ダークマターと恐竜絶滅 新理論で宇宙の謎に迫る

  • NHK出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140816950

作品紹介・あらすじ

宇宙論の可能性を開く衝撃の新説が登場!宇宙最大の謎とされ、いまだにその正体が明らかでないダークマター。著者は独自の研究にもとづき、新種のダークマターを提唱する。ダークマターの一部は寄り集まって円盤化し、天の川銀河の円盤内に収まり(二重円盤モデル)、周囲に強い影響を及ぼすのだという。その新種のダークマターが彗星を地球に飛来させ、六六〇〇万年前の恐竜絶滅を引き起こしたのかもしれない-。世界的トップサイエンティストが科学の最先端をわかりやすく解説し、宇宙と地球、生命の進化が深く結び付いているさまを鮮やかに描く。刺激と興奮に満ちあふれた、大注目の一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 分かりやすい、面白い

  • なんとも心惹かれるタイトルではないか。
    恐竜絶滅はチクシュルーブ・クレーターをつくった隕石によるものだ、ということになっているのが、なぜダークマター?
    まあ、風が吹けば桶屋が儲かる、とかバタフライエフェクトのような気もしないでもないが、太陽系外のオールト雲にある小さな天体がダークマターによって影響を受けて軌道を変え、地球にむかってきたのでは、という説を、科学的に、そして結構わかりやすく説明している。
    太陽系は天の川銀河を約2億4000万年で一周しており、その間、銀河平面を上下に移動する、という動きがポイント。銀河平面にはダークマターが集まっており、普通の物質とダークマターによる二つのディスク、即ちDDDM(ダブル・ディスク・ダーク・マター)によって太陽系の天体が影響を受ける、という仮説。
    今後の検証が気になる。

  • ダークマターと恐竜絶滅

    ー序章
    気候変動や天体が地球に影響を及ぼしてた?

    ダークマター85%、通常物質は15%

    1章
    ダークマターとブラックホールは違う
    ブラックホールは非常に大量の物質が非常に狭い空間に凝集したときにできる天体。

    2章
    ダークマターは見えないが、重力を通じて周囲に影響を及ぼす。
    銀河団が合体した時に通過するものがダークマター?

    荷電粒子→荷電粒子が結び合わさって電気的に中性の原子が形成された、この温度を再結合温度という。

    初期の宇宙はいかなる構造も形成されていない。
    電気的に中性の原子がようやく形成できるようになった再結合期に宇宙の中の物質と放射が振動し始めた。

    3章
    私たちを構成している物質
    陽子、中性子、電子がなぜこんなたくさんあるのか。
    物質と反物質があるから、実質は無?
    荷量保存則とアインシュタインの式

    でも物質は存在さている。非対称だから?

    ビックバン
    ー宇宙がビックバンと共に始まった
    ー前から存在していたが、ビックバン 理論の予測する膨張にいたった
    ーずったあったマルチバースのなかの一つが私たちの宇宙

    リサはマルチバースに自分の分身がいるのには否定的。

    4章
    私たちの体は膨張しない、原子核と電子で構成されている原子は電磁力により非常に近い距離に保たれている。
    私たちの体の密度は宇宙の平均密度より一兆倍も高い。

    宇宙は最初電荷のある粒子と電荷のない粒子との両方で満たされていたが、冷えた時に電気的に中性の原子を形成できるようになった。
    これ以降宇宙は中性の物質、すなわち電荷をまったく持たない物質で構成されるようになる。
    これにより自由に横断出来る様になり、初期宇宙からの放射がダイレクトに私たちのもとに到達できるようになった。

    五章 銀河の誕生

    六章 流星物質、流星、隕石

    暗視ゴーグル、超強力に光を増幅。
    大気圏内、毎日50トンもの流星物質

    惑星の組成と様相は、その惑星の温度によって決まる

    現在の惑星、重力により丸まっていてなおかつ太陽のまわりを回る別の小天体を近隣から一掃している天体

    7章 短くも輝かしい彗星の生涯

    10章
    ギリシャ人はワインを薄めて飲んでいた。

    アースインパクトデータベース

    小さいクレーターが少ないのは地球の大気が濃いせい。

    地球の70%が海なので記録されてないものも多いのでは?


    11章

    35億年前に生命の証拠、地球形成から10億年後

    酸素発生型光合成はその10億年後
    その5億年後から退屈な10億年
    カンブリア紀から複雑な生命体が爆発的増加

    化石を見ないと絶滅を判別出来ない。
    カンブリア紀以前の古い生物を研究する時は生物に固い体部位があるかが障害になる。

    第六絶滅?
    気温やphの変化率はP-T絶滅の時と近い。

    北米大陸に初めてヨーロッパ人現れた時、大型動物の80%が絶滅した。

    大型動物は減り、産業革命でまた爆発的に増えた。

    12章 恐竜の最後

    ダークマターの円盤こそが恐竜を絶滅させた流星物質に殺人的な軌跡をとらせるきっかけをつくった張本人?

