちで決める
    ・ふつうでなきゃ、ダメなの?
     ←「幸福を追い求める権利」
     ←「自己決定権」
    ・学校は行かなきゃきけないの?
     ←「教育を受ける権利」「教育を受ける義務」
     ←自分の能力に応じた教育を受ける権利
    ・学校が教えてくれないことを、もっと知りたい
     ←学習する権利
     知識と情報は探すことが出来る
    ・グレタみたいにデモをしたい
     ←「集会・結社の自由」
     ←「子どもは、ほかの人々といっしょに団体をつくったり、しゅうかいを行ったりする権利をもっています」
     ←何のためにデモをするのか
    ・家に居場所がない
     ←「幸福を追い求める権利」

    2:心と体を守る権利
    ・いじめにあっていて、学校に行きたくない
     ←全ての人は対等で平等である
    ・SNS でいやがらせを受けていて、つらい
     ←イヤなことにイヤという権利を持っている
      心のサポート、問題解決のサポート
     ←表現の自由を間違えない
    ・毎日よく眠れない、すぐおなかが痛くなる
     ←「健康で文化的な最低限度の生活を送る権利」
     ←自己観察
    ・SNS やゲームをやめたいのにやめられない
     モノへの依存、行動への依存
     ←「子どもは、健康でいられ、必要な医療や保健サービスを受ける権利をもっています」
    ・自分の性別に違和感がある
     ←「性の自己決定権」
    ・親・友人・先生から体をさわられたり、性的なことを要求されたりする
     ←「国は、子どもが…性的な虐待をうけたりすることのないように守らなければなりません」
    ・ごはんをちゃんと食べさせてもらえない
     ←「子どもは、生活していくのにじゅうぶんなお金が無いときは、国からお金の支給などを受ける権利をもっています」
    ・親から大切にされていないと感じる
     ←すべての人は、子どもが心も体もすくすくと生まれ育つように努力しなければなりません
     ←すべての子どもは、みな同じようにその生活を保障され、愛され、守らなければなりません
     ←189
    ・親のしつけが理不尽
     ←児童に対して体罰を加えてはいけません
    ・家族構成の世話や介護をしていて、とてもたいへん
     ←ヤングケアラー
     ←助けて!という権利
    ・恋人が出来るまでに知っておきたいこと 
     ←同意
     ←「すべての人は、その人として認められ、大切にされます」
     ←人権

    3:お金を守る・お金をもらえる権利
    ・親にお年玉をとられた
     ←「財産権」
     おこづかい帳、口座…お金について学ぶ機会
    ・貸したゲームが返ってこない
     ←「財産権」「所有権」
     ←相手が借りた事実を認めているかどうか 
      相手に返す意志があるかどうか
      貸し借りの証拠が文字として残っているか
    ・お金が無くて高校・大学に通えない
     ←奨学金、働きながら、働いてお金を貯めてから通う
    ・お金がまったくなくても、生きていける?
     ←生きる権利、義務とセットでは無い
    ・いつか働くときまでに知っておきたいこと
     ←労働基準法
     ←男女雇用機会均等法

    ◎おわりに
    問題や悩みに対する、自分の外側にある原因を考えられる力
    社会が、今以上に、子どもたちにとって生きやすくて、希望を持てるものに向かいますように

    〇参考になる本、ウェブサイト

  • 困ったことや悩みの事例を挙げて、憲法や子どもの権利条約を基に具体的に権利を示しながら解決法へと導く。相談窓口や役立ち情報も具体的に示す。
    シンプルでわかりやすく、子どもに寄り添ってくれる本。

  • 『はじめに』には権利について書かれてる。
    『権利を持っているというのは大きく分けて次の二つのことができることを意味します。
    1 自分で何かを自由に行っていいこと
    2 他人に何かしてもらうよう要求できること』

    「ぎゃくたいってなあに?」は権利についてだけだったけど、この本はそれで何ができるかまで書かれている。
    子どもたちの日常のこまごまとしたことについてを権利を絡めてアドバイスしてくれる本。


    「ぎゃくたいってなあに?」と同じく『そもそも大人たちが権利を知らない』とこの本にも書いてあるけど、まさしくそれ。
    大人は知らない。
    子どもだけが知っていても「生意気なガキだな」で一蹴されることもある。

    もっと社会が『人権』について知って、大人がそのような基本的な知識を『学び続けることができる場所』があるといいのにな……とは思う。でも、それがどんな形なのかそもそも、現状存在してるけど周知がされてないだけなのかも分からない。日本あるあるの『システム・制度』は存在してるけど、周知や価値観の変容は促さず同調圧力で『制度・システムを使わせない』という形のものなのか。育児休業を調べた時、世界でも一番のいい制度があるらしいけど周知がされず価値観の変容も促されていないので、結局使えない代物と化しているというなぞ制度だった。そういうのが色々ありそう。

