- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140818213
作品紹介・あらすじ
四半世紀を総括し、成功モデルの原理を示す!
専門用語が多く難解なテクノロジーを誰よりもわかりやすく解説できる著者が、インターネット登場から四半世紀にわたるネットビジネスの進化の要点をジャンルごとに整理する。Amazon、楽天、メルカリ、YouTubeなど、有名企業の分析を通して、勝者に通底する原理や儲けのしくみを解説。激変するネット界の潮流がわかる、ビジネスパーソン必携の一冊!
感想・レビュー・書評
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現在のネットビジネスの進化の過程が、分かりやすく解説されている。日本(日本人)が、”中途半端な便利さ”を確立し、それに慣れていることがネックとなり、中国のような新たなサービスやアイデアが生まれない、というくだりはなるほど、と。
海外にいると、次から次に新しいサービスが登場して、便利になっている実感はある。一方、日本人として日本の既存の便利さというのは、海外にはない強みであったろう。しかし、このコロナにより、様々な限界が見えてきた。保健所の業務が手書き・ファックスとか、給付金の申請も、ネットで行っても結局役所の人がプリントアウトして・・・・、など唖然とする話がたくさん聞こえてきた。
テクノロジーの活用で、これまでの習慣を代替でき(ハンコによる承認など)、かつ効力は実質同じで、効率も上がる方法はすぐにでもできるはず。それが進まないのは、行政や企業もそうだが、我々一人一人が日本の便利な生活に慣れてしまっていることの証左。政権は変わり、デジタル庁に向けた準備が始まるという。箱だけでなく、意識改革もしっかりしないといけないし、ビジネスパーソンが率先して新しいことを取り入れる、逃げないというスタンスを持たないと、日本は沈没してしまうのではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
尾原さんのネット関係の本は、全部じゃないにせよ、
できるだけ読むようにしています。
分かりやすくて、俯瞰的にまとまっているからです。
この本は、ネットビジネスがどう進化してきたのかを
サービス別にまとめた本。
こういうテーマに興味のある方は、
どこかで聞いたことのあるような話がパラパラと出てくるかとは思いますが、
バラバラの情報が1冊の本にまとまっているところが、
ネットビジネスを俯瞰して理解するにはちょうどよいサイズ感です。
さらに、IT業界に精通している人でもなければ、
全てのことを知っている訳ではないと思うので、
自分の欠けているピースを埋めることもできます。
この手の本は、ビジネスマンの最低限の教養になっていくんじゃないでしょうか。
アフターデジタル1・2と共にお勧めです。
※アフターデジタル
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4296101625#comment
※アフターデジタル2
https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4296106317#comment -
昨年、テレビ広告費をデジタルが抜いた。
デジタル広告って今どんなんになってるだっけ?
というところを改めて整理したくこの本を開いた。
広告はもちろんデジタルビジネス、というところの基本を
インターネットの成り立ちや企業の理念などを紐解きながら
わかりやすく解説してくれている良書だと思います。 -
インターネットの本質の一つには、情報や物を小分けにして離れたものを繋げるという機能がある。
この機能は、今までになかった情報の流れや物の流れを生み出し、新しいビジネスのきっかけをつくる。
ネットビジネスの根幹には上記のようなインターネットがもたらす機能が作用しており、本書ではこの機能をうまく活用し「成功」と呼ばれるような事例を紹介、その要因を解説している。
構成は6つから成り立ち、繋ぐものの属性によってそれぞれ章立てされている。
part1では、はじめに繋がりの「場所を押さえる」ことの重要性を説く。ネットによって人が集まればパワーが生まれ、お金や権力が集中する。するとまた加速して人が生まれてさらにお金を生むという「儲けの一等地」の重要性を説くところから始まる。
事例ではYahoo!とGoogleが場所を押さえ、覇権を握るきっかけとなった進化論を紹介している。
part2では、人から人へ物や予約を繋げる。買いたいものが予め決まっている人に特化した「効率重視」のAmazonと、迷う楽しさも味わうことのできる「余剰」の楽天の違いなどが紹介されている。また、「悩むこと自体がエンタメ」路線のゼクシィなどの事例も必見。