    6600年前、ほとんどの海岸が現在の位置より数千キロメートル先にあった。
    海水面も100mぐらい高かったと思われる。

    衝突により、津波と地震波、ちきゅうぜんたいの温度上昇による火災

    衝突から数ヶ月で生物量の半分が灰に。
    彗星には重金属など有害物質。雨になり空から降り注ぐ。

    硫黄が硫酸になり大気に残り太陽光を遮断、寒冷化が続く。

    13章 生命が生息出来るところ

    太陽系で地球ほど生命出現を誘発しそうなところは無さそうに見える
    重元素が宇宙からやってきたのは確実。

    アミノ酸は宇宙にもある。地球のアミノ酸は全て左巻き。宇宙は左と右もある。

    水はどこからやってきた?

    初期の人類は隕石の鉄を利用して道具や武器や文化的なあれこれを作成していた。

    14章 歴史は繰り返す

    ミランコヴィッチサイクル
    気温パターンに二万年と十万年の周期性


    19章
    通常の物質が宇宙エネルギーの1/20
    全物資の中でも通常の物質が担うエネルギーは1/6

    MRIも原子核の理解から、電子革命はトランジスタの発明から。トランジスタは量子力学の原理から。
    GPSにら相対性理論が組み込まれている。

    ーーーー

    本のテーマ。
    ダークマター、すなわち宇宙の2割以上を満たす見えない謎の物質と恐竜絶滅との驚くべき関係。

    6600万年前に恐竜を絶滅させた彗星衝突はダークマターの一部が形成する見えない銀河円盤が引き金となり起こった可能性。

  • 宇宙最大の謎,ダークマター。その恐竜絶滅との関わりとは? 世界的科学者リサ・ランドールの新説がわかりやすく解説されています。そもそもダークマターって何?という方は,第3部「ダークマターとは何か」から読んでみるのもおすすめ。

  • ダークマターモデルに関する部分はまだ仮説で証拠が揃っていないこともあり紙幅が限られている。
    そこに至るまでの現代宇宙論と全く分野の異なる地質学恐竜絶滅に関する部分がほとんどを占める。
    著者も認めている通りまだ仮説であるしアグレッシブすぎる部分もあるが非常に面白いと思う。

  • リサ・ランドール博士の本は初めてだったが読みやすくてユーモラスで好印象。素粒子標準理論などは知ってる前提で書かれてるので、ニュートンや図解シリーズを読んでおくことがオススメされる。
    標準理論では多様な素粒子の存在が確立されているが、ダークマターにも多様な種類があるのでは?というアイデアはとても斬新で、そのモデルが観測とうまく一致しているのは衝撃的。銀河の回転運動に太陽系の垂直動作も加味されているとは知らなんだ。 素人的なデタラメだが、引力で引き合う通常物質、斥力を増大させるダークエネルギーがあるなら、ダークマターは一定距離以内で斥力、一定距離を離れると引力って特性を持ってるのかも、と考えてみたり。
    約3500万年の一定周期で彗星がオールトの雲から来るとのことだが、木星ならもっと多い数がぶつかるのか?密度スカスカなのに一定周期なんてありえるのか?地球にぶつかるのシナリオ以外の考察は?オールトの雲は密度や形状が不明なのにダークディスクの影響で1個や2個、飛ばされるやつがあるとはどういうことか? など、疑問が多く残ってしまった。
    ビッグファイブや古生物、地質学についてのテーマは省いてページを少なくしてほしかった。博士の専門外のことは詰め込まなくても、専門家の著書を読むので・・ 使われなくなった哺乳類型爬虫類と表現してたり、生命の起源は古代地球の浅瀬だとか、せっかく新しい本なのにちょっと古い言及があったりしたので気になってしまった

  • 請求記号 443.9/R 14

  • 科学道100冊 2019 「科学する女性」
    【所在】3F開架 
    【請求記号】421||RA
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/190431

  • 難しいし長いしでものすごく時間かかったけど、ダークマターが眉唾ものではなく、最近では確実にあるとされてきたということが飲み込めた。少し前まではダークマターとかダークエネルギーはエセ科学みたいな風潮あったのに、科学は時代によって変わるから面白い。

  • 宇宙の誕生から原子が出来、そして星が出来ることを解説する。この太陽系の特徴を述べ、ダークマターが恐竜絶滅の引き金を引いたかもしれないと仮説を述べる。ダークマターの部分は良く分からないが、それまでの所は興味を引かせる書きっぷりで、著者は天文学者ではないが、宇宙の神秘を感じさせてくれる。

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