  • 「こういう相談先があるんだな〜」という新しい発見がたくさんあった。
    個人的に興味があったボランティアと関連する情報も得られた。

  • 社会的に困った時に相談する機関についても書かれているので、ハンドブック的な意味合いが強い印象を受けました。
    困った時に使える本だと思います(ただし、利用したい時に、その、相談先がなくなっている可能性があるので注意が必要かと思います。)
    子ども向けに書いているものだと思いますが、何処となく、諭しているような上からな印象も受けたので、漫画にしてみるとか工夫があっても良いかなぁと。
    子どもに読んでもらったら、また印象が変わるかもしれませんね。

  • これは大人も子どもも読んで損はない一冊。
    文字も大きく、やさしい言葉で書かれているので、小一時間で読み終える。
    何かを考えるときにまず念頭に置くべき「人権」と、自分を大切にすべく、周囲や公の機関を使ってどう生き延びて行けるかの大切な話。
    要は「あなたが悪いわけじゃない」

    谷口さんの、大切で深刻な話をやさしく軽妙にする技が冴え渡っていると思う。そこに、荻上さん幅広く奥深い知見が加えられているのだろう。

    話し上手な谷口さんが故、コメンテーターや講演が本業と思われていることも多いのだろうが、「私はあくまで法学者です」と、先日のウェビナーでおっしゃっていたのが印象的だった。
    おそらく、ご本人の子どもたちへの思いが強く込められた一冊なのだろうと思う。

  • 大人ではありますが、改めて権利というものを学びたくて手に取ってみました。
    子供の権利を守るには、当の子供への教育ももちろんですが、大人への周知も必要です。
    こんな本が必要な子供なんていないのが一番なんですが、現実は…。

  • 「心・体・お金を守る! きみの権利の使い方
    「校則を変えたい」「いじめにあっていてつらい」「親にお年玉をとられた」…子どもが抱える24の悩みや問題を取り上げ、「権利」を紹介しながら解決への道を示す。相談先の情報もついていて、子どもが困ったときに自分で考えて行動できる。学校では習わないけれど、生きていくうえで重要な知恵と情報が詰まった冊!」

    はじめに――きみたちは権利をもっている 

    1 自由に意見を言ったり、社会を変えたりする権利 
      親の言うことは、なんでも聞かないといけないの? 
      親が勝手に部屋に入ったり、スマホやケータイを見たりする 
      学校のルールや校則を変えたい! 
      ふつうじゃなきゃ、ダメなの? 
      学校は行かなきゃいけないの? 
      学校が教えてくれないことを、もっと知りたい 
      グレタみたいにデモをしたい! 
      家に居場所がない 

    2 心と体を守る権利 
      いじめにあっていて、学校に行きたくない 
      SNSでいやがらせを受けていて、つらい 
      毎日よく眠れない・すぐおなかが痛くなる 
      SNSやゲームを、やめたいのにやめられない 
      自分の性別に違和感がある 
      親・友人・先生から体をさわられたり、性的なことを要求されたりする 
      ごはんをちゃんと食べさせてもらえない 
      親から大切にされていないと感じる 
      親のしつけが理不尽 
      家族の世話や介護をしていて、とてもたいへん 
      恋人ができるまでに知っておきたいこと 

    3 お金を守る・お金をもらえる権利 
      親にお年玉をとられた 
      貸したゲームが返ってこない 
      お金がなくて、高校・大学に通えない 
      お金がまったくなくても、生きていけるの? 
      いつか働くときまでに知っておきたいこと 

    おわりに
    参考になる本とサイト
    著者情報
    谷口 真由美 著
    1975年大阪府生まれ。法学者。大阪国際大学准教授を経て、大阪芸術大学客員准教授。専門は国際人権法、ジェンダー法など。かつて大阪大学で非常勤講師として日本国憲法を教え、ベストティーチャー賞ともいえる大阪大学共通教育賞を4度受賞。テレビ・ラジオのコメンテーター、新聞・機関誌のコラム執筆、講演などで幅広く活躍。

    荻上 チキ 著
    1981年兵庫県生まれ。評論家。メディア論を中心に、政治経済、社会問題、文化現象まで幅広く論じる。一般社団法人「社会調査支援機構チキラボ」代表理事、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事。ラジオ番組『荻上チキ・Session』(TBSラジオ)メインパーソナリティ。

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著者プロフィール

1975年生まれ。大阪大学非常勤講師、全日本おばちゃん党代表代行。国際人権法、ジェンダー法などが専門分野。TBS系『サンデーモーニング』、朝日放送『おはよう朝日です』『キャスト』、ABCラジオ『伊藤史隆のラジオノオト』はじめ、TV、ラジオ、新聞のコメンテーターとしても活躍。

「2019年 『ネットと差別扇動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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