part3では、人から人へ情報を繋げる。情報にはストック情報、例えば1回アップすれば来年も価値のあるような花粉症に関する情報と、フロー情報、例えばワイドショー的な話題性のある鮮度が鍵となる情報などそれぞれに特性があることから紹介、それぞれをマネタイズさせるために必要な扱い方などを記している。
part4では、コミュニケーションを繋げる。ネットでのコミュニケーションには「実名が匿名か」「交流か情報集か」「クローズドかオープンか」の3軸があり、それぞれのポジションを担うFacebookやTwitterの役割を紹介している。
part5では、有限資産と人を繋げる。シェアリングエコノミーの代表とも言われるUberは「効率型」でありairbnbでは「共感・交流型」であり、有限資源の属性によって繋げ方、役割が異なることを記している。
part6では、仕事とデータをつなげる。例えば、営業はアポドリのための①電話番号リストの作成から、②かけTELを行い、③アポがとれてはじめて④訪問提案クロージング活動に結びつくが、従来はこれを1名ないし2名でこなしていた。
ここを、salesforceでは①〜②を自動化、人が始める仕事を③アポイントを取るところからスタートさせた。さらにはSaaS化により③と④も同一人物である必要がないことを明らかにしていく、と言ったデータと仕事が繋がることの効能を紹介している。 -
今って、どんな世の中になってて、どんな企業や人がどんな戦略で活躍してるのかな?っていうのを網羅的に解説してくれているのが本書。
例えば、YahooとGoogle、Amazonと楽天、アリババとテンセントそれぞれの戦略や立ち位置の差を説明できるか、とかが読むべきかどうかの基準になるかも。実際、知っていると思ってたけど、Yahooの戦略や、アリババとテンセントの戦略の差は分かり易かった。
アフターデジタルの話ではないけど、仕事でもプライベートでも避けては通れないオンラインの話。
自分の人生をより良くするために知って、生かすための第一歩に最適かと。 -
IT企業に入ったので、ITをもっと知ろうと考えこの本を読みました。
中でもIT化による機能価値の充足、今後必要となる感情価値の捉え方は大きな学びになりました。
確かにこれまでは効率化を重視してビジネスが成長していましたが、ITの発展により現在の社会では効率化はほとんど達成され、この先、効率化による機能価値が求められることはほとんどないと思います。
そこで感情価値を満たすために、どんなサービスを提供できるかがIT企業の今後の課題になるというのは明白です。
オフラインの全ての店に言えることですが、
欲しいものがあるから買う、物やサービスを得るために足を運ばなければならないからそうするなど、機能的な価値しか提供できていないお店に価値はありません。
それこそロボットで十分だし、場合によってはロボットの方がいいまでもあります。
いかに機能的満足を超えて、感情的満足を提供できるか。
店舗にITサービスを提供するIT企業、機能価値をITで完全に効率化させ感情価値を提供しなければならない店舗、これら企業の今後の課題と使命が明らかになったように感じます。
僕自身が働く際にも、感情価値を高めるにはどうしたら良いのか、機能価値だけに終わっていないかというのは意識し続けたいです。
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「つなげる」をテーマに、権力、物、コンテンツ、コミュニケーション、資産、仕事と章を分けて昨今耳にするテクノロジーに関して、その説明とそれらがもたらしうる価値について説明してある。またそこに絡めてそれらの分野で成功していると言われる企業や人にも焦点を当てて考察が書いてある。広くわかりやすく書かれているので、ざぁーっと読んで興味のある分野をまた別の本で深堀するという利用ができる。
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Kindle Unlimitedで僕は読んで面白かったので甥っ子に読んでもらう用に買いました。
ひとつだけあげると
「リアル世界のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)化」
「すでにある機能を組み合わせるだけで新しいサービスをつくれる」
エニプレイスを例に挙げると詳しくは本書を見ていただくとしてあいりんの簡宿に周辺サービスをアプリで組み合わせるだけで新たな道が見える気がします。
これはいけるかもしれませんね。 -
点から線での付き合いに変わりつつあるが、機能だけでなくヒトの感情も捉えながらビジネス化すると、簡単に競合他社の真似されない。
常に考える。
仕事って楽しいけど、脳みそは大忙し。 -
ネットビジネス進化論というタイトルで、インターネットの普及によって台頭したGAFAM、アリババ、テンセント、楽天などの企業が実施しているビジネスモデルを、
今後含めてどのように変化しそうかを広く書いてくれている。
様々な企業を紹介しているので、知識が広がる感覚を感じる。
5つに大きくカテゴライズしてあるあたりは、読者の理解を促進させてくれると思います。